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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

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伝わる想い

義明の攻撃を受けて場外まで吹き飛ばされて墜落してしまう。

だけどそのまま転がったのが良かったのか、
激突による負傷は思った程じゃなかったと思うわ。

だけどね。

連続で爆炎を受けたことで体中が痛くてとても立ち上がれる気がしなかったのよ。

このままだと判定負けになってしまうんだけど、
体が思うように動かないの。

せっかく気合を入れて試合に名乗り出たのに、
肝心の義明を相手にして一撃も入れることが出来ないなんて…。

『全く歯が立たない』事実に泣きそうになったわ。

悔しいって思うのよ。

その感情だけで心の中が一杯になってく。

負けたくない!って思けれど指一本動かせない状況なのよ。

もっと、もっと力が欲しい!!と願うけれど、現実は何も変わらない。

結構強くなったつもりでいたのに、
やっぱり私にはまだ生徒五強の一角を打ち崩すことはできなかったのよ。

私にはまだ早すぎたようね。

こんなところで負けたくないけど…。

ちゃんと勝って証明したいけど…。

たったの一撃を入れることもできないなんて…。

悔しくて…悲しくて…泣いちゃいそうになる。

うぅぅ…。

嫌だよ、総魔ぁ。

私、負けたくないよ…っ。

こぼれ落ちる涙。

審判員が試合場から私を見下ろしてる。

このまま立ち上がらなければ、私の敗北が確定してしまうわ。

そんなの嫌…。

絶対に嫌…っ!!

負けたくないの!!!

勝って総魔に褒めてもらいたいの!

よく頑張ったって言って欲しいのよっ!!

声にならない声で願う想い。

溢れる涙は止まらないわ。

それなのに。

起き上がれない私を確認した審判員が判断を下そうとしてる。

嫌ぁ…っ!!

待って!

私はまだ戦いたいの!!!

止まらない涙。

審判員が試合終了を宣言しようとしたその瞬間に…。

何かが聞こえた気がしたのよ。

『諦めるな』

えっ?

突然聞こえた声。

それは何よりも…

誰よりも聞きたかった声だったから、
誰の声かなんて考えるまでもなかったわ。

総魔…よね?

『思い出せ。お前はまだ全力で戦っていないはずだ』

全力で?

ううん。

私は本気で戦ったわ。

私に出来ることはちゃんとしたのよ。

手加減なんてしてないし。

精一杯の努力はしたつもりよ。

それなのに…。

何が足りないって言うの?

『力を解放しろ。 そして本当の力を使いこなせ』

本当の力?

何を言ってるの?

ねえ、総魔!

教えてよ!!

帰ってきて、ちゃんと私と向き合ってよ!!

心の中で叫んでみたけれど、
総魔の返事は返って来なかったわ。

…ただ…

私に何かを伝えようとしてる気持ちだけが伝わって来るの。

『力を解放しろ。そして翔子の本当の力を見せつけろ』

私の本当の力?

そんなの思い浮かばないわよ。

だって私は…

総魔とも優奈ちゃんとも違うから。

特別な力なんて、私にはないんだから…。

そう思って諦めそうになる私に…

総魔がもう一度囁く。

『力を解放しろ』

だから…!

解放出来るような力、なんて…?

あれ?

って?

もしかして?

あれのことなの?

そういうこと?

私はようやく思い出したわ。

私にはまだ力があるってことを。

あぁ、そっか…。

そういうことなのね。

総魔はそのことを伝えたかったのね。

だったら…うん!

ありがとう、総魔。

私はまだ頑張れるわ!

だから…

だから見ててね!

私が勝つ瞬間を!!

「試合、終…」

「待って!!!」

審判員の宣言を遮って、私はゆっくりと立ち上がる。

体が痛いなんて言い訳してる場合じゃないからよ。

総魔と約束したんだからっ!

だから私はもう諦めないわ!!

「まだ戦えるわっ!!」

力強く宣言する私の勢いに押されたのか、審判員は静かに後退してくれたわ。
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