挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
THE WORLD 作者:SEASONS

4月12日

510/4820

あと少し?

《サイド:美袋翔子》

ん~。

午前10時になったわね。

沙織と一緒に特風会に移動した私は、
特にやることもないから珍しく淳弥の仕事を手伝ってるところなのよ。

…って。

自分でも珍しいって言っちゃうくらいだから本当に久しぶりかもね。

でもまあ、ついこの間、沙織と二人でほぼ徹夜になりながら仕事をした覚えがあるから
事務作業そのものは久しぶりでもなんでもないけどね。

ただ、何回やってもこの手の仕事は慣れないのよ。

「これって、これでいいの?」

淳弥に尋ねてみる。

「ああ、それでいい。ついでに、こっちも見てくれないか?」

淳弥に書類を差し出されたことで、書類を受けとって目を通してみる。

だけど報告書の内容は…考えるほどでもないどうでも良い内容だったわ。

「もう、面倒臭いわね~」

だんだん嫌になってきた私を見て、淳弥がため息を吐いてる。

「ったく、仕方がないだろ?放置すれば、あとあと何を言われるか分からないからな」

「そんなの知らないわよ。私には関係ないんだから!」

「はあ…。あのな、翔子。これは本来、翔子がやるべき仕事なんだぞ?俺が負担してるだけでな!」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~~っ!!!!」

「え~!じゃないっ!何でそんな当たり前に、文句が言えるんだっ!?」

大声で叫ぶ淳弥を見て、沙織は小さな声で笑ってるわね。

「ふふっ。仲が良いわね」

「この状況で、どこをどう見ればそう見えるんだ!?」

沙織にまで叫ぶ淳弥。

ったく、もう。

わがままなんだから。

「沙織にまで当たるんじゃないわよ!わざわざ私が手伝ってあげてるんだから、それだけでも感謝しなさいよね!!」

「だっかっらっ!!!」

淳弥は机をバンバンと叩きながら抗議してくれたわ。

「ここにあるのは全部!!翔子の仕事だって言ってんだろぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

ったくぅ。

うるさいわね~。

全力で叫ぶ淳弥がめんどくさくなってきたんだけど、
そんな淳弥に里沙も冷たい視線を向けてたわ。

「あ~もう!さっきからうるさいわね~。喧嘩なら外でしてくれない?」

苛立つ里沙に続いて、
百花も淳弥に話しかける。

「翔子に言うだけ無駄よ」

うんうん!

そうそう!

そのとおり!

「私に言っても無駄だから、淳弥は一人でやりなさい」

百花のとげのある言葉に便乗して淳弥に丸投げしてみる。

そして全ての書類を放り出してから沙織の隣の席に座ったわ。

「よろしくね~」

「いや、ちょっと待て、翔子っ!!!」

「だから、うるさいって言ってるでしょ!!」

叫ぶ淳弥を里沙が一喝してくれたのよ。

うんうん。

何もかも淳弥が悪いわよね。

そういうことにしておくのが一番なのよ。

「くっそぉ…!」

里沙に怒られて黙り込む淳弥だけど。

私は笑顔で淳弥に手を振ってから、沙織に話しかけることにしたわ。

「で、どう?終わりそうなの?」

「ええ、あと少しよ。お昼までには終わると思うわ」

へ?

お昼?

今が10時で、終わるのがお昼?

それって全然少しじゃないじゃない!?

ざっと2時間も待ち続けていられるほど、私の忍耐力は高くはないのよ。

「はあ…。私も出掛けて来るわ」

「あら、そう?じゃあ、お昼に食堂で待ち合わせしましょう」

「うん。分かった。じゃあ、またあとでね」

「ええ、気をつけてね 翔子」

「ありがとう、沙織!行って来るわね!」

「行ってらっしゃい」

沙織に見送られながら私は会議室をあとにしたわ。

ただ…。

会議室を出る前に淳弥が何か言っていたような気がするわね。

でもきっと、気のせいだと思う。

気にしなかったら気にならないからよ。

仕事は淳弥に任せることにして、会議室を出た私はさっさと屋上を離れることにしたわ。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ