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THE WORLD 作者:SEASONS

4月6日

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やってみようかな?

ぅ…ぅぅ…。

総魔の言葉を聞いた瞬間に、私は泣きそうになったわ。

やっぱり迷惑だったのかな?

きっと怒ってるんだよね?

恐怖が私の心を支配しようとしていたけれど。

その瞬間に総魔がポンポンと私の頭を撫でてくれたのよ。

「まあ、どこでどうしようと自由にすればいい。それよりも朝食はもう食べたのか?」

「へ…?」

予想していなかった質問だったこともあるけど、
緊張のせいか上手く答えられなかったわ。

「え?あ、うん。一応、食べてきたよ」

「そうか」

私の頭から手を離した総魔だけど。

私がいることを嫌がってるわけじゃないみたい。

「どうする?ついてくるか?」

投げ掛けられた質問に拒絶は感じられなかったのよ。

だから、私からも聞いてみることにしたわ。

「一緒にいても良いの?」

自然と聞き返してた。

たぶん、期待してるんだと思う。

傍にいさせて欲しいって思うから、甘えてるんだと思う。

だから、かな。

微笑んでくれた総魔の笑顔を見れただけで私の不安は一瞬で吹き飛んだのよ。

「好きにすれば良い」

うん!

怖くなんてなかった。

私は総魔の側にいても良いのよね?

そう思っただけで元気が沸いて来たわ。

でも、ね。

大丈夫って思えたのに上手く言葉にできない自分がいるの。

どうしてかな?

自分でもわからないけれど…。

「あ…」

「?」

言葉を詰まらせてしまった私を総魔が不思議そうに見つめてる。

ど、どうしようっ!?

総魔が見てるから、無様な姿は見せられないわ。

な、何か言わないとっ!

自分でも呆れるくらい焦ってばかりだけど。

どうしていいのかがわからなかったのよ。

どうすれば総魔は笑ってくれるのかな?

そんなふうに思った瞬間に出てきた言葉は…

「ぁ、総魔、おはよ~」

今更だけど挨拶だったわ。

自分でも何を言ってるのかが分からなくなってくる。

って言うか、泣きたくなってくる…。

まだ緊張してるのかな?

自分で自分が恥ずかしくなってきたわ。

「ほ、ほら、挨拶!挨拶してなかったから…」

慌てふためく私を見て、総魔が小さく笑ってた。

「ああ、そうだったな。」

「ぅ、ぁ、な、なんで笑うのよ~」

「いや、何でもない。」

「ぅぅ~」

「翔子」

「へっ?」

総魔に名前を呼ばれたこと。

ただそれだけで私の心が張り裂けそうになっちゃう。

「な、なに?」

「おはよう」

「ぁ、ぅ。ぉ、おはよぅ」

ただそれだけの言葉なのに。

ごく普通の挨拶なのに。

それなのに総魔が言ってくれたことがすごく衝撃的だったわ。

今まで総魔がまともに挨拶してくれたことなんてなかったから。

だからたったそれだけの言葉でも、すごく嬉しく思えたの。

悩んでいたことなんて全部忘れてしまうくらいに、幸せな気持ちになれたのよ。

「え、えっと、総魔はこれから朝食なんだよね?」

「ああ、そのつもりだ」

「うん。それじゃあ、行こう♪」

笑顔全開で総魔の手を取って歩きだす。

ちゃんと方角があってるかも分からないくらい色々なことで頭が一杯になってた私は、
ただ総魔と手を繋いで歩いているっていう幸福だけで十分過ぎるほど心の中が満たされてたわ。

これってもう、完全にあれよね?

恋に落ちたってやつよね?

出会ってまだ数日なのに、私の心はもう総魔しか見えないみたい。

そんな感じになってるのよ。

もちろん恥ずかしくて誰にも言えないけどね。

だけどこうしていられることが幸せだって思える自分がいるの。

だからこの幸せがずっと続いたらいいなって思う。

「総魔は今日もあの定食?」

「ああ、そうだな」

「今日は何かな~?」

「さあな。昨日の残り物だろう」

「だよね~。たまには違うのを食べてみたら?」

「特に食べたいと思うものはないからな。余り物で十分だ」

「えぇ~?十分かな~?」

そうは思えないけど、他を選ぶつもりはないみたいね。

これは本気で料理の勉強をしたほうがいいかもしれないわ。

総魔にちゃんとしたご飯を食べさせてあげたいからよ。

だけどそのためには謎の調理法を勉強する必要があるのよね?

少々とか適量とか、謎の目分量を、よ。

あれを覚えることって出来るの?

というか、覚えられるものなの?

未知の領域過ぎて手を出しづらいのよね…。

っていうか、失敗した場合どうすればいいの?

食べるの?

捨てるの?

そこからすでに分からないわ。

仮に成功したとしても総魔が喜んでくれるかどうかは別問題だし…。

そう考えると努力する意味さえ見いだせないわ。

だけど。

もしも総魔が喜んでくれるのなら…

やってみようかな?って思える気がしたのよ。
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