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THE WORLD 作者:SEASONS

4月9日

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自分を信じて

何でしょうか?

少し慌ただしいですね。

そんなふうに思いながら足音の方へと視線を向けてみると、
二人の男子生徒が駆け寄って来る姿が見えました。

まっすぐにこちらの試合場に近づいてきています。

だとすれば。

あの二人が総魔さんの呼び出した対戦相手なのでしょうか?

「はぁ、はぁ、やっと着いた」

「ったく!お前はいつもいつも寄り道のしすぎなんだよ!」

「はぁ、はぁっ…。だって仕方がないだろ…」

突然やって来て言い合いを始める二人ですが。

「はいはい。戯言は後で好きなだけやればいいから。とりあえずさっさと試合を始めてくれない?」

そんな二人の仲裁の為に里沙先輩が間に割って入りました。

「悪ぃ悪ぃ」

「何だ?里沙も来てるのか?」

里沙先輩になだめられて落ち着く二人の男子でしたが。

「ん?」

その内の一人が総魔さんに気づいたようで、話し掛けてきました。

「まさか二度目があるとは思っていなかったが、何か俺に怨みでもあるのか?」

え~っと…。

何となく怒ってるような、挑発的な言い方ですね。

ですが。

総魔さんは気にしていないようです。

「いや、生憎だがお前の対戦相手は俺ではない」

何故か総魔さんは私へと視線を向けています。

これはつまり…。

私が戦うという意味でしか考えられないです…よね?

不安な気持ちを視線で訴える私に向けて、
総魔さんは微かに微笑みを浮かべています。

そして小さな声で、宣言しました。

「断言する。この試合で必ずルーンが発動する」

囁かれたその声は相手の生徒には聞こえていなかったかもしれません。

だからでしょうか?

対戦相手の方は不満そうな表情のままです。

それでも総魔さんは特に気にしていないようで、
相手の方に視線を戻してから試合場へと視線を動かしました。

まるで早く行けと視線で訴えるかのようにです。

その様子を見て話し合いにならないと判断したのでしょうか?

彼は無言のまま試合場へと足を進めていきました。

私はその後ろ姿を視線で追っていたのですが、
彼と戦うことで本当にルーンが使えるようになるのでしょうか?

不安を感じてしまいます。

ですがそんな私の背中を後押しするように、
総魔さんが優しく語りかけてくれました。

「心配することはない。必ずルーンは発動する。だから今は自分を信じて戦いに挑め」

自分を信じて。

その言葉が、私の心に残ります。

自分を信じて戦うこと。

今までにも何度も言われてきましたが、
改めて心の中で誓ってから私も試合場へと歩みを進めることにしました。

今回の対戦相手の名前は『岩永一郎いわながいちろう』さんというそうです。

詳しい話は知りませんが、
おそらく彼も総魔さんに敗れた生徒の一人なのではないでしょうか?

試合場に立って岩永さんと向かい合ってみます。

「………。」

まだ機嫌の悪そうな感じの岩永さんですが、私にはどうすることも出来ません。

沈黙の時間が流れてしまいます。

そんな中で審判員さんが中央へと歩み寄り。

「それでは、試合、始めっ!!」

試合開始を宣言しました。
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