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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

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護身用

「あらあら?意外と似合ってるじゃない」

美由紀の言葉に続いて、琴平が話し掛けてくる。

「着心地はどうですか?」

「問題ない」

「それは良かったです」

僅かに微笑みを浮かべる琴平と同様に、
隣に座る栗原も満足そうだった。

「不満がないなら十分ね。個人的には正確な服の大きさが分からないから、結構苦労したのよ」

傷だらけの両手を俺に見せてくる。

「一晩で作ったにしては上出来でしょ?」

どうやらこの服は栗原が自らが製作したようだ。

「回復や防御に関してマールグリナは特化しているから、こういう物を作るのは得意分野なのよ」

裁縫から魔術の組み込みまで、
全て一人でやり遂げたのだろうか?

だとしたら、十分な才能だと思う。

治療に関して最先端技術を誇るマールグリナ医療学園が
『防御』に関しても優秀な実力を持っていることが窺い知れる一品だ。

「感謝する」

「うん。大事に使ってね」

「ああ、努力はしよう」

「うん!」

栗原は笑満そうに頷いてから、
回復魔術で自分の両手を治療していた。

「まあ、この主張の為だけに、あえて治療せずにそのままにしておいただけなんだけどね」

ああ、なるほどな。

治療に特化しているはずのマールグリナの生徒が
何故指先に治療をせずに傷だらけのまま放置していたのかと思えば、
自分の努力を強調するためにわざと治療をしていなかったようだ。

「俺に恩を着せるつもりか?」

「あはははっ。違うわよ。そうじゃなくて、あくまでも大事にしてほしいな~っていう願いを込めてみただけ。せっかく頑張って作ったんだから、少しでも長持ちして欲しいなって思うのは製作者として当然の希望でしょ?」

ああ、そうだな。

「期待に添えるように努力はしよう」

「うん。それでいいわ」

微笑みを見せてくれた栗原の笑顔は人を惹き付ける優しさに満ちているように思えた。

これが栗原の性格なのだろうか?

だとすれば、沙織と仲が良いというのも理解できるような気がする。

「感謝する」

「うん。その気持ちだけで十分よ。」

俺の返事に満足してくれたようだ。

話し合いを終えた栗原が席を立つ。

「それじゃあ、私の出番はこれで終わりだからお先に失礼するわね。これからどうするのか知らないけれど、あまり無理はしないようにね」

俺…琴平…美由紀…宗一郎に挨拶をしてから、栗原は部屋を出て行った。
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