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THE WORLD 作者:SEASONS

4月5日

156/4820

特風会

《サイド:美袋翔子》

さて、と。

ようやく校舎の屋上にたどり着いたわね。

この屋上には私達が時々使っている休憩室があるんだけど、
その隣にはもう一つ部屋があるのよ。

どちらかといえば、休憩室よりもこっちに来ることのほうが多いかな。

正式名称は特別風紀委員専用会議室。

通称、特風会とくふうかいって呼んでる部屋なんだけど、
私と沙織や真哉以外の部員はこの会議室に集まっているわ。

本来なら総魔が試合で倒した由香里や桃花達も本来はこの会議室に集まるのよ。

今は意識不明の状態で医務室で眠ってるけどね。

そのせいで人気ひとけの少ない会議室だけど、今回の目的はこっちなのよ。

まあ、ここに来るのってひさしぶりだけどね。

理事長室に行くことはたびたびあったけれど、
本来在籍しているはずの会議室にくるのはかなりひさしぶりに思えるわ。

たぶん、軽く一週間以上は来てなかったんじゃないかしら?

そもそもここへ来なきゃいけないっていう義務がないから滅多に来ない場所なんだけど、
ここ一ヶ月の間は数えるくらいしか来てなかったと思う。

だから、っていうわけじゃないけど、それなりに気にはなるわね。

みんな元気にしてるのかな?

現在『特風』に所属しているのは14人よ。

学園1位の御堂龍馬を筆頭として、
真哉と沙織と私が所属しているんだけど。

実は他に10人の生徒も所属してるわ。

総魔がどこまで気づいてるかは知らないけどね。

総魔が戦った和泉由香里いずみゆかり矢野桃花やのももか

それに岩永一郎いわながいちろう大森遼一おおもりりょういちも特風に所属しているのよ。

だからこの4人も私の同僚ってことになるわね。

まあ、厳密に言うと部署が違うからあんまり関係ないとも言えるんだけど…。

一応、仲間であることに間違いはないわ。

…で。

部署に関して説明すると、まず私は諜報ちょうほう担当ね。

主な任務は情報収集と対象の追跡になるわ。

学園内で問題を起こしそうな生徒や教師を探し出して危険度を判断するのが私の仕事なのよ。

一応、部下として二人いるわ。

一人は補佐的な役割の男子がいるんだけど、
あんまり会うことがないからどこで何をしてるのか私も知らないわ。

で、もう一人が総魔に負けた和泉由香里ね。

彼女は私の直属の部下なのよ。

まあ、明確な上下関係があるわけじゃないから私達三人で諜報部って感じね。

で、沙織は医療担当よ。

私達にとって薬箱的な存在だけど、補佐として女子生徒が一人ついてるわ。

で、もちろん真哉は戦闘部門ね。

岩永君と大森君は真哉の部下で、
学園内で喧嘩や暴動が起きたら即座に鎮圧に向かうのが主な仕事になるわ。

で、桃花は分析班の責任者よ。

その下に二人の部下がいるんだけど、
総魔の能力に関して分析をしてもらったのは部下の方だったりするわ。

桃花は別件で忙しそうだったから総魔に関する任務には声をかけなかったのよ。

まあ、そんな感じでそれぞれに役割分担してるから全員と会うことってなかなかないし。

たまに会うのも一部だけって感じなのよね~。

だから全員と仲が良いかっていうとそうでもないけれど、
それでも戦力として考えれば学園最大派閥なのは間違いないと思うわ。

特風の下には通常の風紀委員があるから学園内では最大規模の委員会なのよ。

生徒会や保健委員もそれなりに大きいけど風紀委員には負けるでしょうね。

学園の治安維持を最優先させるために構成された風紀委員は戦闘能力の高い生徒が多く在籍してることもあって、
そこそこの実力を持つ生徒にとって風紀委員は一種の名誉みたいな感じになってるから部員数がかなり多いのよ。

まあその分、性格に問題のある生徒も多いんだけどね。

その辺りの内部監査も私の仕事になるわ。

だから、って言うほどでもないけど。

基本的に特風に所属する条件はかなり厳しかったりするわ。

各部門において優秀な成績を持っている事は当然だけど、
治安維持の為に苦労を惜しまない正義感を持つ事が絶対条件なのよ。

特風は理事長直轄の特殊部門だし、
結構無茶な指令もあるから性格面が何よりも重視されるの。

そういう意味では沙織が特風に所属しているのは当然の流れと言えるでしょうね。

才色兼備さいしょくけんびで超が付くくらい真面目な性格だから、
治安維持にうってつけの逸材いつざいだと思うわ。

ん~?

私?

私は正直に言って治安維持とか興味ないんだけど、
沙織と仲がいいから協力してるって感じね。

特風に入ったのも沙織に誘われたからで、自分から志願したわけじゃないわ。

だから個人的には無所属の方が気が楽でいいんだけど、
学園中の情報を一手に握ってるっていう今の立場もそれなりに気に入ってるかな。

どこかで誰かが何かを企んでるとか、
どの生徒がどの教師と付き合ってるとか、
誰が誰を嫌ってるとか、
成績から趣味に関する情報までありとあらゆる噂話を知ってるっていうのはそれなりに楽しかったりするのよ。

もちろんその辺りの個人情報をべらべらと喋ったりすることはしないけどね。

情報を握ってるっていうだけで楽しかったりするのよ。

ってまあ、そういう理由で今の役目を続けてたりするんだけどね。

ありとあらゆる任務を適確に処理する必要があるから、
ある程度の事態に対処出来るようにかなりの権限も与えられているという部分も大きいわ。

特に私の場合は任務の都合上。

学園内において『行けない場所』は一切ないし。

『知らないこと』は何もないのよ。

学園が保管してる禁書とかも簡単に見れたりするくらいだしね。

まあ、見たところで内容が理解できないから意味がないんだけど…。

と言うか、理解できないと思われてるからこそ閲覧許可が出てるのかもしれないけどね。

でもまあそういう利権もあるから特風の権限を悪用しないことも所属の条件になっているのよ。

で、それらの条件を全て達成しているのは2万人を超える生徒の中でわずか14人だけってこと。

他にも候補者は沢山いるみたいだけど。

少数精鋭を公言しているために私達主力4人とは別に僅か10人だけが選抜されて所属しているのが現状なのよ。

…とは言っても元々が風紀委員の一員だから、
風紀委員全体は数千人規模の巨大組織よ。

特風の下に通常の風紀委員があるからこそ、
私一人では集められない情報を簡単に集めることができるの。

まさに人海戦術よね。

総魔の追跡が簡単にできたのも数多くの仲間がいたからよ。

学園や町の治安維持の為に行動を共にする数多くの仲間が存在しているのが風紀委員の最大の長所だと思うわ。

で、今日は何人居るのかな?

ここに来たのにはもちろん理由があるわ。

捜している人物がここにいると聞いたからよ。

だから最低でも龍馬はいるはずなの。

学園1位の御堂龍馬。

彼は私の直属の上司でもあるわ。

私の、というか沙織にとっても真哉にとってもそうなんだけど、
特風の責任者だから風紀委員全体の委員長でもあるのよ。

以前、研究所で龍馬のことを委員長って呼んでたのはそれが理由ね。

本人は委員長って呼ばれるのが苦手みたいだけど、
実際にそうなんだから嫌がるのはおかしいと思うのよね?

学園の委員会に参加するときには風紀委員の委員長として参加してるわけだし。

堂々と委員長を名乗ればいいと思うんだけど、
龍馬が自分で委員長って名乗ってるのを見たことはほとんどないわ。

まあ、風紀委員の一部っていっても部室に行くことはほとんどないし、
ほとんど別の部署みたいな感じになってるから名乗りにくいのかもしれないけどね。

そんな龍馬だけど、
総魔が目指している頂点に君臨する最強の生徒なのよ。

現時点では総魔もそうだけど。

龍馬も無敗の王者なの。

学園の『内外』を問わず、一度も敗北したことがないわ。

理事長にとっても特風にとっても最後の切り札といえる人物でしょうね。

で、まあ。

龍馬と対戦して最強の座を手に入れることが総魔の目的になってるわけだけど、
二人の試合を実現させるのが今の私の役目なのよ。

だから試合の予定を話さないといけないの。

総魔との試合を行う為に龍馬と交渉する。

その為に龍馬を探してるんだけど、
会議室の中を覗いてみると、期待通りに龍馬がいたわ。
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