挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
THE WORLD 作者:SEASONS

4月11日

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

471/4820

究極乱舞

「もちろん、分かってると思うけれど。私は『あの魔術』も使えるのよ?」

『バサッ!』と一振りで開く扇。

きらびやかな光が扇を包み込んでく。

30本の全ての骨組みに生まれる魔術の核。

その光に気づいた瞬間に、
真哉の表情が引きつるのがはっきりと見えたわ。

「さあ、見せてもらえるかしら?真哉がどこまで耐えられるのかを、ね」

扇を水平に構え直す。

そしてゆっくりと扇を動かして、真哉に向かって扇を振る。

それが後の音だったでしょうね。

聴覚が麻痺するほどの爆音が会場内に響き渡って、
試合場の崩壊と同時に真哉の姿が見えなくなったわ。

さてさて。

普通に考えればこれで終わりのはず。

だけどね?

まだまだ油断するつもりはないわ。

アルテマを突き抜けて襲い掛かって来る真哉の動きを予想していたからよ。

「温いぜっ!」

魔術突破の能力によってアルテマを突き抜けた真哉には、
それほど被害がないように見えるわね。

「この程度で勝てると思うなよ翔子っ!」

…でしょうね。

さっきのお返しとばかりに微笑みを浮かべる真哉の行動はすでに予想していたわ。

「あ~、ごめんね。温くて悪かったわね。だから、もう少しだけ温めてあげるわ」

次に私は対真哉用の魔術を発動させることにしたのよ。

「トールハンマー!!!」

強力な電撃がルーンから生まれて、真哉に襲い掛かる。

「はぁ?…んな程度の雷撃が俺に通用すると思っ…て!?が、ぐぁ…っ!!」

突撃の姿勢のまま試合場に倒れ込む真哉。

ずざざ…って試合場に転がった姿は笑えるけれど、
今はまだ笑ってる場合じゃないわね。

魔術を維持させることが優先よ。

「ねえねえ、真哉。どう?痛い?それとも平気?」

「ちぃっ!舐めやがってっ!」

気合で立ち上がろうとする真哉だけど。

その努力は認めてあげない。

魔術を維持して、全力で真哉を押さえ込んであげたわ。

「ぐ…が…あっ…!?」

「うんうん。これが真哉の限界でしょうね」

いくら真哉が突破の能力を持っていてもね。

決して越えられない魔術があるのよ。

「ねえ、真哉。」

あまり近付きすぎないように気をつけながら、
地面にはいつくばったまま身動きの取れない真哉に問いかけてみる。

「いくら動きが速くても『重力』までは突破出来ないでしょ?」

「くっ…!!」

立ち上がることさえ出来ない真哉は、私を強く睨みつけていたわ。

だけどね。

何もできない真哉に睨まれたくらいでビビるほど私は気の弱い人間じゃないのよ。

「実はね。真哉との試合を考慮して考えてた切り札なのよ。どう?ちゃんと効果があったでしょ?」

微笑みを浮かべる私を睨み続ける真哉だけど。

どれだけ睨んでも結果は覆らないわ。

「これが私の力よ。言ったはずよね?私の魔術はただの魔術じゃないってね。だからもう諦めたら?」

私は勝利を確信して、真哉に宣言してあげたわ。

だけど、真哉としてはまだまだ諦めきれないようね。

「ふざけんな…っ!」

宣言する私に、真哉は怒鳴り付けてくる。

「この程度でっ!」

必死に叫んでもがく姿はカッコ悪いけれど…。

まあ、真哉らしいかな?

諦める様子のない真哉を見た私は大きくため息を吐いてから、
『最後の魔術』を発動させることにしたわ。

「最後まで諦めないって感じね。だったら特別に見せてあげるわ!これが『対総魔用』に考えた私の最強の一撃よ!!!!」

宣言してから、沙織に視線を向けてみる。

「…ごめんね、沙織。」

「…え…っ?」

「あとのこと、よろしくね」

戸惑う沙織から視線を逸らして、
とっておきの魔術を発動させる。

「全ての魔力を力に変えて。今ここに破滅のときを!!秘術っ!!メテオストライク!!!!」

無制限に展開する圧縮魔術の究極乱舞。

ありとあらゆる魔術の無差別爆撃でもあるんだけどね。

舞い踊る扇の一振り毎に発生する魔術の嵐が、動けない真哉に降り注ぐ。

「………!!!!!」

声にならない叫び声を上げる真哉。

試合場を包み込む結界さえ崩壊する破壊力に、
試合場の周辺にまで余波が広がってく。

沙織はかろうじて結界を張るのが間に合ったようね。

優奈ちゃんは能力を発動して悠理ちゃんをかばっているのが見えるわ。

ん~。

真哉はどうなのかな?

まともな状態なら突破出来る可能性はあっても、
この状況で逃げることは不可能だと思う。

…というか、耐え切られたらとても困るのよ。

全ての魔力使い果たしてでも真哉にとどめをさそうとしてるわけだしね。

だからここで立ち上がられると、正直とんでもなく気まずいわ。

「どう?真哉。これが私の力よ」

その宣言だけが精一杯だったわ。

これ以上は意識を保つ余裕もない感じ。

だけど…ね。

真哉は動き出さなかったのよ。

「試合終了っ!」

意識を失って沈黙する真哉を見て、
沙織が試合終了を宣言してくれたわ。

「勝者、美袋翔子」

よしっ!

これでもう真哉なんて怖くないわ。

事実上、龍馬に次ぐ実力を証明してみせたからよ。

「だから…言ったでしょ…。私を…今までの私と思わないで…ってね。」

試合が終わったことで、
魔力が尽きた私も意識を失ってしまったわ。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ