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THE WORLD 作者:SEASONS

4月14日

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2回戦の試合順

《サイド:御堂龍馬》

昼食を終えてからしばらくの休憩を挟んだことで午後1時30分になった。

一応、試合そのものは2時から行われる予定なんだけど、
準備運動をしたり試合順を決めたりするために、
僕達は少し早めに次の試合場へ向かうことにしたんだ。

今回指定された試合場は決勝戦で使用される試合場の南側で、
4つある試合場の北西側の試合場になる。

南側の4つの試合場で2回戦が行われるんだけど、
1回戦と同じように前半組と後半組で2試合が行われる予定になっているからね。

反対に北側の試合場は1回戦で敗退した学園が最下位決定戦を行うことになっている。

勝てばそこで終わるけれど、
負ければ負けるほど続く屈辱の試合だ。

最下位の学園はこの広大な面積を誇る『グランパレス』の清掃という
辛く厳しい仕事を押し付けられてしまうことになっている。

だからこそ。

どの学園も最下位を恐れて必死な思いで試合を行うんだけど、
上位争いをしている僕達も油断はできないだろうね。

その理由は唯一つ。

気を引き締める時が来たからだ。

ゆっくりと試合場に歩み寄ってくる対戦相手の学園に気づいたことで激戦の予感を感じてしまう。

制服を見ただけで、どこの生徒かすぐに判断出来てしまったからだ。

第2回戦の相手は『デルベスタ多国籍学園』だったようだ。

1位のフェイ・ウォルカと2位のマリア・パラスの二人を筆頭にして6人の生徒が姿を見せている。

どの生徒にしても見覚えがあるし、
何度か対戦経験もある生徒達だ。

前回の大会では試合を行うことがなかったけれど。

この一年での対戦成績でいえば過去3度の試合において、
3勝1敗。
3勝1敗1分け。
3勝2敗と、確実に成長を見せて僕達の優勝を脅かす存在になっている。

特に学園1位のフェイの槍捌やりさばきは真哉以上だ。

実際に過去の試合において、真哉がフェイに勝ったことは一度もない。

でもね?

それは真哉が弱いという意味じゃないよ。

真哉は純粋な近接戦闘なら僕でさえ勝てないと思う相手だからね。

だけどそんな真哉よりもフェイはさらに強いんだ。

武術という意味では間違いなく全学園において最強なのがフェイ・ウォルカだと思う。

もしも魔術大会が団体戦じゃなくて個人戦だったらきっとフェイの独壇場だったんじゃないかな?

だからこそ各学園の共通認識として、
彼に最弱の生徒をぶつけてわざと勝たせてでも
実力のある生徒を他の生徒にぶつけて勝ち星を稼ぐのが最善策と考えられている。

…と言っても。

僕がその作戦を選んだことはないけどね。

極力僕が戦えるように試合順を決めて正々堂々と戦うようにしていたつもりだ。

だけどその予想が外れて真哉が戦うことが多かったんだけどね。

結果的に言えば僕と沙織が一勝ずつあげて、
残り3試合の中で誰かが勝つことで試合に勝利してきた形になっている。

他の学園の作戦と似たような勝ち方だね。

まあ、最弱の生徒じゃなくて真哉をぶつけての敗北だから勝ち逃げだとは思ってないよ。

でもね。

だからこそ最も警戒すべき実力者なのは間違いないと思ってる。

それに2位のマリア・パラスだけど。

彼女がデルベスタ多国籍学園で大賢者と呼ばれている生徒になる。

各学園に一人ずつ任命される大賢者の称号は、
魔術師としてもっとも優秀な生徒に与えられる学園最高の称号なんだ。

デルベスタではマリアさんだけど、彼女の実力は沙織と互角じゃないかな。

過去の対戦成績も一勝一敗でどちらが上とは言えないからね。

もちろん他の生徒も油断はできないけれど、
フェイとマリアの二人に勝てるかどうかで試合の行く末は大きく変わってしまうはず。

今回、フェイ達がどういう順番で出てくるのか分からないけれど、
対戦の組み合わせ次第では僕達の敗北が続く可能性が十分に考えられるんだ。

だからこそ確実に3回戦へと進む為には確実に勝ち上がれる試合順を考える必要がある。

「二回戦の試合順はどうしようか?」

みんなの意見を聞いてみようとすると、真っ先に沙織が答えてくれた。

「私と優奈ちゃんは1回戦に出ていないから、参加させてもらえると嬉しいわ」

「ああ、うん、そうだね。それじゃあ、1人目は深海さんでいいかな?」

「…は、はい。頑張りますっ」

問い掛けてみると、深海さんは頷いてくれたんだ。

不安そうなではあるけれど、嫌そうには見えないね。

これならまあ、大丈夫かな?

「お願いするね」

初戦は深海さんに任せることにして参加者名簿に名前を記入する。

1人目は深海さんで確定だ。

もっとも不確定要素の大きい深海さんに早めに試合を経験してもらったほうが、
今後の予定が立てやすいという目的もあるからね。

今回は深海さんを1人目に選んだ。

その次は沙織になる。

沙織なら安心して試合を任せることが出来ると思うよ。

相手がフェイじゃなければ、まず負けることはないはずだからね。

そう考えて2人目に沙織の名前を記入してみた。

ここまではいいと思う。

残りは3人だ。

僕と真哉と翔子と彼。

誰が出て、どういう順番にするのか?

頭を悩ませながら彼に問い掛けてみる。

「きみはどうする?」

「…そうだな。とりあえずは最後で良い」

「5番目かい?僕は構わないけど、それだと出番がないかもしれないよ?それでもいいのかい?」

「ああ、それならそれで構わない」

「そうか、分かった。じゃあ、5人目に名前を書いておくよ」

彼の意思を尊重して名簿の最後に彼の名前を書き記す。

「あと2人だね」

誰が補欠として残るのか?

それが最大の問題だ。

真哉がデルベスタ戦を諦めるとは思えない。

僕としても出来る限り試合に参加したい。

もちろん翔子だって同じ気持ちのはずだ。

そうなると誰かが諦める必要があるんだけど。

頭を悩ませてしまう僕に翔子から話し掛けてきてくれた。

「だったら今回は見学で良いわ。龍馬は出たいんでしょ?真哉もフェイと戦いたそうな感じだし。私は応援で良いわよ」

「良いのかい?」

「ええ、良いわよ。一番戦い甲斐がありそうなフェイは真哉か龍馬が戦うつもりなんでしょ?だとすれば次点のマリアさんが対戦相手だったら良い練習にはなる気がするけど…。上手く当たるかどうかなんて分からないし、他の格下の生徒だと戦う意味って薄いのよね~。一回戦で戦ってみた感じで言えば基本的にはアルテマ一発で勝てちゃいそうな気がするから確実に勝てる試合ならやらなくても別にいいわ」

本命と戦えないのなら無理に参加するつもりはない、ということかな。

僕とは考え方が違うけれど、
翔子がそういうのならそれでいいのかもしれない。

「それじゃあ、僕と真哉が出るよ」

「うん。任せるわ」

翔子は僕と真哉の参加を促してくれたんだ。

「…だそうだよ、真哉。せっかく翔子が言ってくれていることだし僕達が出よう。残りの枠は3試合目と4試合目だけど、真哉はどうする?」

「なら、3番目でいい。確率的にもっとも『あいつ』と当たりそうな気がするからな」

だろうね。

そう言うだろうと思っていたよ。

確かに3試合目は最も重要度が高い。

ここで勝つか負けるかで試合結果が決まるといっても良いくらいだ。

1試合目と2試合目の内容次第でどうしても3試合目の負担は大きくなってしまうからね。

1試合目と2試合目を落としても3試合目で勝てれば次に繋ぐことができるけれど、
3試合目まで落としてしまえばそのあとに繋ぐことなく試合が終わってしまうんだ。

第1試合目でエスティア魔術学園がそうだったように、
戦力を残したまま敗退することになってしまう。

その危険性を回避する方法は唯一つ。

3試合目に実力のある生徒を置いて、次の試合に望みをつなぐことだ。

そんな考えで、3試合目には各学園の1位か2位を配置することが多い。

以前のジェノスで言えば僕か真哉だ。

対するデルベスタで言えばフェイかマリアだね。

今のジェノスで言えば彼と翔子かな?

一撃必殺という意味ではアルテマは群を抜いているからね。

試合開始早々に圧縮魔術によるアルテマを使われたらどんな相手でも瞬殺だと思うよ。

だから彼の出番が最後ということと、
翔子が補欠に回ったのはあまりいい試合順だとは言えないだろうね。

もしも1、2試合目で負けるようなことがあった場合。

3戦目の真哉の試合次第でジェノスの2回戦敗退が決定しかねないという不安要素がある。

…とは言え。

やる気満々の真哉に水を差すわけにもいかないし。

真哉の意見を採用して、3番目に真哉の名前を書き記すことにしたんだ。

「残る4番目が僕だね」

書き記すのは自分の名前だ。

これで試合順が決定した。

第1試合目、深海優奈。
第2試合目、常盤沙織。
第3試合目、北条真哉。
第4試合目、御堂龍馬。
第5試合目、天城総魔。

何試合目まであるか分からないけれど。

前半で3連敗にならない限りは僕や彼にも出番が回るはずだ。

逆に前半で3勝できれば僕と彼の出番はない。

それがいいのか悪いのか判断に困るところだけど、
決まった以上は今更変えるわけにはいかないだろうね。

試合順が決定したことで、僕は係員に名簿を提出することにした。

その結果として。

これからデルベスタ多国籍学園との試合が始まることになったんだ。
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