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THE WORLD 作者:SEASONS

4月8日

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学園馬鹿リスト

「おーっ!思ってたより可愛い子じゃねーかっ!!」

私を見て何故か喜びだす鎌田。

なんか気持ち悪いわね。

っていうか、あの馬鹿を思い出すわ。

う~ん。

第2の馬鹿にならないことを願いたくなるわね。

とりあえず今は無駄に関わりたくないから黙って鎌田が試合場に入るのを待つことにしたわ。

なのにね。

「きみ、可愛いねー!今、歳幾つ?」

やたらと話しかけてくるのよ。

なんかあの馬鹿以上に馴れ馴れしいわね。

だけど今は質問に答えるつもりなんてないわ。

沈黙したまま、試合が始まるのを待ち続けてみる。

「うわー。冷たい態度。でも可愛いー!」

一人ではしゃぎ続ける鎌田は出会って僅か数秒なのに、
私の中の学園馬鹿リストに見事ランクインしたわ。

『あの馬鹿』に接戦という奇跡を起こした鎌田を暫定2位に大抜擢っ!!

…なんて、考えても虚しいだけなんだけどね。

出来る限り関わりたくないから、
さっさと番号を頂いて会場を去りたいと思うわ。

まあ、馬鹿の番号を受け取ること自体が何だかとっても『嫌』な気持ちになるんだけどね。

それでもこうなってしまった以上は愚痴っても仕方がないし。

とにかく試合を終了させてここから出ようと思うしかないわ。

その一心で、馬鹿の言葉を聞き流すことにしたのよ。

「彼氏がいないなら、俺と付き合ってくれない?」

試合前なのに私を口説こうとする馬鹿。

どうしてこうも私の周りには、空気の読めない馬鹿な男ばかりが集まるのかな?

もしかしてそういう宿命なの?

だとしたらいっそのこと死んでしまった方が楽かもしれないわね。

…もう…

馬鹿はうんざりなのよ。

「ねえねえ」

………。

ただひたすらに聞き流そうと心に決めて堪え続ける。

だけど馬鹿は諦めないみたい。

「悠理って呼んでも良い?」

うあっ!?

今の一言で私の名前が汚された気がしたわ。

「マジで付き合いてーっ!」

いや、むしろマジで気持ち悪いのよ…。

何処までも暴走する馬鹿の気持ちが理解できないわ。

さすがにここまで来ると暴走しすぎだと判断してくれたみたいで、
審判員が馬鹿に話しかけてた。

「準備をお願いします」

きっちり叱り付けるような言い方だったわ。

そのせいで気分を害したのかどうかしらないけれど、馬鹿が急に黙り込んでしまったのよ。

なんか、逆に気持ち悪いわね。

何を考えているか分からないからこそ、余計に気持ち悪さが増した気がするわ。

だけど大人しくなった馬鹿を見て問題が解決したと思ったのか、
審判員はそれ以上の注意をしようとはせずに試合場の中央へと歩みを進めてしまう。

そして私と審判員の二人の視線が馬鹿に向いたのよ。

へらへらと笑いながら試合場に立つ鎌田の視線は尋常じゃないくらい気持ち悪いわね。

…うぅぅ…。

なんか身の危険を感じるんだけど?

これって気のせいじゃないわよね?

悪寒が全身を駆け巡る感じ。

なめ回すようにじろじろと視線を向けてくる馬鹿の仕種を見ているだけで、
私の中の『不動の順位』が変動したわ。

他にはもう絶対にいないって思ってたのに。

『あの馬鹿』を堂々の大差で振り切って、
鎌田を新たな1位として『嫌悪感最強馬鹿』に認定したのよ!!!

おそらくこの順位は二度と変わらないと思うわ。

背筋が凍りつくような寒気が私を襲ってる。

さすがにこうなると、他の生徒にすればよかったって心底思うわ。

まあ、いまさら思ったところで、もう手遅れなんだけどね。

どうしてこうも男運に見放されてるのかな?

神様を怨みたくなってくるわ。

全身を駆け巡る悪寒が治まらないのよ。

馬鹿の存在自体が恐怖だったわ。

例え一瞬だけでも鎌田に触れられたくないって思う。

その思考だけで頭の中が埋め尽くされてく。

触れられることを想像するだけでも吐き気がして来るくらい気持ち悪いのよ。

もう、考えるのをやめようかな?

自分に言い聞かせて、目を閉じて深呼吸を繰り返してみる。

そして、目を開ければそこには現実が…。

うぁぁぁ…。

今も変わらずに私の全身を見回す馬鹿がいるのよ。

馬鹿ってどこにでもいるのね。

馬鹿から逃げた先にも馬鹿がいるなんてどうすればいいの?

とにかくもう気持ち悪くて仕方がないわ。

いっそのこと棄権しようかな?

なんて、一瞬考えてみたけれど。

ここで逃げ出しても他に勝てそうな生徒は今のところいないのよね…。

それにさっさと次の会場に進んだほうが馬鹿と関わらずに済むし、
戦って勝った方がちょっとの我慢で済むはずなのよ。

下手に棄権してこの会場に留まろうものなら馬鹿に何をされるか分からないわ。

だからここは全力で戦って、逃げ切るべき!!

そう判断した私は嫌々ながらも馬鹿と向き合うことにしたのよ。

体力的にも魔力的にも万全だし、問題ないはず。

だけど。

色んな意味で精神的にはすでに疲労困憊ひろうこんぱいかもしれないわね。

馬鹿の相手はもう十分なのよ。

私は御堂先輩のように大人っぽくて素敵な男性と巡り会うんだからっ!!

そんなことを心に願いながら、改めて気合いを入れてみる。

そして馬鹿をにらみつけながら試合の開始を待ったのよ。

「それでは、準備は良いですね?」

問い掛ける審判員に頷く。

そして馬鹿は…。

「ああ、いつでもいいぜ」

余裕の笑みを浮かべてた。

だけどその笑みには明らかに下心が感じられるわね。

うぅあぁ~。

気持ち悪い~。

生理的な嫌悪感ってやつよ。

存在自体を否定したくなるような気持ち悪さだったわ。

「それでは…」

審判員の号令が始まる。

「試合開始っ!!!」

試合が始まってすぐに、馬鹿がまっすぐに走り出したわ。
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