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THE WORLD 作者:SEASONS

4月13日

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グランバニア

《サイド:美袋翔子》

さあ!さあ!さあ!

ついに到着よっ!!

内陸部最大の町、グランバニア。

一ヶ月ぶりに、この町にやってきたわ!

って言っても、ただただのんびりと馬車に乗ってただけなんだけどね。

昼食を終えたあともひたすら移動を続けたことで、
ほぼ一日を費やしてグラバニアにたどり着いたわ。

共和国の首都グランバニア。

町の規模自体はジェノスとそれ程変わらないけれど、
この町は共和国の首都として最大の軍事力を誇っているのよ。

共和国の最大戦力とも言える陸軍の本部がこの町にはあるの。

…と言うよりも。

大会の会場であるグランパレスが陸軍の本部だったりするわ。

本来は軍用の施設なのよ。

だけどそれだけだと普段使い道がないから
大会の会場として一般に開放することで軍事費用を稼いでるって感じね。

グランバニアの『陸軍』とジェノスの『海軍』

その二つの軍が共和国を守る柱を担っているらしいわ。

ついでに言うと、
海軍は漁業にも参加して収益を上げているそうよ。

まあ、今は関係のない話だけどね。

首都グランバニアの中心にそびえ立つ陸軍の本部『グランパレス』は、
学園の校舎のざっと10倍の規模はある広大な施設なのよ。

このグランパレスで最強の学園を決める試合をすることになるの。

「着いたわよ~!」

理事長の声と共に、動きを止める馬車。

いつもよりも少し遅くなったけれど、大体予定通りの時間だと思う。

ひとまずグランパレスに入って、
宿泊の準備を整えるところまでが今日の予定になるわね。

大会は明日から始まっちゃうから、
今日は体を休めるのが私達の仕事なのよ。

だけど、ね。

緊張感がなさすぎるのはどうかと思うわ。

「腹減ったーっ!」

真哉が何か叫んでるのよ。

あんなに食べたのに、まだ食べられるの?

はあ…。

ったく、呆れるわね~。

「もうお腹すいたの?」

「ああ?当然だろ。今、何時だと思ってんだ?」

「まだ5時にはなってないわよ。」

「十分だろ?」

何が?

夕食の時間ってこと?

さすがにちょっと早くない?

「私はまだお腹すいてないわよ」

「翔子は小食だからな」

そういう問題なの?

違うわよね?

色々と言いたいけれど、
何を言っても無駄な気がするから
それ以上の追求はやめることにしたわ。

そのせいかどうかは知らないけれど。

真哉はまっさきに馬車を降りて、全力で背伸びをしているわね。

「ぬあー。ったく、一日中座ってることほど辛いことは他にねえな」

ああ、まあね。

その気持ちはわかる気がするわ。

理解出来なくもないからよ。

じっとしてるのは性格的に無理なのよね~。

真哉ほどじゃないけど、私だって苦手だって思うのよ。

だけどね?

個人的には十分すぎるくらい幸せな時間だったとも思うわ。

こんなにものんびりと総魔と過ごせたのは初めてだったから悪くないって思うの。

それなりに会話も出来たしね。

楽しかったって思うのよ。

「まあ、あれはあれとして、私達も降りるわよ~」

みんなを先導して馬車を降りてみる。

真っ先に降りた真哉に続いて、私と優奈ちゃんも馬車を降りたわ。

そして龍馬と沙織も馬車を降りたことで、最後に総魔が馬車を降りたわね。

これでもう馬車の中には誰もいないわ。

「もう一度聞くけど、みんな忘れ物はない?」

理事長の言葉を聞いて、全員の荷物に視線を向けてみる。

比較的荷物の少なめの沙織と優奈ちゃんは、しっかりと自分の鞄を持ってるわ。

全員の中で私が一番大きな鞄を持ってるけれど、
これは別に荷物が多いわけじゃなくて、
単に帰りにお土産を買うつもりだからよ。

だから鞄の中身はスカスカだったりするわ。

見た感じだと真哉と龍馬の二人もそれほど大きな鞄は持っていないわね。

いつもどおりでもあるんだけど、
二人も荷物は少なそうね。

ただ。

総魔だけは本当に必要最小限としか言いようがないような小さな鞄を持っているだけだったわ。

「着替えだけって感じ?」

「ああ。それで十分だ」

十分かな?

総魔に関しても疑問に思うことはあるけれど、
総魔に言っても理解されない気がするわよね。

ん~。

まあ、いっか。

あっさりと割り切って、理事長に振り返ってみる。

「大丈夫です!」

「お~け~!それじゃあ馬車を預けて来るから、みんなはちょっと待っててね」

私が代表して答えたことで、
理事長は馬車を走らせて、所定の場所に向かって行ったわ。

馬小屋ってやつよ。

馬車の保管所とも言うわね。

残された私達はひとまずお留守番になるわ。

いつものことだからさっさと会場に入っても良いんだけどね。

一応、素直に理事長の帰りを待つことにしたわ。
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