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THE WORLD 作者:SEASONS

4月14日

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第2回戦、第5試合

《サイド:天城総魔》

対戦成績は1勝2敗1分けか。

ここまで手こずるとは考えていなかったが、
御堂が試合場を離れたことでようやく俺の出番が回ってきたようだな。

「それではこれより、第2回戦、第5試合を行いたいと思います!!」

係員の進行によって盛り上がる会場。

騒がしい歓声の中で歩みを進めていく。

「この試合の結果次第で3回戦進出が決まる大事な一戦です!デルベスタ多国籍学園はこのまま勝利を得て逃げ切れるのか!?それとも優勝候補であるジェノス魔導学園が勝利を勝ち取り、延長戦に望みを繋ぐことが出来るのか!?運命を決める一戦になります!!」

試合を盛り上げるために大声であおる係員の言葉を聞き流しながら歩みを進めていると、
進行役を務めている係員がそれぞれの名を呼び掛けてきた。

「ジェノス魔導学園から天城総魔さん!そして、デルベスタ多国籍学園からジェリル・ジョナさん!試合場へお願いします!!」

呼び出される前から歩みを進めていたことで一足先に試合場に上がる。

そして開始線に向かってみると、
あとから試合場に上がってきたジェリルが話し掛けてきた。

「あなたが最後の生徒なの?見かけない顔ね。今回が初参加かしら?」

「ああ、大会に参加するのは初めてだ」

「やっぱりそうなのね」

素直に答えたことで気をよくしたのだろうか?

ジェリルは軽く一礼してから自己紹介を始めた。

「私はジェリル。ジェリル・ジョナよ。デルベスタ多国籍学園では4位なんだけど、あなたはジェノスで何番なの?」

………。

成績か。

答えるのは簡単だが、黙っているべきだろうか?

答えてしまっても誰も困らないとは思うが、
ジェリル達は御堂が1番だと信じているはずだからな。

事実を告げたところで信じてもらえない気がする。

だが、だからと言って誤魔化したところで御堂は納得しないだろう。

だとしたら黙っておくべきだろうか?

そう思ったが、背後から御堂が話しかけてきた。

「僕に気を使う必要はないよ。数字がどうかに関係なく、僕は僕だからね」

ああ、そうだな。

例えジェノスで1位でなくなったとしても、
それは御堂が弱くなったわけではない。

周りがどう思うかに関係なく、御堂の実力は本物だ。

例え成績が下がったとしても、
それだけで他の生徒より格下になるわけではないからな。

ジェノスの内部で順位が変動したとしても、
他校の生徒に見栄を張る必要はないだろう。

御堂が気にしないというのなら、俺が気にする必要もない。

「俺の成績は1位だ」

答えた瞬間に、ジェリルの表情が固まった。

そして数秒の間を置いてから戸惑いを見せる。

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

すぐには理解できなかったのだろう。

驚くジェリルが言葉を詰まらせているが、
その驚きはデルベスタの全員が同様のようで、誰もが驚愕の表情を浮かべていた。

やはり御堂が1位だと信じ込んでいたようだな。

だとすれば驚くのも理解出来なくはないが、
成績や番号など今の俺にはどうでもいい話だ。

「成績だけで実力が決まるわけではないだろう?」

「そ、それは、まあ…」

「デルベスタでのお前の実力を見せてもらおうか」

「うぅ…。」

俺の成績を知って戸惑っているようだな。

そんなジェリルを見ていればわかることだが、
同じ4位であってもジェリルと翔子の実力は大きく離れているだろう。

以前の翔子と比べればどうかは分からないが、
今の翔子は単純な4位ではないはずだ。

単に俺や御堂がいるから1位になっていないというだけで、
他校でなら1位として君臨出来るだけの実力があると思っている。

だからこそ、数字ではない実力にしか興味を持っていない。

各学園の1位が全員、同じ実力ということはないだろうからな。

当然、2位や3位にしても同じことが言えるはずだ。

「俺に勝てるかどうかを見せてみろ」

重要なのはそれだけだ。

「うわ~。すごい自信ね。あなたが本当に1位かどうかは知らないけれど、これは油断出来る相手じゃなさそうね」

呟くジェリルに俺は無言のまま向かい合う。

これ以上、話し合うことは何もないからだ。

互いの実力は試合の中で証明すればいい。

「単なる初心者じゃないようね」

戸惑いを感じさせるジェリルだが、その発言にも答える気はない。

ただただ試合が始まるのを待つだけだ。

「それでは準備はよろしいでしょうか?」

審判の問い掛けに頷くだけで何も答えないでいると、
ジェリルは戸惑いながらもひとまず試合に意識を向けたようだった。

「とりあえず、やってみるだけよ」

前向きな発言とは言い難いが、
ようやくその気になったようなのでもう一度ジェリルを見つめてみる。

「な、なによ?」

俺が見つめていることで問いかけてくるジェリルだが、行動そのものに意味はない。

ただ何となく考え事をしてみただけだ。

この大会は俺にとって価値のある試合になるのかどうか?

そして他の学園の生徒の実力がどの程度なのか?

それらを見極める為にジェリルに視線を向けただけでしかない。

「最初に忠告しておく。勝利を望むのなら全力で戦え。ホンの一瞬でも油断した瞬間に、全てを失うことになるからな」

「な、なによ、それ…。」

俺の言葉を聞いて表情を引きつらせるジェリルだが、
それ以上の説明を行う前に、審判が試合開始を宣言していた。
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