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THE WORLD 作者:SEASONS

4月11日

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苦情

《サイド:御堂龍馬》

午前9時まであと数分という頃になってから、僕は再び特風会に戻ってきた。

普段よりも遅くなってしまったと思いながら扉を開けてみると、
会議室の中にはすでに淳弥がいた。

どうやら一人で仕事をしているようだ。

「今日は一人かい?」

「ああ。今の所はまだ誰も来ていないな」

淳弥は眠そうに欠伸をしてから頷いてくれた。

仕事を終えてから帰ったとかではなくて、
そもそも誰も来なかったということだろうね。

「遅くなってごめんね」

「いや、それはいいが、御堂にしては珍しく遅い時間だな。」

淳弥は時計に視線を向けてから、もう一度僕に振り返った。

「もしかしてあれか?御堂も試合を観戦してたのか?」

試合?

誰の試合だろうか?

首を傾げると、淳弥は小さくため息を吐いていた。

「あー。その様子だと何も知らないみたいだな」

「…知らないって、何かあったのか?」

「ついさっき、翔子と真哉が試合をしたらしいぞ」

なっ!?

翔子と真哉が?

驚く僕に、淳弥は話を聞かせてくれた。

「まあ、詳しい話は俺もまだ知らないんだけどな。またまた試合場がぶっ壊れたって苦情が生徒会からきてるから間違いないだろ」

「結果は!?」

「翔子が勝ったらしいぞ。現時点では北条の番号が低いから順位に変動はないが、事実上、御堂に次ぐ実力があることを証明したと言えるんじゃないか?」

翔子が真哉に勝った?

その言葉は僕の予想を遥かに越える成長を示していることになる。

僕でさえ、真哉を相手にすれば苦戦を強いられるからだ。

それなのに。

あの真哉を相手にして『翔子が勝った』という事実は驚くべき出来事だと思う。

こうなるともう彼だけじゃない。

翔子も警戒すべき実力を持っていると考えるべきなのかもしれない。

「二人は今どこに?」

「どうだろうな?俺も報告として聞いてるだけで、詳しい話はまだ知らないからな。ただ、結構な激戦だったらしいから、治療のために医務室にいる可能性が高いんじゃないか?」

医務室にいるかもしれない?

そんな淳弥の予想を信じて、医務室に向かうことにした。

「出掛けて来る!」

「お、おい御堂っ!仕事はどうするんだっ?」

急いで会議室を飛び出す僕に向けて背後で淳弥の呼ぶ声が聞こえたけれど。

今の僕に振り返る余裕はなかった。

仕事よりも何よりも。

試合の事実を確認したいと思ったことで、
再び会議室を離れることにしたんだ。
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