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THE WORLD 作者:SEASONS

4月9日

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参加の意志

「理事長!」

「ん?何?翔子」

「さくっと話を進めてもらえると有り難いんですけど?」

「え?あ、あぁ、そうね」

話の流れを変えようとする翔子先輩の配慮のおかげで少し空気が軽くなったような気がします。

「ごめんなさいね。え~っと、どこまで話したかしら?」

「大会の出場に関してです」

「あ、ああ、そうそう。そうだったわね」

一度笑顔を見せてから、理事長さんは説明を再開しました。

「天城君と御堂君。それから翔子と沙織と北条君の5名を大会参加者として準備を進めてるんだけど、異論のある人はいるかしら?」

断る人がいないかどうかを問い掛ける理事長さんですが、
今のところ不満を訴える人はいないようです。

「全員参加と、受けとって良いのかしら?」

再度確認する理事長さんが全員を見渡しています。

ですがこの質問は意味があるのでしょうか?

全員の意見を聞くと言っても、
常盤先輩と北条先輩は気を失っているので返事が出来ない状態です。

総魔さんは参加を認めているので良いとしても、
実際に意見が言えるのは翔子先輩と御堂先輩だけです。

なので、この状況で全員の意見というのは無理があるような気がします。

もう少し時間をおいてから改めて全員に問いかけるべきだと思うのですが、
ひとまず翔子先輩と御堂先輩は断るつもりがないようでした。

「私は別にどっちでもいいわよ」

「僕は参加させていただきたいと思います」

翔子先輩は否定せずに、
御堂先輩は参加を宣言しました。

「それじゃあ、二人は承諾と言うことでいいわね」

満足そうに頷いてから、理事長さんは次に私に振り向きました。

「さて、と。この間は返事を聞いてなかったけれど。あなたの気持ちは決まったかしら?」

私にも聞いていただけるんですね。

以前の話だと強制参加に思えたのですが。

ちゃんと意見を聞いてもらえるようです。

もしも嫌なら参加しなくても良いという流れだと思うのですが、
私としては断るつもりはありません。

魔術大会に参加して何ができるかはわかりませんが。

こんな私でも必要としてもらえるのなら出来る限りのことはしてみたいと思うからです。

なので理事長さんに参加を伝えることにしました。

「私でよければ…参加させていただきます」

立場的には補欠なのですが、それでも参加を受け入れました。

もちろん不要だと言われれば即座に身を引くつもりでいたのですが。

翔子先輩も御堂先輩も私の参加を認めてくれるようで、
私を引き止めようとはしませんでした。

「うんうん!それじゃあ、これで6人全員の参加ってことでいいわね?」

笑顔を浮かべる理事長さんですが、翔子先輩は冷たい視線を向けています。

「私達は別にいいけど、沙織と真哉には確認出来てないですよね?」

「そこはあなた達に任せるわ。まあ、聞かなくても参加だと思うけどね。だけどどうしてもって言うのなら他を探すわ。一応、そうならないことを祈ってはおくけどね」

沙織先輩と北条真哉先輩の説得を翔子先輩に丸投げした理事長さんは、
私達に背中を向けてからゆっくりと歩き始めました。

「それじゃあ、またね。」

一声かけてから離れていく理事長さんですが、
少しだけ離れてから何かを思い出したかのように数秒間だけ足を止めました。

「あ~、あと、私は町の方で色々と仕事があるから2、3日くらい学園を留守にするけど。そろそろあなた達も『本業』の方をよろしくね~」

学園を留守にすると言った理事長さんは、
そのまま会場を出て行ってしまいました。

どこへ向かうのかは分かりませんが、
理事長さんは共和国の代表でもあるのでお仕事が忙しいのだと思います。

ですが…。

本業というのはどういう意味なのでしょうか?

理事長さんの後ろ姿を見送ったあとで、
先輩達に尋ねてみることにしました。
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