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THE WORLD 作者:SEASONS

4月5日

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諦めない

《サイド:御堂龍馬》

逆転不可能?

その宣告が心の中で何度も響き渡った。

確かに…。

もう打つ手がないのかもしれない。

これまでの攻防によってかなりの魔力を奪われた実感があった。

そして今も聖剣から魔力が奪われ続けている。

一度、均衡が崩れた以上はもう何をしても無理だ。

試合前の状態から考慮しても、
今の僕の魔力の量はすでに半分を下回っているはず。

対する彼の魔力はそれなりの消費が感じられるけれど全体の3割も消費していないように見える。

いや。

今現在も吸収されている魔力を考慮すれば、
彼の魔力はほとんど変化していないかもしれない。

場合によっては魔力の総量は万全な状態に近いかもしれないだろうね。

ここへきて圧倒的なほど魔力の量に差がついてしまったんだ。

このままでは勝ち目がない。

とはいえこの状況から脱する手段さえない。

徹底的に突撃の姿勢を見せる彼がここで退くとは思えない。

この状態からでも迎撃に成功させない限り距離をとることさえ難しいからだ。

どうする?

残る魔力を聖剣に込めて、魔剣との均衡を取り戻す。

その程度の考えしか思い浮かばないけれど。

仮に均衡を取り戻せたとしても、まともにぶつかり合えばまず勝ち目はない。

…かと言って魔術の効果も期待できない。

地震を止めることさえできず。

攻撃に転じる余裕もない。

もはや完全に打つ手のない状況なんだ。

悔しいけれど、翔子や沙織や真哉もこんな気持ちだったのかな?

今まで無敗で勝ち続けてきた自信が崩れ始める。

そして初めて敗北を実感した。

だけど。

このままでは終われない。

そんな簡単に諦められない。

まだだ!

「まだ勝負は決まってない!!!」

自分自身に言い聞かせて聖剣を握る手に力を込める。

最後まで諦めない。

その気持ちだけで無理やり魔剣を押し戻して立ち上がる。

地震の揺れなど気にしている場合じゃない。

どんな状況だろうと立ち上がるしかないんだ。

それが僕の役目なんだ。

毅然とした意志を見せつつ。

全力でエンペラーソードを構え直す。

「僕は諦めない!!!」

最後に残った意地を見せると、様子を見ていた彼が微笑んだ。

「面白い。ならば見せてもらおう。その意志の力を!」

魔剣に魔力を注ぎ込んでいた彼が最後の力を解放する。

「アルテマ!!」

究極の破壊魔術であるアルテマが放たれた瞬間に。

50を超える魔術の光がきらめいたように思えた。

まずいっ!?

危機を感じた時にはすでに手遅れだったのかもしれない。

魔剣と聖剣を中心として、
会場全域に届くほどの広範囲に暴虐な爆発が発生していたからだ。

その瞬間に試合場を守る防御結界が完全に吹き飛び。

検定会場の各地が原形を残さないほどに粉砕していく。

そして同時に全ての音が会場から消え去った。

キーンと鳴り響く耳鳴りだけが残り。

それ以外の一切の音が聞こえなくなったんだ。
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