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THE WORLD 作者:SEASONS

4月5日

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今日の日付

《サイド:米倉美由紀》

う~ん。

ここ数日、色々と考えることが多すぎて仕事が溜まりつつあるわね…。

天城君に関してまだまだやらなければいけないことがあるけれど、
ひとまず今は知事としての事務作業も進めておくべきかしら?

一応、沙織の説得は出来たわけだし。

そろそろ本業もやらないと、学園の運営どころか町の発展が止まっちゃうのよね。

もちろん代表としての仕事も後回しには出来ないし…。

はあ。

やらなければいけないことが多すぎて、とても全てに手が回らないわ。

まずは優先順位を考えて仕事を振り分けないといけないんだけど…。

机の上に溜まった書類を分類するために手を伸ばしてみる。

そして書類に目を通そうとしたところで不意に扉が『コンコン』と叩かれたわ。

「誰?」

誰が来たのかを問いかけてみると。

「黒柳だ」

すぐに聞き覚えのある声が聞こえたわ。

「ああ、大悟ね。どうぞ、鍵なら開いてるわよ」

入室を促したことで扉が開かれる。

部屋の外にいた黒柳の姿が確認出来たわ。

「大悟がここに来るなんて珍しいわね。どうかしたの?」

何か理由でもない限り、
普段はなかなか研究所を出てこないのよ。

そんな大悟が自分から出てきたことに驚いていると、
室内に入ってきた大悟は私に歩み寄ってからすぐに
一束にまとめられた報告書を差し出してきたわ。

「とりあえずこれを渡しておく」

「ん?これは何?」

書類の見出しには『拘束結界報告書』と記されているわね。

だけど昨日研究所で受け取ったものとそれほど違わないように思えるわ。

何か変わったのかしら?

ようく見てみると、作成日時の日付は今日に変わっていたわ。

だとしたら今日作成した書類よね?

…ということは、必然的に昨日見た報告書とは別物ということになるわ。

「何か変化があったの?」

直接天城総魔を実験台にしたとはいえ、
すぐに研究が完成するとは思っていなかったのよ。

あから次の大悟の言葉によって驚くことになってしまったわ。

「実験が完成した」

「…えっ!?」

突然の報告に驚いてしまう。

絶対に間に合わないと思っていたからよ。

それなのに完成したって言われたら驚くに決まってるじゃない。

「完成したのっ!?」

予想外に好転した事態によって自然と表情が緩んでしまったわ。

これまで失敗続きだったけれど、
ついに運が向いてきたって思えたのよ。

「拘束結界が完成したのね!」

「ああ。まだ多少の改善の余地はあるだろうが、大まかには完成したと言えるだろう」

大悟が説明を終えるよりも先に書類を奪うように手に取って、
一字一句漏らさぬように全ての内容に目を通してみる。

まあ、私は研究者でもなんでもないから
書類を見ただけで全てを理解することはできないんだけどね。

それでも大体の概要くらいなら十分に理解できるわ。

で、まあ、書類を読んでみた感想なんだけど。

確かに、これなら…って、私でも納得できる内容だったわ。

実験結果から導き出される結論として、
ほぼ100%と言ってもいいほどの効果が認められているようね。

そして対天城総魔用の拘束結界として使用可能であると書類には書かれているわ。

「本当に?」

確かめるように問いかけてみると。

「ああ、もちろんだ」

大悟は笑顔を崩すことなく、自信たっぷりに頷いてくれたわ。
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