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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

620/4820

満員御礼

《サイド:御堂龍馬》

さて、と。

もうすぐ午前8時になる。

朝食を終えた僕達は3回戦の試合場に移動することにした。

これから始まる試合は準々決勝だ。

今回の試合も会場の南側で行われるんだけど、
4つある試合場の左上が僕達の試合場になる。

3回戦はここまで勝ち進んできた上位8校の試合が
4箇所で一斉に行われることになっているんだ。

その中の一つが僕達なんだけど、
対戦相手であるカリーナ女学園の生徒達はまだ来ていないようだね。

相手の陣営にはまだ誰もいない。

さすがに試合放棄ということはないだろうからもうすぐ来ると思うよ。

あと数分で8時になるんだけど、
少しくらいなら遅くなっても特に問題はないし、
不戦勝を望む気もないから今は待つしかないね。

とりあえず対戦相手がいないことで、
暇つぶしに会場全体を見渡してみることにする。

試合場周辺はすごく見通しがいいね。

係員や関係者しかいないからだけど、
試合会場を取り囲む観客席は朝からすでに混雑気味だ。

見渡す限りの人、人、人。

今日が日曜日で世間一般的に休日という事もあるけれど。

数多くの観客によって、
すでに観客席のほぼ全てが埋め尽くされているようだ。

グランバニアの町中から集まってるということももちろんあるだろうけど、
国内の各町から観戦に集まってる人達も沢山いるから観戦席は常に満員御礼だね。

それどころか席を確保できずに立ち見で観戦している人達も沢山いるように見える。

とても数え切れないけれど、
数万人規模なのは間違いないと思うよ。

この光景を初めて目にする深海さんは戸惑っているようだ。

落ち着きなく周囲を見回しつつ、
翔子の影に隠れるように身を潜めている。

「すごい人の数ですね。昨日よりも多い気がするんですけど…いつもこうなんですか?」

大規模の観客に驚く深海さんだけど、驚きたくなるのも当然かな。

明らかに昨日よりも今日の方が観客の数が多いって僕も思うからね。

だけどこれは当然の流れでもあるんだ。

毎月のことだから僕はもう見慣れてしまったけれど、
基本的に一日目よりも二日目の方が観客が多くなる傾向がある。

理由は単純だ。

今から始まる3回戦が終わり次第。

続けて上位4校による準決勝が行われることになるからね。

そのあとで僅かな休憩時間を挟んでから正午に決勝が行われるんだ。

昨日は全体の試合数が多いからたった二回の試合のために一日を費やしていたけれど、
今日は全体の試合数が少ないために短時間で連続して行われることになる。

だからこそ半日で終わってしまうんだ。

連戦っていうほどではないけれど、約5時間の間に全ての試合が行われることになる。

午前8時から午後1時の間のたった5時間程度の短い時間で
上位8校の試合が終わってしまうんだ。

その試合を見逃さずに結果を見届ける為に、
昨日以上の人々がこの会場へと押し寄せてきていることになる。

「今から5時間後には大会の優勝校が決まるからね。みんなその結果を見に来てるんだよ」

「はぅぅぅ~。そうなんですか…。」

緊張のせいかな?

小さく震える深海さんは落ち込んだ表情を見せている。

あまり目立つのは得意じゃないようだ。

沢山の人達に見られているということを実感してしまって色々と不安を感じているようだね。

「あまり気にしないほうがいいよ。気にしてもしなくても、何も変わらないからね」

「は、はい、そうですね。が、頑張ります…。」

前向きな発言だけど、声は徐々にかすれていた。

本当に大丈夫かな?

うーん。

色々と心配になるけれど、
気にしないように頑張るっていうのもどうなのかな?

結局、気にしてるっていうことだよね?

何も解決していないような気がするけど、
こういうのは言い出せばきりがないからそっとしておくべきかな?

とりあえずはまあ。

今日のお昼には今大会の優勝校が決定するんだ。

それは僅か数時間後の出来事だから、
観客はこれからもまだまだ増えるだろうね。

深海さんが緊張を感じずに行動できるかどうかはかなり不安を感じるけれど、
その辺りはもうなるようにしかならないと思う。

周りの目を気にしていられないほど試合に集中できれば緊張は忘れられるだろうし。

まずはやってみるしかないだろうね。

ひとまず深海さんのことはあとで考えることにして、
他の試合場を眺めてみることにした。
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