挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

649/4820

第4回戦、第3試合

《サイド:美袋翔子》

「それではこれより、準決勝、第3試合を行いたいと思います!!ジェノス魔導学園から、美袋翔子みなぎしょうこ選手!ヴァルセム精霊学園から、大塚義明おおつかよしあき選手!試合場へお願いします!!!」

次はいよいよ私の出番ね。

相手は予想通り大塚義明みたい。

私自身が成長する為に、あえて望んだこの試合。

3試合目に義明が出てくると信じて自分の意思で3番目を選んだのよ。

今だかつて一度も勝てた経験のない相手だけど。

義明に勝つことが私の成長にとって必要な戦いだと思ってるわ。

「行ってくるわね~!」

みんなに別れを告げてから試合場に急ぐ私の背後で、みんなが応援してくれてる。

「頑張って下さい!翔子先輩♪」

精一杯の声で応援してくれるのは優奈ちゃんよ。

「気をつけてね、翔子。無理をしちゃダメよ」

沙織は私を心配してくれるんだけど…。

「死ぬ気で勝ってこい!!」

真哉は無茶を言ってくれてるわね。

「翔子なら勝てるよ!」

龍馬の声援も受けながら試合場に上がってみる。

大丈夫。

私は負けない!

みんなの期待に応えるために歩みを進めていくと、
反対側からやってきた義明が話し掛けてきたのよ。

「これは偶然か、必然か?」

さあ?

どうかしらね。

どうでもいい質問だと思うわ。

だけど一応、真剣な表情で答えてあげる。

「義明と戦う為に3試合目を選んだの。ただそれだけのことよ」

「あえて俺との試合を望むか…。お前らしくない選択だな。もっと利口な考え方をする女だと思っていたんだが」

確かにね~。

今までなら勝ち目のない試合に挑むような無茶はしなかったわ。

でも、ね。

「今の私はそういう無茶が好きなのよ」

別にいいでしょ?

「強くなりたいの。その為になら多少の無茶は必要でしょ?」

「その気持ちは分からなくもないが、それは結果が出なくては意味がない話だ。お前の実力はすでに知っているつもりだが、それでもまだ俺には及ばないだろう」

まあ、ね~。

仮にも龍馬に匹敵する魔術師なんだから、
ちょっと成長した程度の私が勝てるなんて思ってないわ。

だけどだからこそ戦う意味があるのよ。

龍馬に匹敵する実力があるからこそ、
義明を倒すことで私の力が龍馬に届くことが証明できるの。

逆に言えば義明に勝てないようじゃ、龍馬にも勝てないのよ。

それじゃあ意味がないの。

龍馬に勝てない程度なら永遠に総魔には追いつけないからよ。

「私の目標はもっともっと上にあるの。だから義明に負けるわけにはいかないのよ」

「目標か…。何を目指しているのかは知らないが、魔術の腕を上げただけでは俺には勝てん。その現実を教えてやろう」

「ええ、望むところよ!」

全力で義明を叩き伏せてみせるわ。

…なんて。

強がってみたところで実力差は埋まらないんだけどね。

正直な話を言うと成長したと思う今の私でも義明に勝てる自信なんてないわ。

義明の実力は龍馬とほぼ互角のはず。

まあ、成長前の龍馬と比べて、だけどね。

学園の総力で見ればあまり成績は良くないけれど、
義明一人の実力は確実に私以上のはずなのよ。

全学園で見ても義明は龍馬と並んで5本の指に数えられる実力者だしね。

『ジェノス魔導学園』御堂龍馬。
『グランバニア魔導学園』澤木京一。
『デルベスタ多国籍学園』フェイ・ウォルカ。
『ランベリア多国籍学園』シェリル・カウアー。

そして…。

『ヴァルセム精霊学園』大塚義明。

全学園、全生徒の頂点に立つ5人の生徒。

その一角に戦いを挑もうとしてるのよ。

「それでも負けられないのよ!私はね!」

気合い十分の私を眺めながら、義明は笑顔を浮かべてるわね。

義明の余裕の笑みってやつよ。

「全力で来い。そして俺を乗り越えて見せろ」

私に敗北なんて有り得ないっていう雰囲気を発してるわ。

ちょっぴり腹が立つけど、
私が格下なのは事実だから仕方がないわね。

勝ち目があるかどうかなんて考えるのも無謀っぽいけど。

だけどここで逃げたら私はもう絶対に総魔に追いつけないのよ。

急激に成長していく総魔と優奈ちゃんはもうすでに次元が違うわ。

だけどだからこそ龍馬だってまだまだ成長するに決まってる。

だったら!

私も足を止めてる場合じゃないのよ!

もっともっと強くなって!

総魔に追いついて見せる必要があるの!!

今更あとには引けないわ!

そもそも引くつもりもないけどね!

こうなったら徹底的に進み続けるだけよ!!
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ