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THE WORLD 作者:SEASONS

4月11日

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そよ風

それぞれの両手が異なる色彩の輝きを放つ。

ホンの数秒で姿を見せるルーンに、
お互いの視線が釘付けになったわ。

真哉のルーンは見慣れた『ラングリッサー』だけど、
私のルーンはみんなにとって初見しょけんになる『グロリアスクイーン』よ。

槍を構える真哉に向けて、ひとまず閉じたままの扇を向けてみる。

さすがにね。

最初からアルテマを展開するつもりはないわ。

まずは力を抑えた状態で様子を見るつもりなの。

「これが私のルーンよ」

自信を持って宣言したんだけど…。

「はあ!?なんだそれは!?」

真哉は疑問を感じているようね。

そんな真哉と同じように、
審判として試合を見ている沙織も首を傾げているように見える。

うん。

やっぱりね。

戸惑う二人の反応を見て確信したわ。

私の予想通り。

二人はまだ何も知らないからよ。

真哉も沙織も私の力を何も知らないの。

そう判断した私は真哉に宣言しておくことにしたわ。

「最初にこれだけは言っておくわね。私の特性は融合。あらゆる魔術を自由に組み合わせられる力よ。だから私の魔術はただの魔術じゃないの。それだけは覚えておくことね」

「はっ!大した自信じゃねえか!!その自信が本物かどうか俺が試してやるぜっ!!」

体勢を低く構える真哉の槍の先端が、赤い光を帯び始める。

これはあれね。

『ボルガノン』がくるわね。

真哉と戦うのは今回が初めてだけど、
真哉の試合は何度も見てるから
魔術の見分けくらいはすぐにできるのよ。

真哉の攻撃を直感的に判断した私は、
扇に魔力を送り込みながら真哉が動くのを待ち構えることにしたわ。

「見せてあげるわ。覚醒した私の本当の力をねっ!!」

「なら、俺が見定めてやるぜ!!行くぜ、翔子っ!ボルガノン!!!!」

炎を帯びた最速の一撃で私に襲い掛かる真哉だけど…。

今の私にはね。

逃げるなんていう選択肢は必要ないの。

ホンの少し扇の角度を変えるだけ。

ただそれだけでいいの。

突撃する真哉と一歩も動かない私。

真正面から激突し合うルーンの先端。

真哉の槍が放つ強力な衝撃をものともせずに、
私の扇は真哉の突きをしっかりと受け止めてみせたわ。

「ふふん♪」

楽勝ね。

痛くも痒くもないわ。

「んな…馬鹿なっ!?」

「あれあれ~?もう終わりなの~?」

「くっ!」

動揺する真哉の表情はなかなか笑えるわね~。

だけど、この状況で笑い出すほど私の心は腐ってないわよ?

ちょっとした優越感は感じるけどね。

試合が終わるまで油断なんてしないわ。

だから今はお互いのルーンが突き合わさる状態で動きを止めた真哉に話しかけてみることにしたわ。

「ねえ、真哉?」

語りかける私の次の言葉を聞いて、真哉はどう思うのかな?

「生温いわよ、真哉。まるで『そよ風』ね」

「んなっ!!」

一瞬で怒りに染まる真哉の表情だけど。

私は冷静さを装いながら真哉に微笑んであげたわ。

私にはまだ余裕があるって思わせるためよ。

まあ、ここまでは予定通りの結果ではあるんだけどね。

それでもこんなに上手く行くとは思ってなかったから、
正直に言えば心の中では焦りと不安で一杯だったわ。

ドキドキと早まる鼓動。

強がっては見せても、心はごまかせないわよね。

だけどね。

気持ちで負けるわけには行かないわ。

最後まで強気で戦い抜くしかないの。

そんなふうに心に誓いながら、扇に力を込めてみる。

さあ、反撃の時間よ。
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