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THE WORLD 作者:SEASONS

4月10日

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漆黒の光

光が生まれ。

互いの手が輝いて。

それぞれの手にルーンが現れる。

僕の手にはダークネスソード。

真哉の手にはラングリッサー現れた。

今の僕のルーンは巨大なエンペラーソードではなくて細身の剣だ。

ありとあらゆる魔術を破壊し、
如何なる結界も切り裂く究極の剣だと思っている。

まあ、自称だけどね。

実際にどこまで効果があるのかは色々と試してみなければわからない。

対する真哉のルーンは長身の槍だ。

軽く3メートルはある槍の先端の左右両方に刃がきらめいている。

その刃だけでも40センチはあり、
薄く鋭い刃は直線の刃とは別に反り返るような幅広い刃が組み合わされている。

突き刺すことはもちろん切り裂くことも可能な槍。

物理的な使い方が多いけれど、風属性の魔術を自由自在に操ることも出来る。

それが真哉のラングリッサーだ。

互いに駆け寄る僕達だけど、槍を持つ真哉の槍の方が射程距離が長い。

僕よりも先に攻撃が届くんだ。

横薙に振るわれる一撃。

力任せに槍を振る真哉の刃が僕へと襲い掛かった。

『ガキィィン!!!』と金属音が鳴り響く。

まずは槍の刃を剣で受け止めて真哉の攻撃を防いでみせた。

そしてそのまま真哉の槍を切り裂く。

「な、にっ!?」

戸惑う真哉だったけど。

それはホンの一瞬だけで、
すぐに気持ちを切り替えて槍を復元してしまった。

「まだまだぁっ!!!」

連続で突き出される槍の突き。

その攻撃を一旦後方に下がって距離をとろうとする。

だけど…

「甘いっ!!」

重心を動かした瞬間に、真哉は体勢を低くして一気に僕へと飛び込んできたんだ。

「ボルガノン!!!」

最速の一撃から生まれる摩擦抵抗によって槍の先端に紅蓮の炎が発生する。

それは灼熱と呼ぶべき紅蓮の炎だ。

真っ赤な炎を帯びた最速の一撃が僕へと襲い掛かってきた。

「ぐ…っ!!」

今の攻撃は回避する事も、剣で防ぐ事も出来なかった。

純粋な速度だと真哉に勝てないからだ。

真哉の一撃を受けてしまった僕は試合場の端まで吹き飛ばされてしまった。

「…くぅっ…」

急いで立ち上がろうとするけれど、足がいうことをきかない。

弾き飛ばされた影響で上手く力が入らないようだ。

ふらつきながら立ち上がろうとする僕に、真哉は容赦なく追撃してくる。

「お前の力はこの程度かっ!?」

叫ぶ真哉が突撃を繰り返す。

炎を帯びた最速の一撃が、再び僕へと襲い掛かるんだ。

「ぐ…あっ!?」

真哉の連続攻撃で再び吹き飛ばされてしまった僕は、
後方に広がる試合場の結界へと激突してしまった。

『どんっ!!!』と壁に激突する音が鳴り響き、
激突による衝撃で一瞬呼吸が出来なくなってしまう。

「かは…っ!?ごほっ…ごほっ!!」

試合場に倒れ込んで咳込む僕だけど、それでも真哉の攻撃は止まらない。

容赦なく踏み込んで攻め続けてくるんだ。

「隙だらけだぜっ!!」

振り下ろされる槍の刃が僕に襲い掛かる。

「くっ!」

慌てて真哉の攻撃を防いだ瞬間。

真哉の突撃の勢いによって、僕の剣が真哉の槍を切り裂いた。

「ちっ!切れ味だけは油断できねえな」

分断された真哉の槍に攻撃力はない。

ルーンを破壊したことで辛うじて時間を稼ぐことが出来た僕は、
真哉から離れようと思って急いで距離をとろうとした。

…だけど…。

立ち上がった瞬間に、脇腹から激痛が走った。

「うぁっ!?」

結界に激突した影響でどこかの骨が折れたのかもしれない。

呼吸するだけでも我慢できないほどの激しい苦痛が僕に襲い掛かった。

まずい!!

この状態だと走ることも出来ない。

回復魔術で治療を試みようとしても、そこに意識を集中させている余裕がない。

いや、そもそもそこまでの治療技術が僕にはない。

「逃がさねえぜ!!」

逃げようとしても追い掛けて来る真哉が僕を追い詰める。

何度切り裂いても、真哉はルーンを復元して襲い掛かって来るからだ。

もう一度槍を切り裂く。

そう思っても体が思うように動かない。

「必殺!!ボルガノン!!!!」

炎を帯びた最速の一撃が迫り来る。

くっ!!

回避はできない。

防ぐ体力もない。

向かい来る真哉対して、僕は剣を向けるだけで精一杯だった。

だから。

「…ぐぁ…っ!!!」

まともに抵抗できないまま、三度僕は弾き飛ばされてしまったんだ。

「く、ぅ、ぅ」

弾き飛ばされて転がる僕だけど、真哉の攻撃は止まらない。

どこまでも容赦なく攻め続けてくる。

「もう終わりか龍馬っ!?あいつなら、天城総魔なら!この程度で終わりはしねえぜ!!」

くっ!?

真哉の攻撃よりも、今の言葉の方がずっと…。

ずっと僕の心に突き刺さった。

認めないっ!!

僕は、強くなるために戦ってきたんだ。

だから、こんなところで負けられない!

彼ならこんなぶざまな姿は見せないはずだから!

だから僕も、いつまでもこんなところで倒れている場合じゃない!!

気合いだけで必死に立ち上がり、
残された力を振り絞って全力で真哉に狙いを定める。

「僕は、彼に勝つためにここまで来たんだっ!」

「だったらその力を示せっ!!行くぜっ!!!ボルガノン!!!!」

突撃の構えをとる真哉に対して。

僕は言う事を聞かない足で必死に体勢を維持しながら、
今の僕に出来る『最強の力』を発動させた。

「これが僕のもうひとつの力だ!!グランド・クロス!!!!」

魔術を発動した直後に『ダークネスソード』が光り輝く。

だけどその光は以前とは違っていた。

漆黒の輝きを放ちながら十字にきらめいて、接近中の真哉を襲ったんだ。

「な、んだとっ!?」

戸惑う真哉だけど、突撃を始めた真哉には回避は不可能。

「これも、僕の力だよ」

宣言した直後にダークネスソードから発する漆黒の光が十字を刻み、
真哉の体を飲み込んだ。

轟く爆音。

吹き荒れる粉塵。

以前よりも殺傷能力の増した一撃は間違いなく真哉に直撃していた。

「ぐあああああああっ!!!!」

叫び声をあげる真哉が無事だとは思えない。

直撃は確定的だ。

その事実を示すかのように、
試合場が崩壊して地面に大穴が開いてしまう。

圧倒的なまでの破壊力は以前の数倍だ。

後方へと身を引いて逃れることさえ出来なかった僕自身も
破壊の余波を受けて倒れ込んでしまうほどだった。

だけど、真哉の方が圧倒的に被害が大きいはずだ。

以前を上回る最大の一撃。

天城総魔でさえ重傷を負った究極の力は
真哉を倒すのに十分な威力を秘めていたはず。

この攻撃を突破されてしまったら僕にはもう勝ち目がないけれど。

今は攻撃が通じたと信じるしかない。

動けない僕の代わりに大穴へと近付いた翔子が大穴の中を覗き込んでいる。

そして。

翔子は即座に逃げ出した。
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