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THE WORLD 作者:SEASONS

4月7日

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強制参加

《サイド:深海優奈》

…行ってしまいましたね。

理事長さんが帰っていくのを見送ってから。

総魔さんに話しかけることにしました。

「魔術大会ってどんな感じなのでしょうか?」

はっきりと参加するとは言えなかったのですが、
理事長さんの中で私は『強制参加』で確定のようです。

この学園にいても不安だらけの私が他の学園の主力を相手に試合をするなんて、
考えるだけで不安になってしまいました。

ですが。

そんな私に対して、総魔さんは表情を変えることなく答えてくれます。

「深く考える必要はない。勝敗に関係なく、何事も一つの経験だと思って挑戦してみれば良い。それだけで十分、今後の成長に繋がるはずだ」

結果よりも経験だと言ってから総魔さんは歩きだしました。

その背中を慌てて追い掛けながら、私は質問を続けてみます。

「総魔さんは怖くないんですか?」

「恐怖という言葉ならすでに捨て去った。今の俺に恐れるものは何もない」

恐怖を捨てた?

そんなことが可能かどうかということよりも。

総魔さんに何があったのか?そちらの方が気になってしまいます。

「何かあったんですか?」

尋ねてみましたが。

「いや、話す程のことではない」

総魔さんは教えてくれませんでした。

歩き続ける総魔さん。

話すことさえしたくない。

そんな何かがあったのは何となく感じられます。

ですが。

それはともかくとして、私の不安は消えないままなんです。

「魔術大会に出て、私でお役に立てるでしょうか?」

「ああ。必要な戦力なのは間違いないだろう」

必要だと言ってくれた総魔さんの言葉が嬉しくて、私は自然と笑顔になってしまいました。

まだまだ不安はありますけど精一杯出来ることをしてみようと思えたんです。

「あ、あの…っ!」

呼び掛ける私に、総魔さんは足を止めて振り返ってくれました。

「明日も御一緒して良いですか?」

それだけを聞くのが精一杯で、顔を赤く染めてうつむいてしまいます。

それでもそんな私を見つめる総魔さんは、
私が傍にいることを受け入れてくれました。

「ああ、そうだな。明日は次の会場で合流しよう」

「は、はい!分かりました」

総魔さんと明日の約束ができたことで、幸せ一杯な気持ちになれました。

「何時頃に待ち合わせればいいですか?」

「会場が開かれる8時でいい」

「あ、はい。その時間にあわせます!」

場所と時間が決まったことで、明日が待ち遠しく感じてしまいます。

二人で歩く帰り道。

総魔さんは女子寮の前まで送ってくれました。

「また明日も、お願いします」

感謝の想いを込めて頭を下げる私に。

「ああ、またな」

総魔さんは少しだけ微笑んでくれたような、そんな気がします。

そして総魔さんは背中を向けて歩き始めました。

「今日はゆっくり休んでおけ」

「はい!おやすみなさいです」

精一杯の声で返事をしたのですが。

総魔さんは振り返ることなく、
軽く手を振ってから男子寮へと帰って行きました。

その後ろ姿が完全に見えなくなるまで見送ってから、
私も自室に向かって歩きだすことにしました。

明日からも頑張ります!

もう一度心の中で誓いながら、今日という一日を終えました。
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