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THE WORLD 作者:SEASONS

4月5日

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ここへ来たから

《サイド:御堂龍馬》

さて、と。

走り去る翔子の後ろ姿を笑顔で見送ってから、
再び書類に視線を落としてみる。

ここにあるのは翔子が提出した書類だ。

『天城総魔に関する報告書』

ここに書かれているのは翔子が天城総魔と戦ったあとまでの情報になる。

真哉が提出した昨日一日の情報も後半に記されてはいるけどね。

大半は翔子が調査した内容になるかな。

だから、というべきかどうかは分からないけれど。

今日の出来事はまだ知らないでいる。

真哉が試合をしに行ったことは知ってるけど、その結果はまだ聞いてないんだ。

どんな試合内容だったのかな?

試合内容を僕は知らない。

だからどちらが勝ったのかすら聞いてない。

だけど、答えは聞かなくても分かる。

翔子がここへ来たからね。

分かってしまうんだ。

試合の準備の為に翔子は来た。

その事実で真哉が敗れた事は分かってしまう。

試合内容は不明だけど天城総魔は真哉を倒して最後の試合を目指しているようだ。

「勝てるかな?」

自分自身に問い掛けてみる。

「真哉でさえ惨敗だったとすると、少し厳しいかな?」

それでも自信がないとは言わない。

勝つつもりでいるからね。

だけど不安がないわけではないかな。

真哉と僕の実力にそこまで大きな差はないんだ。

だから真哉が敗れたのであれば僕でも勝てない可能性はあると思う。

「情報はあるけれど、情報しかないともいえるからね」

天城総魔の試合を見た事が一度もない。

どんな戦い方でどんな能力を持っているのかな?

書類に書かれた情報だけでは、全てを知る事なんて到底出来ないと思う。

「警戒しておくべきだろうね」

決して油断出来る相手ではないと自分に言い聞かせるように書類の束を握り締める。

「そう簡単に負けるつもりはないよ」

誰に聞かせるでもなく。

一人きりで呟いたあとで午後の試合に向けて準備を進める事にした。
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