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THE WORLD 作者:SEASONS

4月12日

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別れの言葉

《サイド:天城総魔》

気がつけばもう午後7時だ。

四日がかりの実験も、ようやく全てが終わりの時が来た。

特性の調査から始まり。

構呪という仮説は本当に正しかったのか?

それはどの程度の効果を発揮出来るのか?

そしてルーンの能力は?

疑問だらけだった全ての検証が完了したからだ。

「ふう。何と言うべきか…」

黒柳の発言によって全員の視線が集まる。

「もはや構呪という能力は実証されたと言っても良いだろう。それは『素晴らしき力』だ。そして同時に『恐れるべき力』でもある」

恐るべき力か。

黒柳の言葉に反論する者はいないようだ。

「天城君。きみはその力を持って何をするつもりだ?それは…その力は『魔術という世界』に大きく影響を与えかねない異常な能力だ。それほどの力を、きみは何に使うつもりなのだ?」

俺の目的か…。

どこまで話すべきだろうか?

少し考えてみたが、
思い浮かぶ結論は何も言えないという答えだった。

もしも話せば黒柳達を…

いや、御堂や翔子達までも巻き込むことになりかねないからだ。

「悪いが俺の目的に関して話すつもりはない。」

「ふむ。どうあっても教えるつもりはない、ということか?」

「俺には俺の目的がある。…とは言え、この力に関しては俺が望んで手に入れた力ではない。『自分の力』を調べて出た結果に過ぎないからな」

「確かにそうかもしれん。特性は自分で決められるものではないからな。だが、その力を何に使うのかは、きみ自身が決めることだ」

ああ、そうだな。

黒柳の言葉は理解出来る。

だがそれでも、答えるつもりはなかった。

今はまだ『その時ではない』からだ。

俺の心がそう叫んでいる。

「いずれ分かることだが、今はまだ言えない。」

「………。ふう…。そうか。」

説明を避けたことで、黒柳は沈黙してしまった。

これ以上の追求は無駄だと判断したのだろうか?

黒柳の考えまでは分からないが、
代わりに西園寺が口を開いた。

「あなたの力は認めるわ。否定出来ないほどに『結果』は出てしまっているから。もう疑うことは出来ないわね。これであなたは完全に覚醒したと言えるはずよ」

潜在能力に覚醒したと宣言してから、
西園寺は本題に入った。

「だから一つだけ聞いても良いかしら?」

「なんだ?」

「魔術大会に参加するようだけど、そのあとはどうするつもりなの?」

大会のあとか…。

西園寺の質問によって、全員の視線が俺に集まっている。

黒柳も同様だ。

俺の今後が気になるようだな。

「すでに俺がこの学園で望むべき目的はほぼ達成出来たと言えると思う。大会に参加し、異なる能力者達の実力を見極めて最後に御堂と戦う。それが達成出来たなら、俺がここに留まる理由はもう何もないだろうな」

「それはつまり、学園を去る、ということかしら?」

「ああ。ただ、それが卒業なのか、それとも別の道かは分からない」

「卒業試験を受けないつもりなの?」

「その時の状況次第だな」

「あなたは何を狙っているの?」

「その質問に答える気はない」

西園寺との会話を打ち切る。

そして、出口に向かってから部屋の扉へと手をかけた。

「…黒柳…」

振り返ることなく、扉を開きながら黒柳に話し掛ける。

「感謝している。俺の我が儘に最後まで協力してくれたことを、俺は生涯忘れない」

「…まるで、これが最後のような言い方だな」

「ああ、そうなるかもしれないからな」

別れの言葉を残してから部屋を出ることにした。

おそらくこれが最後になると思うからだ。

だからこそ。

黒柳にはちゃんと挨拶がしておきたかった。

「感謝している。」

その想いだけを残して、研究所をあとにした。
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