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THE WORLD 作者:SEASONS

4月7日

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対戦成績全戦全敗

「近藤悠理ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

背後から私の名前を叫ぶ声が聞こえてきたのよ。

突然の出来事に驚く御堂先輩と美袋先輩だけど。

疑問を感じて振り返る二人とは対照的に。

私は振り返って確認する必要もない人物の声を聞いたことで、
激しくため息を吐くことになってしまったわ。

はぁ~~~~~~…。

結局、今日もこの展開になるのね。

先輩達は何も知らないと思うけど。

私としてはこれが日常だったりするのよ。

あまり嬉しい状況じゃないけどね。

「見付けたぞっ!!」

勢いよく駆け寄ってくる男子は
今この状況で最も係わり合いになりたくない生徒だと思う。

「…メンドイ…」

小さく呟いてみたけれど。

私の声を無視して、はた迷惑な男子が迫って来る。

「近藤悠理ぃ!!!僕と勝負しろぉっ!!」

出会って早々に勝負を挑んでくる辺り。

空気が読めない馬鹿だと思う。

だけど、この状況で無視することはできないのよね…。

検定試験会場の規定で試合を断ることさえできないのよ。

それが分かっているから。

私はしぶしぶ振り返って声の主に視線を向けてみたわ。

私の背後にいる人物。

それは、やっぱり。

「あんたよね…。」

とてつもない絶望感。

ただただ面倒臭いだけの男。

ある意味、ストーカーって言えるんじゃないかな?

今の生徒番号は21395番で、以前は私の5つ上の番号だったわ。

だけど私にあっさりと敗北してから、
あれよあれよと言う間に最下位にまで落ち込んだ男子なのよ。

馬鹿の名前は武藤慎吾(むとうしんご)

私の最初の対戦相手だけど。

今では戦う必要さえない雑魚だと思ってる。

だって天城総魔と美袋先輩と御堂先輩の3人が降格するまでは最下位として君臨し続けていたのがこの馬鹿なのよ?

私に負けたその日から、
毎日のように私に挑んでは敗北を続けているわ。

その結果。

対戦成績は私の6戦6勝0敗0引き分けの無敗。

なのに。

今日も馬鹿は試合を挑んで来るつもりみたい。

今日も負ければ連続一週間敗北記録が達成されるだけなのに、
それでも諦めるつもりはないようね。

「…って言うか、誰なの?」

戸惑う翔子先輩に、私はため息混じりに答えることにしたわ。

「この馬鹿の名前は武藤慎吾むとうしんごで、先輩達が降格するまで最下位だった男です」

それが事実なのに。

「今は違う!!」

私の説明を聞いていた馬鹿が即座に訂正して来たわ。

「最下位じゃないぞ!」

はあ?

当然でしょっ!

先輩達が降格してきたんだから。

対戦成績全戦全敗のあんたが順位を上げてもらっただけでも感謝しなさいっての。

「え~っと…どうすればいいのかな?」

「って言うか、だから何なの?」

怒り心頭に接近してきた馬鹿に対して、
どう対処していいか分からずに戸惑う先輩達だけど。

むしろ私の方が助けてほしいです。

誰でもいからこの馬鹿をどこか遠くへ連れていってくれないかな?

そんな私の心からの願いも虚しく、馬鹿が消え去る様子は一切なかったわ。

「勝負しろ!!!」

試合を望む馬鹿が手続きをしてしまうせいで、
格下からの指名権によって今日も私は馬鹿の相手をしなくちゃいけなくなってしまったのよ。
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