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THE WORLD 作者:SEASONS

4月13日

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この世界の現実

《サイド:御堂龍馬》

ふう。

そろそろ1時間くらい過ぎたかな?

学園を出発した僕達が町を出て街道に出る頃には、
すでに8時を過ぎていたように思う。

はっきりとした正確な時間は分からないけれど、
ジェノスを離れる前の最後に確認したときに8時になりかけていたからね。

町中では速度が上げられないからゆっくり進んでいたんだけど。

町を出てからは見晴らしの良い街道を進んで全速力で走り続けてる。

どうしてもジェノスを出るまでは時間がかかるんだけど。

一度街道に出てしまえば最高速度で走れるから
時間が過ぎるごとにどんどんジェノスから離れてしまうことになる。

港町ジェノスから大会のあるグランバニアまでは、
いつも通りならおよそ8時間後に着くはずなんだ。

街道に出てからすでに1時間が経過していると思うから残り7時間だね。

現在が9時頃だから夕方の4時頃に着く予定になる。

あと7時間か…。

特にやることがないから、のんびりとした穏やかな風景を眺めてみる。

どこまでも広がる雄大な景色。

見渡す限りの大自然は何度見ても穏やかだ。

時折、ウサギが走っている姿が見えたりするくらいだからね。

この一瞬だけは平和を感じずにはいられなかった。

だけど、ね。

一歩でもこの国を出てしまえば、僕達に安息の地はないんだ。

そのことを僕は知ってる。

実際に経験してきたからね。

世界的に行われている『魔術師狩り』

特殊な力を持つ僕達の存在を恐れる人々が行う力による弾圧だ。

かつて他国から亡命してきた僕や沙織にとって、
この国以外の世界は恐怖の対象でしかない。

各地で争いが続き、虐殺によって死んでいく魔術師達は今でも世界中に大勢いるからだ。

それは決して人ごとなんかじゃないと思ってる。

いつこの国にもそういった争いの火種が飛んで来るか分からないからだ。

理事長や多くの人達のおかげでこの国は平和を保っているけれど。

それはあくまでもこの国の中だけの話でしかない。

他国で、あるいは隣国で殺されていく魔術師までは救えないからだ。

それがこの世界の『現実』なんだ。

それでも…。

それでもね。

いつの日にか全ての魔術師を救える日が来るって信じてる。

もう二度と僕と同じような苦しみが起きないような。

そんな日が来ることを、僕はずっと願い続けているんだ。
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