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THE WORLD 作者:SEASONS

4月14日

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相談するべき?

《サイド:深海優奈》

はうぅ~。

再び控え室にやってきました。

…と言っても、中に入るのは今回が初めてですけど…。

先程は扉の前で隠れていただけなので、
室内に入るのは今回が初めてになります。

個人的には非常に居心地が悪いと感じてしまうのですが、
試合場を離れた私達は控室で体を休めながら
のんびりと昼食が届くのを待つことになりました。

それまでの間。

特にすることがないので、室内を見渡してみます。

私の目の前には四角いテーブルがあります。

先ほど総魔さん達が話し合っていたテーブルです。

私が今座っている席に理事長さんがいたはずです。

そして私の正面で、先程は総魔さんが座っていた席に北条先輩が座っています。

もっとも入口に近い位置を選んで席を確保しているようですね。

でも…。

料理があるだけ食べ続ける北条先輩にとって
席順なんてあまり意味があるようには思えません。

どこにいても食べる量は変わらないと思うからです。

それでも北条先輩は入口側にこだわっているようでした。

頑なに席を確保し続けているからです。

確保といってもただ座っているだけなのですが、
他の誰にも席を譲らないという意志だけはものすごく伝わってきます。

そんな北条先輩の横になるテーブルの左側(私から見てです)に御堂先輩が座っているのですが、
二人は仲良く雑談しながら時間を潰しているようですね。

笑い合う二人の様子からは男性同士の友情というか、
信頼のようなものが感じられる気がします。

私と悠理ちゃんも、
周りから見るとこんなふうに見えるのでしょうか?

自分のことはよくわかりませんが、
御堂先輩の隣に座っている沙織先輩は翔子先輩と仲良くお話をしています。

並び的には沙織先輩の隣になるのですが、
北条先輩の向かい側の席で扉から見て奥側の席に翔子先輩は座っています。

さきほど米倉元代表が座っていた席ですね。

その隣の席に私がいて、
総魔さんは空いている右側(私から見てです)の席に座っています。

なので。

私から見て左隣に翔子先輩がいて、
正面に北条先輩がいます。

そして左手側に御堂先輩と沙織先輩がいて、
右手側に総魔さんがいるという状況です。

宿泊用のお部屋にあった大きなテーブルとは違って、
真四角のテーブルは二人ずつ座れる程度の大きさなので、
3人が並んで向かい合えるような大きさはありません。

そのせいで、二人だったり一人だったりする席順になっています。

だからと言って不満が出るようなことはありませんが、
特に何かをするわけでもない空いた時間というのは退屈に思ってしまいます。

こういう時にこそ総魔さんとお話ができれば、
あっという間に時間が過ぎるとは思うのですが…。

今の心境というか、
私の立場では話しかけにくいと感じてしまいます。

つい先ほどこの場所で総魔さんのお話を盗み聞きしていたからです。

その事実を忘れて楽しくお話が出来るほど、私は器用な人間ではありません。

なので今はまだ総魔さんとはお話できません。

だからと言って北条先輩や御堂先輩とお話するようなことは特にありませんし、
翔子先輩と沙織先輩のお話の間に入っていく勇気もありません。

知らないことが多いせいで話題についていけませんので、
上手く入っていけないんです。

そのせいで昼食までの暇な時間をどうしようかとずっと考えていました。

まず最初に思い浮かぶことは
先程の総魔さんの話を先輩達に話すべきかどうか?ということです。

その一点をひたすら悩んでいました。

話してしまえば私の気持ちは楽になりますし、
先輩達も事情を理解してくれるとは思います。

ですが、総魔さんはどうでしょうか?

もしかしたら、知られたくないと思っているかもしれません。

もしも知って欲しければ自分から話をしているはずです。

ですが総魔さんは何も言いませんし、
聞いても答えようとはしないと思います。

今までがそうだったので、
もしも私が何も知らないままだったとしたら
総魔さんは本当に誰にも事実を話さなかったと思います。

そういう雰囲気を感じてしまうんです。

それでも自分からは言い出せないだけで
本当は誰かに聞いてほしいのかもしれません。

誰が味方で誰が敵なのかがはっきりとしない状況で安易に助けを求められないのかもしれませんが、
本当は誰かに助けを求めているのかもしれません。

そんなふうに思うのですが…

それでも総魔さんの個人的な事情を
私の独断で勝手に話してしまうのはしてはいけない気がします。

最終的には総魔さん自身が判断することだと思うからです。

今はまだ私が勝手に話すわけにはいきません。

本当は先輩達に相談して総魔さんを引き止めたいと思うのですが、
話してしまうことで総魔さんがいなくなってしまうんじゃないかと
不安を感じていることも事実だからです。

真実を知っても何も出来ません。

誰かに相談することさえ出来ない状況なんです。

私はどうすればいいのでしょうか?

翔子先輩にだけでも相談するべきでしょうか?

ですが翔子先輩が知ってしまったら、
きっと翔子先輩は私と違って、
ちゃんと総魔さんと話し合おうとするのではないでしょうか?

あるいは無理やりにでも総魔さんを引きとめようとするのではないでしょうか?

そうなれば結果的に総魔さんを追い詰めることになりかねません。

だとすれば御堂先輩に相談するべきでしょうか?

ですがそれも危険な気がします。

御堂先輩の性格なら総魔さんと一緒に戦うといいかねません。

そうなれば御堂先輩を戦争に巻き込んでしまうことになります。

ですが総魔さんはそうなってしまうことを望んでいないはずです。

総魔さんは言っていました。

先輩達を巻き込みたくないと言っていたんです。

それなのに私の発言で先輩達を巻き込んでしまったら、
私はもう本当に総魔さんに合わせる顔がありません。

だとしたらどうすればいいのでしょうか?

ただただ悩み続けてしまいます。

総魔さん…。

私に出来ることは何ですか?

視線で訴えてみましたが、
総魔さんはそんな私の視線に気付いてはくれませんでした。

いえ、気づいてはいても、
気づかないふりをしているのかもしれません。

総魔さんが何を考えているのかわかりませんが、
何も出来ないままただ時間だけが過ぎてしまい。

気が付けば正午になってしまいました。
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