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THE WORLD 作者:SEASONS

4月9日

354/4820

開場

《サイド:深海優奈》

時刻は午前7時50分です。

昨日の夜に総魔さんと約束をしましたので、
今日もまた30分前から会場の入口で総魔さんを待つことにしました。

肝心の総魔さんの姿はまだ見えませんが。

今日まで試合が出来なかった他の生徒さん達は、
会場が開かれるのを心待ちにしているようですね。

私としては初めて見る方ばかりなのですが、
数えられる範囲だけでも20人ほどいると思います。

まだこれからも集まるとしたら、もう少し増えるのでしょうか?

1番から99番までの生徒が集まる会場です。

実際には100番から120番くらいまでの生徒も挑戦に来ると思いますので
最大120人くらいは集まるのかもしれません。

その全員が集まるということはそうそうないかも知れませんが、
半分くらいなら集まることもあるのではないでしょうか?

私としては初めて参加する会場です。

入口付近で待っている生徒さん達の中に知ってる人がいないか視線を向けて見ました。

ですが、誰一人として見覚えのある人はいません。

唯一知り合いと言える常盤先輩がここにはいないから当然ですね。

もちろん翔子先輩も御堂先輩もいません。

悠理ちゃんも…いません。

刻一刻と迫る開場の時間。

時計の針が8時を指そうとした丁度その時に、
会場に近づいてくる総魔さんの姿が見えました。

「あ、総魔さ…」

総魔さんに気づいて声をかけようとすると。

『ガガガガッ』と引きずるような音を立てながら会場の扉が開かれて、
集まっていた生徒のみなさんがなだれ込むように会場内へと入って行きました。

丁度、8時のようです。

開場を待っていたみなさんが中に入っていく様子を見送ってから総魔さんへと視線を戻してみると、すでに総魔さんは私のすぐ傍にいてくれました。

「ぁ、おはようございます」

「ああ、おはよう」

朝の挨拶を交わしてから、総魔さんに近づきます。

「いよいよですね」

「ああ。ようやくここまでたどり着いた」

総魔さんの瞳は何処か遠くを見ているように感じます。

何か感慨深いものがあるのでしょうか?

「どうかしましたか?」

尋ねてみると。

「いや、何でもない」

総魔さんは入口に視線を向けたまま小さく呟きました。

本当に何もないのでしょうか?

そうは見えないのですが、
総魔さんは何も言わずに歩き出してしまいます。

私はまだ何も知りませんが。

かつて頂点を目指していた総魔さんはこの会場にも足を運び、
最強の座にまで上り詰めることに成功しているのです。

一時的に離れてしまいましたが、
またここへ戻ってくることのできた総魔さんは今どんな気持ちなのでしょうか?

ここを乗り越えればもう、その先はありません。

ここが最後の会場なんです。

だから、最後の試合に勝った時。

総魔さんはどうするつもりなのでしょうか?

聞いてみたい気はしますが、
何も聞かなくてもすぐに分かる気もします。

だって、総魔さんが負けるはずがないんですから。

絶対と言えるくらいに、私は総魔さんの勝利を信じています。

なので。

全てが終わる日はそう遠くないはずです。

そのあとのことはすぐにわかると思います。

だから今は、私がどこまで勝ち進めるかという問題だけです。

ただそれだけなんです。

『決戦』という最後の試合。

その試合を目指して、私と総魔さんは会場内へと歩みを進めました。
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