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THE WORLD 作者:SEASONS

4月11日

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だったら、私と

気配に気づいて振り返ってみると、
さきほどまで意識を失っていた真哉が目覚めたようだった。

「…だりぃな…」

ぼやく真哉の声を聞いて翔子と沙織も振り返る。

真哉はゆっくりと体を起こしていた。

「よう!龍馬まで揃って、どうかしたのか?」

どうか…って。

ため息を吐きたくなる気持ちを押さえて、真哉に話しかけてみる。

「動いて大丈夫なのかい?」

心配して聞いてみたけれど、
真哉はいつもの笑顔で頷くだけだった。

「ああ、心配ねえ。健康そのものって感じだな」

ベッドを下りた真哉は軽く体を動かしながら翔子に話しかける。

「ったく。翔子にまで負けるとは思ってなかったが、こうなった以上は仕方がねえな。認めてやるよ、翔子。知らねえうちに強くなったな」

「ふふん♪」

素直に敗北を認める真哉を見て、
翔子は当然とばかりに誇らしげに頷いている。

「楽勝!楽勝!」

「はっ!調子に乗るなよ。内心ビビってたことくらい分かってるんだからな」

「んなっ!?なっ、な、何を、馬鹿なこと、言ってんのよ。そ、そんなわけ、ないじゃないっ」

「あー?声がどもってるぞ」

「う、うるさいわねっ!」

「はっはっは!」

大声で笑い声をあげる真哉を見ていると、
それほど落ち込んでいるようには思えなかった。

試合に負けたのに、結果を気にしてないのかな?

真哉の気持ちは僕にもわからないけれど。

負けたからといって不満を口にするつもりはないようだった。

「まあいいさ。今回は負けを認めるが、次は勝つ!ただそれだけだ」

敗北を認めた真哉は僕達に背中を向けて歩きだしてしまう。

「どこに行くんだ?」

聞いてみるけれど。

「ちょいと出掛けて来る」

真哉は足を止めることなく、背中を向けたままで答えた。

そしてさっさと医務室を出て行ってしまったんだ。

どこに行くんだろうか?

気になるけれど、今は追いかけないほうが良い気がする。

誰にでも一人でいたいと思うことはあるだろうからね。

「何だろうね?」

残された僕達は、それぞれに顔を見合わせて首を傾げた。

「さあ?どうでもいいんじゃない?」

翔子は気にならないようだけど。

「少し、心配ね」

沙織は心配そうな表情で真哉の背中を見送っていた。

うーん。

真哉の姿が見えなくなってもまだ入口に視線を向ける僕達だけど、
再び扉が開かれることはなさそうだった。

「まあまあ、真哉のことは放っておくとして。とりあえず私はどうしようかな~?」

「また会場に行くつもりかい?」

「ん~。行ってもいいんだけど、なかなか対戦相手が見つからないのよね~」

まあ、そうだろうね。

今の翔子の成績が何番なのか、僕はまだ知らないけれど、
成績を上げるためには一桁台の生徒と戦う必要があるだろうね。

だけど成績を上げたくても対戦相手が見つからないことで行き詰まりを感じているようだ。

そんな翔子を見ていた沙織が話しかける。

「だったら、私と試合をしてみる?」

「へ?」

「沙織?」

突然の発言に戸惑う翔子と僕だけど、それでも沙織は言葉を続けていく。

「私も翔子がどれだけ成長したのか見てみたいし、翔子になら負けても悔しくないしね」

負けても良いと言って微笑む沙織だけど、その考えはどうなんだろう?

一体、沙織は何を考えているんだろうか?

「どうする?翔子」

「え?あ、ま、まあ、沙織が良いなら私は良いけど…」

「ふふっ。それじゃあ、行きましょう」

良いよどむ翔子に笑顔を浮かべたまま、沙織は翔子に手を差し延べた。

沙織に手を引かれた翔子はベッドを下りて歩き出す。

そしてそのまま会場に向かう二人を追って、僕もついていくことにした。
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