挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
THE WORLD 作者:SEASONS

4月10日

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

447/4820

監禁

「ったくぅ!わざわざ私達が手伝ってあげてるっていうのに、先に帰るってどういうことよ!?」

「まあまあ、少し落ち着きなさい」

隣にいる百花がなだめているけれど、機嫌が戻りそうには見えないね。

「明日はもっと仕事を増やしてやるわっ!」

ブツブツと愚痴を続けているけれど、
それでも仕事の手を止めない部分は称賛に価すると思うかな。

「明日のことは明日に考えるとして、あと少しで終わるから、さっさと今日の仕事を片付けてしまうわよ」

「…はぁい。」

なだめ続ける百花には大人しく従う里沙。

二人は親友だからね。

仲良く作業を進めている。

そんな二人の様子を眺めていると、
まるで沙織と翔子のようだなって思うけれど。

女の子同士の親友っていうのはそういうものなのかな?

僕と真哉だとこんなふうにはならないな…なんて思いながら苦笑いを浮かべていると、
突如として入口の扉が開かれた。

「よう!」

笑顔で入って来たのは、もちろん真哉だ。

ノックもなしに入って来るのは真哉だけだからね。

「ん?珍しいのが来たわね」

少しトゲを感じさせる里沙の言葉だけど、
真哉は気分を害することもないまま笑顔を浮かべながら僕の側へと歩み寄ってくる。

「とりあえず終わったぜ」

「ああ、ご苦労様」

真哉の努力を労うと、百花が僕達に話しかけてきた。

「終わったって、もしかして例の問題児のこと?」

「なんだ?もう知ってるのか?」

真哉の問い掛けに、今度は里沙が答える。

「鎌田俊雄に関してなら、私達が報告書をまとめたから知ってるわよ。それで?結局、最後はどうしたの?」

「あいつなら生徒指導室だ」

「あ~。やっぱりそうなるのね~」

『生徒指導室』

名前だけなら聞こえは良いけれど、
実際には学園の地下に密かに用意されている牢獄ろうごくだ。

問題のある生徒を監禁するための拘留所であり、
反省の態度を示すまでは何ヶ月経っても出ることの許されない監禁部屋でもある。

だからこそ悠理に近づくことができなくなったわけだけどね。

…と言っても、扱いが酷いとか拷問があるとかそういうことじゃないよ。

単純に外に出られないだけで、最低限の生活は保証されているんだ。

要は外出禁止の寮だと思えばいい。

ただ、性格に問題のある生徒ばかりが集まっているせいで
日々争い事が絶えない場所ではあるんだけどね。

それでも普通に生活する分には問題ないと思う。

大人しくしていれば実害はないからね。

ただし。

特殊な結界が存在するために
生徒指導室にいる間は一切の魔術が使えなくなる。

もちろん彼や僕達くらいの実力者の魔術を封じる力はないけれど。

ファーストやセカンドに所属する生徒達の魔術を封じる程度のことは出来る場所だ。

その結界の存在によって、喧嘩をしても傷を治すことさえ出来ない為に、
痛みが消え去ることがないという罰則もある。

なおかつ毎日反省文を書き続けなければ強制退去として
『本物の牢獄』に送られる可能性もあるからね。

精神的な負担は大きいと思うよ。

だけどね。

この処置は学園の治安を守るために必要なんだ。

そしてこの国の治安を守る為に必要とされている措置でもある。

「ひとまずこれで、悠理に近付くことは防げそうだね」

「そうだな。あれだけ性格の歪んだ奴を野放しにすれば、いずれ悠理が泣くことになりかねないからな。この程度の処分は必要だろう」

「ふ~ん。なるほどね~」

僕達の会話を聞いていた里沙が報告書の最後に一文を書き足した。

「生徒指導室行き、と。これでおっけ~ね」

完成した報告書をまとめ終えてから、里沙はペンを置いた。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ