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THE WORLD 作者:SEASONS

4月7日

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噂の少女

「やっと見つけたわ」

探していた人物を発見したことで声をかけてみると。

私の呼び掛けに気付いた天城君は足を止めて振り返ってくれたわ。

「久しぶりだな。俺に何か用か?」

「ええ、そうよ。用があるから捜していたの」

ようやく天城君に出会えたわけだけど。

彼の隣には見慣れない少女がいるわね。

見た感じ大人しそうだけど、とっても可愛らしい女の子だと思うわ。

リボンの色から判断して新入生なのは間違いないでしょうね。

彼と共に行動している新入生の美少女。

うん。

これは間違いないわね。

今ここにいる彼女が『噂の少女』だということはわかったわ。

すでに大悟から報告を受けているから名前と特徴くらいは覚えているのよ。

「少し話がしたいんだけど良いかしら?」

歩みを止めた二人に近付いてみると。

「………。」

噂の少女は人見知りをする性格なのか、彼の後ろに隠れるように移動してしまったわ。

あらあら。

怯えさせてしまったようね。

私としては怖がらせるつもりはないんだけど。

警戒されているのがはっきりと感じられるわね。

もしかして敵だとでも思われているのかしら?

特に嫌われるようなことをした覚えはないんだけど…。

覚えてないだけで、何かしてたとか?

う~ん。

どうかしらね。

単純に他人と関わるのが苦手なだけだと思いたいんだけど…。

でもね~。

一応、私のことは知ってるはずよね?

天城君と同様に入学式は寝てましたって言うなら話は別だけど。

ちゃんと話を聞いていたなら、私のことを覚えているはずなのよ。

とりあえずはその辺りから確認してみるべきかしら?

初対面の彼女にどう接していけばいいのかを考えながら。

一度、挨拶してみることにしたわ。

「こんばんわ。こうして話をするのは初めてだけど、私のことは覚えてるかしら?」

「え?あ、は、はいっ。あ、あの、理事長さん、ですよね?」

「そうそう。理事長なんだけど、そんなに緊張しなくてもいいわよ?ちょっと話があるだけだから」

理事長の権威けんいがどうとか、年上をうやまいなさいとか、
そんなつまらないことで威張り散らすようなつもりは全くないわ。

だからそんなに警戒しないでもらえるかしら?

なんてね。

言いたいことは色々と思い浮かぶけれど。

何か言えば余計に怯えられてしまいそうで言いづらいわね。

今は、そっとしておくべきかしら?

あまり怯えさせないように微笑んでから、
まずは肝心の天城君と話し合うことにしたわ。
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