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THE WORLD 作者:SEASONS

4月10日

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舞い散る血飛沫

まさか!?

慌てて大穴から離れた翔子の様子から、
真哉がまだ戦える事を瞬時に理解した。

「つ…っ!?」

痛む体を無理矢理起こしてから、震える手で剣を大穴へと向けて構える。

来るか?

僅かな沈黙が訪れて、大穴からゆっくりと真哉が歩み出てくる。

「ちっ!油断したぜ。まさか、グランド・クロスが使えるとはな」

槍を杖代わりにして歩みを進める真哉だけど、
一目見ただけでも相当な重傷なのは間違いない。

「さすがにきついか」

体中に見える傷痕はまともに歩いている事が不思議なくらい危険な状況に思える。

「だが、まだだっ!まだこの程度じゃ『あいつ』には届かねえぜ!!」

構える真哉の槍の先端に、再び風が集まっていく。

「これが最後の一撃だ。これが決まらなければ龍馬の勝ち。だが、決まれば俺の勝ちだ」

槍に集まる風が真哉の体を覆い尽くしていく。

風を纏う真哉。

槍の先端が、激しく輝きだした。

「対天城総魔用に新たに考え出した究極の奥義だ。ボルガノンを越える最速の一撃。この技で俺は龍馬を越える!!」

力強く宣言する真哉から、圧倒的な魔力が槍の先端に集約していく。

くっ!

ダメだっ!!!

これは危険過ぎるっ!!

全ての魔力を注ぎ込む真哉の一撃には、命の危険さえ伴っている。

止めなければっ!!

そうは思っても、体が思うように動かない。

まずいっ!

なんとか防ぎきらなければ、僕も真哉も命を落としかねない。

そう思えるほどの危機感が、僕の思考を埋め尽くしていく。

真哉の攻撃を防ぐ力を!!!

魔力を込める僕のルーンが輝きを増していく。

全てを破壊する力を!!!

願うほどに光が強くなり。

僕の意志に反応して輝きを増すダークネスソードを構え直して、新たな力を解放する。

「グラビティブレード!!」

ダークネスソードが黒い光を生み出して僕の周囲を漆黒に染め上げた。

「それが龍馬、お前の力か。なら、見せてもらうぜ!どっちの力が上かをなっ!!」

僕の魔術を見つめる真哉が全力で突撃する。

「ソニックブーム!!!」

『ブワッ!!!!』と風を纏う真哉の最高最速の突撃によって発生する衝撃波が試合場を削り取っていく。

試合場を吹き飛ばしながら、
瞬時に距離を詰める真哉の姿は目では追えない速さに達していた。

ホンの一瞬。

瞬きの一瞬で僕へと迫る真哉の究極の一撃が僕へと襲い掛かったんだ。

「ぶっとべっ!!!」

「叩き落とすっ!!」

気合の一閃。

それぞれの攻撃が交差した瞬間に、周囲に血飛沫が舞い散った。

「がはっ!?」

「ぐ、ぅぅ…っ」

互いに動きを止めて、試合場に倒れ込む。

相打ちだったのだろうか?

僕の一撃は確実に真哉に当たったはず。

だけど真哉の攻撃も防ぎきれなかった。

「引き分け…かな。」

そう思った直後に『タタタタ…ッ』と駆け寄って来る翔子の足音が、
床を通じて僕の耳へと届いてくる。

まだ僕は意識があるようだ。

体の痛みは消えないけれど、何とか耐え切れたようだね。

というよりも、最後の一撃が真哉を上回っていたことで
被害が最小限に抑えられたのかもしれない。

「く…うっ…」

なんとか体を起こそうとしても上手く動かない体だけど、
それでも真哉に振り返るくらいのことは出来た。

「真、哉…?」

声をかけても返事はない。

意識を失っているのだろうか?

それとも喋れないほど怪我が悪化しているのだろうか?

真哉の表情までは見えない。

けれど僕の無事を確認してから真哉に歩み寄った翔子が、
真哉の戦闘不能を宣言してくれた。

「試合終了!勝者、御堂龍馬!」

僕は真哉に勝てたようだ。
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