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THE WORLD 作者:SEASONS

4月14日

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ぺしぺし

《サイド:深海優奈》

はうぅぅぅ~。

北条先輩が負けてしまいました。

試合終了と同時に駆け出す御堂先輩と翔子先輩に続いて、
私と沙織先輩も北条先輩の救助に向かうことになってしまったんです。

「真哉ー!!」

大声で呼び掛ける御堂先輩ですが、
すでに北条先輩に意識はないようで返事は返ってきませんでした。

「私に任せて!」

沙織先輩の言葉を聞いて御堂先輩が離れると、
沙織先輩は北条先輩の体に手を当ててからすぐに回復魔法を展開しました。

「ライブ・ア・ライブ!」

さきほど私を救ってくれた魔法のようです。

私自身は見れなかったのではっきり同じとは断言できませんが、
おそらく同じ魔法だと思います。

きらめく光によって北条先輩の出血が止まり、傷口が塞がっていきました。

…と、同時に。

火傷の治療も行われていますので、
見た目だけで言えば特に異常はないように思えます。

「これでたぶん大丈夫だと思うわ。しばらくすれば意識を取り戻すはずよ」

治療を終えた沙織先輩はほっと安堵の息を吐いています。

そして北条先輩の無事を確認した私達も安心して大きく息を吐きました。

「ひとまず下がろうか」

治療を終えた北条先輩を抱えようとする御堂先輩でしたが、
その間にフェイさんが話し掛けてきました。

「すまないな。少しやりすぎた」

こちらからは何も言っていないのに素直に頭を下げてくれたフェイさんは
なんとなくですがとても良い人なのかもしれないと思えます。

実際のところは分かりませんが、
頭を下げ続けるフェイさんに翔子先輩が笑って話し掛けていました。

「あ~。まあ、真哉にはこれぐらいで丁度良いんじゃない?そんなに謝らなくても、私達は気にしてないから別にいいわよ~」

フェイさんに微笑んでから北条先輩の頭をぺしぺしと叩く翔子先輩の様子を見て、
沙織先輩が激しくため息を吐いています。

「はぁ…。ねえ、翔子。仮にも怪我人なんだから、その扱いはどうかと思うわよ?」

「え?でも、怪我なら治ってるでしょ?」

「それは、まあ…」

「だったら大丈夫よ。って言うか、目覚まし代わり?」

遠慮無く北条先輩の頭をぺしぺしと叩き続ける翔子先輩は手を止めるつもりがないようですね。

そのおかげかどうかは分かりませんが、
北条先輩は意識を取り戻してゆっくりと目を開けました。

「んあ…?って、痛てっ…」

「あれ?起きたの?」

全く悪びれた様子の無い翔子先輩は叩くのを止めましたが、
代わりに北条先輩を言葉で責めるようです。

「結局、負けたわね~」

「うっせぇー」

翔子先輩にからかわれたことで若干不貞腐れた雰囲気の北条先輩ですが、
御堂先輩から離れた北条先輩はもう一度フェイさんに歩み寄りました。

「次は負けねえからな!」

「ははっ」

何度でも強がる北条先輩を見たフェイさんは、楽しそうに微笑んでいます。

「いつでも受けてたとう」

北条先輩の無事が確認できたことでフェイさんは私達に背中を向けて離れて行きました。

「次は必ず勝つ!!」

再び宣言する北条先輩に、
フェイさんは振り返らないまま軽く手を振って応えました。

「以前よりも強くなっていることは確かだ。だが、ただがむしゃらに挑むだけではなく、相手の動きを読み取る練習をした方がいい」

助言を残したフェイさんは、そのまま試合場を下りてしまいます。

「次は負けねえからな」

フェイさんの後ろ姿を見送る北条先輩も試合場を下りていきました。

「…で、私達は置いて行かれるわけね」

主役の二人がいなくなった試合場で、
翔子先輩はため息を吐きながらゆっくりと試合場を下りていきます。

その後ろに続く私と沙織先輩ですが、
御堂先輩はそのまま試合場に残っていました。

「そう言えば、次の試合は龍馬だったっけ?」

「ああ、そうだよ。どうせ戻って来るならここにいた方が早いから、皆は先に戻ってていいよ」

「そう?じゃあ待ってるから、さっさと勝って次を目指してよね~」

「ははっ。そんな簡単に勝てるかどうかは分からないけれど、出来る限りは頑張ってみるよ」

御堂先輩は私達に背中を向けて試合場に残りました。

現在2敗1分けの私達は次の第4試合で勝てなかったら2回戦敗退が決定します。

ですが御堂先輩が勝つことが出来れば次の総魔さんに望みは繋がります。

そして2勝2敗1分け出来れば延長戦まで進めはずです。

なので。

私達が3回戦へと進む為には『3連勝』が絶対条件でした。
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