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THE WORLD 作者:SEASONS

4月2日

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魔術の基礎

試合を終えてから30分後。

3連戦を終えて検定会場を離れた俺は先程の試合中に思い付いた事を実証する為に学園内にある図書室で調べものをすることにした。

まずは魔術の基礎から調べるべきだろう。

いかに万能な魔術とはいえども0から生み出される力ではないはずだからな。

目に見える形として存在している以上。

そこには必ず媒体となる何かが存在しているはずだ。

その考えを実証するために図書室に保管されている魔術の基本書を幾つか探し出して順番に目を通していくことにする。

現状、俺の扱う魔術は単なる物真似でしかないからな。

昨日今日と何度か試合をして幾つかの魔術を身に付けることはできたが、
それは経験をもとに再現しているだけであって魔術についての知識を手に入れられたわけではない。

相手の詠唱を真似て、
おそらくこうだろうと思う方法で直感的に再現しているだけだ。

だからこそ美弥のように特定の魔術を踏み台として新たな魔術を発動させるといった応用部分に関してまでは手を出せなかった。

今更だが、根本的な知識が足りていないと痛感してしまう。

幼少の頃から魔術を使えたが、
その理論や法則などは全く理解していない状態だ。

相談相手がいなかったことも問題だと思う。

そもそも魔術を使えるようになったのもただの偶然だったからな。

直接話した事はないものの。

幼い頃に旅の魔術師を見掛けて何気なく真似してみたところ。

たまたま魔術が発動したのが魔術を学び始めたきっかけになる。

その時に覚えた魔術は防御結界魔術の『シールド』と炎系魔術の『バースト・フレア』の二つのみ。

他にも幾つか目にはしたが、
詠唱が聞き取れなかったことと、
はっきりと確認できなかったことで習得には至らなかった。

そしてそれ以降は魔術師との出会いがなかったことで他の魔術を覚える機会がなかった。

その結果として。

知識がないために魔術の勉強をする気もおきず、
学ぶべき環境がなかったことで今に至るという状況だ。

だからこそ現時点で調べるべき事は二つある。

非現実的な事を現実にしてしまえる魔術だが、
いかに魔術といえども無から有を生み出す事は出来ないだろう。

だからこそ調べものの一つは『媒介の存在の有無』になる。

美弥も言っていたが魔力という存在だな。

これがどの程度解明されているのかを調べておきたい。

まずは出来る限り根本的な部分から調べたかったのだが、
調査の結果から言えば魔力という媒介は間違いなく存在するらしい。

…らしいというのは、
まだ解明仕切れていないというのが現状のようだ。

現段階ではまだ仮説でしかないのだが、
魔術を使える人間と使えない人間の違いは『魔力』を持っているか否かの差という事になる。

美弥も言っていたが『魔力』があれば『魔術』を使える。

魔力が底を付けば魔術が発動できないのはもちろんのこと、
魔力そのものがなければ魔術を使うことはできない。

その前提を利用して美弥は俺の魔力の枯渇を狙っていたようだが、
結果的にその作戦は失敗に終わっていた。

魔力の有無か…。

魔力という媒介を術者の思う形に変えて魔術として実現する。

その前提が存在するからこそ、
より強力な魔力を持つ者はより強力な魔術を使えるということのようだ。

魔力を想像力によって変換して魔術としての形をなす。

それが魔術の理論であるとすれば必然的に全ての魔術は魔力の固まりだとも言えるだろう。

つまり。

炎であろうと、氷であろうと、たとえ雷であっても。

根本的には魔力という一つの力だという事だ。

だとすれば『シールド』は魔術に対するただの結界ではなく、
全ての魔力を遮断する効果があるのだろうか?

魔力による防壁が発生するためにある程度の物理的な力も防げるのだが、
問題にすべきはそこではない。

重要なのは『魔力の遮断』だ。

これは追求する価値がある。

考えられる幾つかの理論を思い浮かべながら、
続けて二つ目の調べものを始めてみる。

知りたいのは防御用結界魔術である『シールド』についてだ。

効果と能力に関して更に調べものを進めていく。

その結果として分かったことはシールドの特性というのは予想していた通りであり、
『魔力の遮断』を行う魔術のようだ。

その特性によって外部からの魔術を遮断すると同時に内部からの魔術も遮断してしまうという性質がある。

だから結界を展開している間は攻撃魔術が使えない。

内側からの魔術でさえも遮断してしまうからな。

それでも結界内部での具現化は可能だ。

回復魔術程度なら問題なく使えるらしい。

俺はまだ覚えていないために回復魔術をつかえないが、
出来る限り早い段階で習得しておくべきだろう。

もちろん攻撃系も発動そのものは可能なようだが、
決して結界を越える事は無い為。

結界の内部で暴発して自爆するだけだ。

そして結界の範囲は術者の意思で決められるようなのだが、
極端に大きくしたり極端に小さくしようとした場合は上手く展開できない可能性があると記されている。

これはある程度の範囲内でなければ魔術として成立しないのかもしれない。

試合会場も特殊な結界に包まれていることで外部への影響はないらしいが、
こちらはもっと上位の防御結界だと考えるべきだろう。

そして試合場内での物理的な攻撃の無効化にはシールドとは別に特殊な魔術を併用しているようだが手元の資料で調べた範囲では分からなかった。

基本的な魔術書には書かれていないということは必然的に上位の魔術書を調べる必要があるということだろう。

基本書で調べられる程度の魔術ではないようだ。

それなりに上位の魔術を使用しているのだとすれば今はまだ調べるには早いかもしれない。

まずは基本の習得が優先だからな。

ここまでの調査の結論として今考えるべき事はそれほど多くはないようだ。

まずはシールドの応用だろうか。

美弥の使っていた水の衣も一種の結界といえる。

雷に弱く凍結もしやすいが炎に対してはかなりの効果が期待出来る。

耐暑性能も高いだろう。

夏場は便利な魔術かもしれない。

なにより魔力の遮断がない為。

自身の魔術になんの影響もなく炎でも氷でも自由に使えるのは利点と言えるだろう。

そういう意味では攻守のバランスがとれていると言える。

結界に縛られずに自由に動けるというのはシールドと違って大きな利点だ。

こうなると属性結界も調べる価値はあると思う。

水の衣の他にも特殊な結界があるようだからな。

炎の壁。氷の鎧。土の盾など。

多種多様に色々な防御結界があるらしい。

調べれば調べるほど出てくる。

一時間程度調べものをしたところ、
ほぼ予想していた通りの結果になった。

第一に。

魔力という媒介があり、魔力を魔術という形にしているということ。

第二に。

防御魔術に関して様々な結界があるという事。

今回調べた範囲内だけでも何となく思いついただけの理論が正しかったことが証明された。

だからこそ、あとはどういった形で実証するのか?

それを考えるだけとなった。
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