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THE WORLD 作者:SEASONS

4月10日

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いたずら?

《サイド:御堂龍馬》

ふぅ。

もうすぐ6時30分になるね。

今は沙織と一緒に食堂で食事をしてるところだ。

これは毎朝の日課でもあるし、基本的な生活習慣でもあるけどね。

もう1年以上続いている日課になる。

毎日この時間に食事をとって、
そのまま特風会へ向かうのが僕の日課になっているんだ。

沙織は日によって予定が変わるけれど。

大体このくらいの時間に食堂に来て、二人で朝食を食べる事が多いかな。

ただ。

沙織の場合は特に予定がない限り、
このあとは研究室に行くことが多いと思う。

妹さんのための研究が忙しいようだからね。

一緒に特風会に行くということはあまりないよ。

そんなことを考えながら食堂内を見渡してみる。

さすがに早朝という時間もあって、
この時間帯はまだ食堂も混雑してないね。

大体7時頃から混み始めるから、
それよりもちょっと前に来ると、今のようにわりと遠くまで見渡せる状態なんだ。

人気の少ない食堂。

ゆっくり食事をしていると、
広々とした食堂に入ってくる二人の人物の姿が見えた。

「あれは…翔子と彼かな?」

「え?」

僕の声を聞いた沙織は静かに僕の視線の先を追っていた。

そして、翔子と彼に気づいたようだ。

「あら?珍しい時間に来たわね」

確かにね。

僕もそう思うよ。

彼はどうかしらないけれど、
翔子はいつもよりかなり早い気がする。

普段の翔子はお昼まで寝ていたいって思う性格だから、
何らかの任務でもない限り早起きは珍しいんだ。

「呼び掛けた方がいいかな?」

声をかけるために立ち上がろうとしたんだけど…。

「大丈夫よ。こういう時に便利な魔術があるのよ」

沙織は僕を左手で制してから右手を二人に向けた。

そして何かを企むかのような表情で楽しそうに微笑んでから魔術を発動させたんだ。

一瞬だけ魔術の使用を止めるべきかどうか悩んだけれど、
沙織が校則を知らないはずがないからね。

黙って様子を見ることにした。

その間に沙織が発動した魔術は一筋の細く、か弱い光だった。

攻撃力がどうこうという以前に、
周囲を照らす光量としても弱いと思う。

だけどその光はまっすぐに二人に向かって、翔子と沙織を一直線に結んだんだ。

「………?」

戸惑う翔子が光の出所を視線で追ったことで、僕達に気付いたみたいだね。

笑顔で手を振る翔子を確認してから、沙織は魔術を解除した。

「それって光るだけの魔術なのかい?」

「ええ、そうよ。以前に彼が使っていたのを覚えただけなんだけど便利でしょ?」

ああ、確かにね。

満足気に微笑む沙織はどことなく楽しそうだ。

いたずらが成功した子供のよう…かな。

そんなことを言ったら怒られるだろうけど。

それくらい無邪気な笑顔に思えたんだ。

だけどそれよりも…。

戦いや治療以外の目的で魔術を使ったのを見るのは初めてだったかもしれない。

発動した魔術自体はたいしたことのない些細な効果だけど。

沙織の表情を見ていたら、
彼は僕が思う以上に魔術を知り尽くしているような…そんな気がした。
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