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THE WORLD 作者:SEASONS

4月6日

225/4820

神崎慶一郎

《サイド:常盤沙織》

龍馬と別れたあとで。

私は毎日のように通っている研究室へと向かいました。

ここは『治療魔術研究室』と書かれた一室です。

『魔術研究所』の中にあるこの研究室では主に回復系魔術の研究が行われています。

怪我や病気の治療はもちろん。

身体の異常を正常化する魔術等の数多くの研究が行われている場所なのです。

基本的には生徒の立ち入りは認められていない研究所なのですが、
私には叶えたい夢がありますので理事長から特別に許可をとって参加させていただいています。

私が叶えたい『夢』

それはもちろん妹の『成美の目を治すこと』です。

この研究室に通うようになってからすでに1年以上になりますが、
まだ治療法は見つかりません。

何らかの原因で視力を失った人の治療は何度か成功させた事があるのですが、
生れつき目の見えない成美の目を治すことは今の所、失敗続きで解決の糸口さえ掴めていないからです。

一体どうすればいいのでしょうか?

そんな疑問を感じながらも今日も研究室の扉を開きました。

「おはようございます」

挨拶をする私に研究所の皆さんはいつものように暖かい笑顔と言葉で迎えてくれます。

「今日も来たか!感心感心!」

そう言って笑い声をあげたのはこの研究室の代表である『神崎慶一郎(かんざきけいいちろう)』さんです。

ルーン研究所の黒柳所長とはとても仲がいいそうです。

酒飲み仲間だという話を聞いたことがあります。

「おはようございます、神崎さん」

「ああ、おはよう。調子はどうかね?」

「良好だと思います」

「それは良いことだ。人間、健康が一番だからな」

再び笑顔を見せる神崎さんは学園でも屈指の魔術医師です。

今までに何度も奇跡的な治療を行ってきた実績を持っていて、
私が尊敬する魔術師の一人であり、私の目標でもありました。

「今日もよろしくお願いします」

「ああ、こちらこそ。一日でも早く目的が叶えられるよう、協力は惜しまないつもりだからな」

挨拶を終えた神崎さんは自分の席へと戻って行きます。

その後ろ姿を見送ってから私も用意された席に向かって自分の研究を始めることにしました。

ここでの時間は『成美の為』に使います。

それだけを思いながら、研究を再開しました。
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