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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

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新たな構え

「さあ!すでに1勝を上げているジェノス魔導学園!!このまま、連続勝利で優勝へ近付くのか!?それともグランバニア魔導学園が勝利して優勝への道を繋ぐのか!?緊張と期待の一戦です!!!」

係員の進行によって、徐々に盛り上がっていく。

会場全体が声援と歓声によって熱気を帯びていくのが分かるね。

二人の試合に対して高まる期待感。

誰もがこの試合の行く末に注目しているようだ。

「さあ、とっとと始めようぜ!」

「ああ、そうだな」

試合に上がる真哉と盛長君。

位置に立って向かい合う二人は特に会話もないまま、
互いに相手を意識しながら試合に向けて集中力を高めている。

「準備はよろしいですね?」

試合場の中央に立って問い掛ける審判員の問い掛けに、二人は無言で頷く。

「それでは、試合始めっ!!!」

試合開始の合図と共に更に高まる歓声。

その中で二人は互いにルーンを構えた。

長身の槍を構える真哉。

その手にあるのは『ラングリッサー』だ。

対する盛長君のルーンは巨大な斧だ。

『アースブレイカー』と呼ばれる巨大な斧による一撃は、
あらゆる物を粉砕して分断する破壊力がある。

おそらく純粋な攻撃力は最上位じゃないかな?

僕のシャイニングソードや彼のジェネシス。

それに真哉のラングリッサーやフェイのファルコンでさえも、
盛長君の破壊力には及ばないだろうね。

能力的には並みのルーンと変わらないだろうけど、
一撃の破壊力は群を抜いている。

それがアースブレイカーの特徴になる。

そして真哉やフェイ以上に鍛え上げられた肉体は、
格闘家としても通用するほどだ。

文字通り『戦士』としての実力を併せ持つ彼の一撃は正真正銘『破壊の一撃』になる。

彼の一撃を受ければ僕や彼でさえ無事では済まないと思うよ。

それほど圧倒的な破壊力を持つ盛長君と向き合う真哉が、
槍を構えながら突撃を始める。

「行くぜっ!!新奥義!『バーニングソウル』!!!」

真哉が新たな魔術を展開したことで、炎が勢いよく燃え上がった。

ボルガノン以上の灼熱の炎だ。

槍の先端だけじゃなくて、全体が激しく燃えている。

「これが俺に出来る『最強の炎』だ!!」

ブンッ!!!

勢いよく振り回される炎は、
フェイの最大の攻撃である黒炎衝(こくえんしょう)に匹敵する威力を感じさせる。

それほどの炎が盛長君に向かって伸びて、彼の身体を焼き尽くそうとしていた。

「ふん!アースクラッシャー!」

全力で斧を振るった盛長君の一撃によって崩壊する試合場。

その衝撃が迫り来る炎を遮断したようだ。

衝撃によって拡散してしまう炎。

真哉の新魔術は盛長君には届かなかった。

「ったく、どいつもこいつもまともに俺の攻撃を受けるやつはいねえのか?」

ぼやく真哉に盛長君が反撃しようとしている。

「吹き飛べ!パワークラッシュ!!!」

全力で振り回される巨大な斧の一撃だ。

まともに受ければ真哉の槍も身体も分断されかねない。

「ちっ!」

迫り来る斧の軌道を予測しながら、真哉は全力で踏み込んだ。

「ソニックブーム!!」

瞬時に飛び出した真哉は、
盛長君の射程から上手く逃れて背後に回り込んだ。

「背中ががら空きだぜっ!!」

背後から槍を突き刺そうとする真哉。

だけど盛長君は動きを止めずに、
そのまま一回転して背後の槍に向けて斧を振り回した。

『ガキィィィン!!』と、激しい金属音を響かせながら打ち合わさる槍と斧。

その破壊力は…斧が勝ってしまった。

二つに叩き折られてしまうラングリッサー。

真哉には被害がなかったものの。

あと少し前に踏み込んでいれば、
ルーン共々、真哉も斧の一撃に巻き込まれていたかもしれない。

「くそっ!」

舌打ちをしながら後退する真哉は、
槍を再生させながら盛長君を睨みつけている。

これはもう打つ手なし、かな。

前回までは互角だったけれど、
この一ヶ月で盛長君も大きく成長していたようだ。

もちろん真哉も成長しているはずだけど、
盛長君はそれ以上の成長をしていたんだろうね。

「はあ…。ったく、このままじゃ、ダメだな」

大きくため息を吐いてから気持ちを切り替えた真哉は、
ラングリッサーをひと振りしてから『新たな構え』を見せた。

「このままじゃダメだ。俺が俺の限界を突破する為に。そしてあいつらに俺の実力を示す為に、俺は…」

最後の言葉は聞き取れなかった。

だけど真哉は大きく深呼吸をしてから全力で槍を構えたんだ。

低く、低く構える姿勢。

真哉のルーンが激しく輝きを増していく。

「ぶっつけ本番ってのは趣味じゃねえんだが、この際仕方がねえよな」

真哉が盛長君に警告する。

「手加減出来ねぇ。全力で耐えろっ!」

大声で叫んでから一気に飛び出したんだ。

「一撃必殺!!」

踏み込んだ地面を破壊するほどの炎と瞬発力。

最大最速の一撃が盛長君を捕らえる。

「ファイナルアタック!!!!」

「むうっ!!」

危険を感じたのか、
盛長君は巨大な斧を盾代わりに構えて防御の体勢をとった。

だけど真哉の勢いは止まらない。

大地を裂くほどの衝撃を生み出して、
盛長君の斧を破壊してみせた。

「もらったーーーーーっ!!!!」

「くっ!?」

斧を破壊した真哉は、
勢いを緩めずにそのまま盛長君自身へと襲い掛かる。

「潰れろ!!!!」

頭上から叩きつけるかのように振るわれた槍によって、
盛長君の体が炎を浴びながら試合場に沈み込む。

「…ぐ…あっ!!」

かつて無い程の破壊力をもたらしたその『衝撃』

ソニックブームの速度と
バーニングソウルの炎と
キルスラッシュの破壊力。

全ての攻撃の同時展開による衝撃によって、
盛長君の屈強な肉体があっさりと叩き潰された。

「がはっ!!!」

全身を焼かれながら倒れた盛長君は、そのまま意識を失ってしまったようだ。

「試合終了!!!」

審判員の合図によって真哉の勝利が確定した。
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