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THE WORLD 作者:SEASONS

4月14日

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もしかして?

《サイド:深海優奈》

あうぅぅ~。

やっぱりここは広すぎますね…。

総魔さんを捜したいのですが、
どこからどう調べればいいのかが分かりません。

それでも試合場を離れた私達は、
ひとまず1階の探索から始めることにしました。

「とりあえず、どこから捜そっか?」

私の意見を聞いてくれる翔子先輩ですが、私は何も答えられません。

総魔さんがどこにいるかなんてわからないからです。

なので、私と翔子先輩は1階の大きな通路をあてもないまま彷徨うことになりました。

「う~ん。どこまで行ったのかしらね~?」

キョロキョロと周辺を見回す翔子先輩ですが、
総魔さんは見つからないようです。

もちろん私も総魔さんを探して視線を泳がせていましたが、
全く見つかる気がしません。

こういう時に悠理ちゃんがいればすぐに見つけてくれそうな気がするんですが、
悠理ちゃんは学園にいるはずですので頼ることは出来ません。

「どこにいるんでしょうね?」

「さあ?」

私もそうですが、翔子先輩も全く見当がつかないようですね。

「適当に捜すにしても広すぎるわよね~」

「ですよね…。」

見つかる気がしないまま歩いていると、
しばらくして一般禁止区画と書かれた通路を発見しました。

「一般禁止ね~」

通路の先へと視線を向ける翔子先輩は、
人気ひとけのない通路を眺めながら私に問い掛けてきます。

「ここっぽくない?」

「え?そうですか?」

どうしてそう思うのでしょうか?

「だって、大事な話なら人の少ないところに行くでしょ?」

それはそうかも知れませんけど…。

「でもここって立入禁止ですよね?」

「ええ、そうよ」

そもそも入ってはいけないと思う私に、翔子先輩は笑顔で頷きました。

「一般は禁止よ。でもね、私達は関係者なのよ」

翔子先輩は自慢げに一枚の貼紙を指差します。

その貼紙に視線を向けてみると『ここから先は選手控室区画』と書かれていました。

「控室?」

「ええ、そうよ。ここは試合に参加していない学園の控室があるの。まあ、それ以外にも昼食はここに届くから、ご飯を食べる時にはここに皆で集まるんだけどね」

へ~。

そうなんですか。

「この奥には購買とか図書室とか学生用の設備が色々とあるから、一般の人は立入禁止なのよ」

一通りの説明してくれた翔子先輩は
立ち入り禁止区画に堂々と歩みを進めていきます。

「私はこっち側を探していくから優奈ちゃんは反対側を探してくれない?」

「あ、はい。分かりました」

通路の左右に別れて総魔さんを捜すことになりました。

通路そのものは広々としているのですが、
会場を支える大きな柱が数え切れないほど並んでいるので、
立ち位置によっては翔子先輩の姿が見えなくなることが何度もあります。

なので、迷子になったらどうしようかと不安を感じながら歩みを進めていたのですが、
歩いている途中で、ふと一枚の貼紙に視線が止まりました。

『ジェノス魔導学園控室』と書かれていたんです。

最初は、たぶんここでお昼ご飯をたべるんだろうな~と思っただけだったのですが。

貼紙のされている扉を見ていたら、
何故か扉の向こう側から人の話し声が聞こえたような気がしたんです。

あれ?

誰かいるのでしょうか?

私と翔子先輩は通路にいますし、
御堂先輩と沙織先輩と北条先輩は試合場にいるはずです。

なので、控え室は使われていないはずです。

それなのに、誰かが部屋にいるみたいなんです。

誰がいるのでしょうか?

総魔さんでしょうか?

総魔さんはジェノスの生徒ですので、
ここにいても不思議ではありません。

なにより理事長さんと一緒にいるとすれば、
むしろここにいるほうが自然な気がします。

もしかして?と思いながら、そっと扉を開けてみました。

出来るだけ音を立てないように隙間から覗き込んでみると、
室内には総魔さんと理事長さんと『あの人』がいました。

ですが総魔さん達は何かを話し合っている途中のようで、
私の存在に気付いていないようですね。

今ならここを離れても総魔さんを見失う心配はなさそうなので、
翔子先輩に知らせようと思いながら振り返ってみたのですが、
視界の範囲内に翔子先輩の姿は見当たりませんでした。

柱の陰に隠れて見えないのかな?と思って遠くを捜す私の視界に、
不意に翔子先輩の姿が映りました。

急いで追いかけるべきでしょうか?

歩みを進めて離れていく翔子先輩とは距離がありますので、
ここから呼び掛けるには少し無理があると思います。

そもそも大きな声を出せば中で話をしている総魔さん達のご迷惑になるかもしれません。

そう思ったことで声を出すことが出来なくて、
どうするべきか悩んでしまいました。

もちろん翔子先輩を呼びに行くべきだとは思うのですが、
話の内容が気になってしまったことでここから動き出すことが出来ませんでした。

だって…。

「…復讐するつもりだ。」

総魔さんの声が聞こえてしまったんです。

復讐?

翔子先輩から視線を逸らして、慌てて室内を覗きこみました。

真剣な表情で話し合う3人はまだ私に気づいていないようです。

その状況に気づいたことで、
私は総魔さん達の会話を盗み聞きしてしまいました。
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