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THE WORLD 作者:SEASONS

4月14日

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特訓

《サイド:深海優奈》

え~っと。

途中でひと騒動?あったような気がしましたが、
無事に部屋の前に着きました。

『緑色の扉』がジェノスの部屋です。

他にも沢山の扉が通路にはありますが、
さすがに色を見間違えることはないと思います。

「入るわよ~」

翔子先輩が扉に手をかけると、扉は簡単に開きました。

出発する時にも思っていましたが、
鍵はかかっていないようですね。

防犯的にどうなのでしょうか?

少し心配な気はしますが、特に荷物という荷物もないので、
盗まれる心配はあまりないと思います。

ですが、それでも、どうなんでしょうか?

荷物の中には着替えなどもありますので、
もしも盗まれたりしたらすごく困るんですけど…

そういうことは今までなかったのでしょうか?

一応、生徒以外入れない区域なので一般の方々が来ることはないと思います。

区画の出入り口付近には警備の方もいますので、
何かあればすぐに駆けつけてくれるとは思うのですが…。

どうなんでしょうか?

そんな疑問を感じながら部屋の中に入っていくと、
先頭を歩く翔子先輩が突然足を止めました。

どうかしたのでしょうか?

問いかけるよりも先に、
翔子先輩が誰かに呼び掛けていました。

「総魔じゃない!先に帰って来てたの?」

どうやら総魔さんがすでに帰ってきているようですね。

話しかけた翔子先輩に振り返る総魔さんは、
窓際に立って眼下に広がる試合場を眺めているようでした。

「なにしてるの?こんな時間に見下ろしても、試合なんてしてないでしょ?」

2回戦はすでに終わっていますし、
3回戦は明日の朝なので今日はもう試合はないはずです。

なので歩み寄りながら話しかける翔子先輩に、
総魔さんはそっと試合場の一角を指差しました。

「なに?」

総魔さんが指さす先へと視線を向ける翔子先輩。

私と沙織先輩も試合場を眺めてみました。

すると…。

『………!!!!』
『ドドォン…!!』
『…ズガッ…!』
『……ぁ…!!』
『…ガキィン…!!』

あちこちの試合場で練習を行う生徒さん達の姿が見えました。

他の学園の方々を眺めていたのでしょうか?

情報収集だとすれば総魔さんらしいと思うのですが。

私としては知らない方々ばかりですし。

練習を見ただけで学べることはあまりありません。

総魔さんなら見るだけでも何かを掴み取ってしまいそうなのですが…。

「ん~。練習を眺めてたの?」

「ああ」

問い掛ける翔子先輩に、総魔さんはしっかりと頷きました。

「へ~。総魔が他人に興味を持つなんて珍しいわね。何か面白いことでもあったの?」

私も感じた疑問を翔子先輩が訪ねてくれたのですが、
総魔さんが何かを答える前に沙織先輩が試合場に向かって指差しました。

「ぁ!翔子、あそこを見て!」

「ん?」

あれ?

沙織先輩の指差す先では何故か御堂先輩と北条先輩が試合をしていました。

「なんでっ!?」

翔子先輩が驚く気持ちは私にも分かります。

試合を観戦してから帰ると言っていた北条先輩が
どうして御堂先輩と試合をしているのでしょうか?

というよりも。

明日も試合があるのに試合をしていていいんでしょうか?

一晩で回復できる魔力の量には限りがありますし、
上位の学園と戦うことを考えたらしっかりと体を休めておくべきだと思うのですが。

その辺りはどうなのでしょうか?

色々と思うことはありますが、
試合場を眺めていた沙織先輩が小さく呟いています。

「試合…というよりは、練習かしら?」

あ~。

そんな感じですね。

沙織先輩の疑問は私にもすぐに分かりました。

本気で戦っているようには見えないからです。

一方的に攻撃を仕掛ける北条先輩ですが、
御堂先輩は防戦一方で北条先輩の攻撃を全て受け止めているだけです。

その姿はまるで北条先輩の特訓に御堂先輩が付き合っているような、そんなふうに見えますね。

「あの二人。密かに練習してたのね~」

感心する翔子先輩に並んで、
私達はしばらくの間、御堂先輩と北条先輩の練習を静かに眺め続けることにしました。
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