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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

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本当に…

《サイド:深海優奈》

い、や、嫌です…っ!

総魔さん!!

行かないで下さい!!

と、ちゃんと言葉にして伝えたかったのに…。

思いを伝えて引き止めたかったのに…。

それなのに。

結局、何も出来ませんでした。

全てを知っているのに、
何も出来ない自分が許せなくて…

悔しくて…

それでも叫ぶことも助けを求めることも出来ない自分が嫌いになりそうでした。

私には何も出来ないんです。

今の私には総魔さんの力になることも、
側にいることさえも出来ません。

今ここで叫んでしまえば…

もしも助けを求めてしまえば…

きっと総魔さんを困らせてしまうからです。

私や先輩達を巻き込まない為に一人で離れて行く決心をした総魔さんに、
私の勝手でわがままを言うことは出来ません。

引き止めることさえも出来ないことで、
私にはただただ泣くことしか出来ませんでした。

姿の見えなくなる総魔さんの後ろ姿を眺めて、
必死に声を押さえて泣くことしか出来なかったんです。

「総魔さん…っ」

見えなくなった総魔さんの姿をどれだけ捜しても、私の声はもう届きません。

…ねえ。

…総魔さん。

…本当に。

本当にこれで良かったんですか?

もっと…。

もっと別の選択肢があったんじゃないですか?

私達といることが楽しかったのなら。

私達と出会えたことが良かったと思うのなら。

もっと別の方法があったんじゃないですか?

全てを一人で背負わなくても良い方法があったんじゃないですか?

ねえ…。

総魔さん。

本当に…

本当にこれで良かったんですか?
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