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THE WORLD 作者:SEASONS

4月14日

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大規模攻撃

「ここからが本番だ!!」

先程とは違う殺意のこもった威圧。

戦士としての本能を解放したフェイからは、
寒気すら感じるほどの冷たい空気が感じられた。

「手加減はしない!」

洗練された動きで構えるフェイが上段に構えた槍に膨大な魔力を流し込む。

「これが俺に出来る最強の一撃だ!この一撃がお前に届くかどうか!この一撃に全てを賭ける!!」

宣言と共に全力で槍を振り下ろす。

煉獄れんごくの炎!!」

フェイが叫んだ瞬間に、槍から放たれる炎が漆黒に変質した。

「全てを灰に化せ!黒炎衝(こくえんしょう)!!」

風を切り裂いて全力で振り下ろされる漆黒の炎が頭上から迫り来る。

「これで終わりだ!!!」

最大威力で放つ炎で迫るフェイだが、
炎に向けて聖剣を構えた俺はフェイの最強の一撃さえも切り裂いてみせた。

「ディスペル!!!」

解呪によって一瞬にして消え去る炎。

黒い炎だけは解呪で対処できたのだが、
振り下ろされる槍の勢いは止まらないようだ。

剣と槍の二つのルーンが金属音を響かせながら激突しあった。

その結果。

「…くっ…」

炎は消せてもフェイの一撃を受け切れなかったことで片膝を着いてしまった俺にフェイが追い撃ちをしかけてくる。

細雪(ささめ突き!!!」

高速で放たれる連続突きが俺の体を貫いていく。

「…ぐ…ぅぁ…っ…」

刺突の勢いに押されて吹き飛ばされてしまったが、
それでもフェイは手を休めることなく追撃に出る。

「このまま一気にねじ伏せる!」

槍を構えるフェイの勢いは一切衰えない。

本気で全力攻撃を仕掛けるつもりのようだ。

このまま攻撃を受け続ければ、どこかで致命傷を受けてしまうだろう。

そうなる前に体勢を立て直した俺は、
聖剣を構え直してから槍の刺突を弾き飛ばした。

「良い攻撃だ。だが、俺を越えるにはまだ力が足りない」

突き進むフェイに対して、聖剣の力を解放する。

「オメガ!」

聖剣を横薙に振り抜いたことで、
刃が描く軌跡に沿って破壊が巻き起こる。

大規模の爆発と衝撃だ。

「ぐっ、がぁぁっ!!!!」

ジェリルを吹き飛ばした攻撃を仕掛けたことで、
フェイの体もあっさりと宙を舞う。

爆発の直撃を受けて吹き飛び。

試合場に落ちた衝撃で動きを止めることになる。

そのまま転がらなかっただけ、ジェリルよりはマシかもしれないが…。

「さすがに一撃では落ないか」

今の一撃だけで意識を奪うことはできなかったようだな。

フェイは震える体でゆっくりと立ち上がっている。

「なんという威力だ…っ。まさか、これほどとは…」

槍を杖代わりにして立ち上がるフェイだが、見るからに重傷だな。

もはや戦闘続行は不可能だろう。

「最後に言い残すことはあるか?」

「ふっ。すでに、勝ったつもりか?」

強がるフェイだが、戦える状態でない事は一目瞭然だ。

「強がるだけで勝てるなら苦労はしない」

「ああ、そうだな。だが戦いを放棄するつもりはない。勝ちたければ俺を倒してから前に進め…」

なるほどな。

同じ系統というわけではないだろうが、
フェイは北条と同様に最後まで戦って負ける結末を望むようだ。

「いいだろう。お前を乗り越えて次へと進むことにしよう」

フェイの意志を汲み取って、聖剣を向ける。

「御堂に匹敵する実力は認める。だが、それでもまだ俺には届かない」

互いの実力差を宣言してからフェイを斬る。

『ザシュッ!!!』

「ぐあああああああああああっ!!!!!」

防御も回避もできずに直撃を受けたフェイは槍を手離して崩れ落ちた。

ころころと転がった槍は、
ものの数秒で魔力を失って霧散する。

そして最後まで戦う意志を見せたフェイも意識を失ってしまったようだ。

これで終わりだな。

動けないフェイの様子を眺めながら再び聖剣を解除した。

「試合終了!!!勝利はジェノス魔導学園です!!!これで3回戦進出はジェノス魔導学園に決定しました!!!」

騒ぐ観客と係員に視線を向けるつもりもないまま、試合場をあとにする。

ただ一人、試合場に倒れるフェイを残して…。
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