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THE WORLD 作者:SEASONS

4月5日

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追求

《サイド:常盤沙織》

医務室を出たあと。

理事長室にたどり着いた私は執務中だった理事長と向かい合うことにしました。

「度々お邪魔して申し訳ありません」

「それは良いけど、今朝来たばかりなのに今度はどんな用件かしら?」

ここへ来た理由を尋ねてくる理事長ですが、
その心情は穏やかではなさそうですね。

決して喧嘩別れしたわけではないのですが、
現状として対立関係にある私が理事長室に乗り込んできたのですから。

空気が重たくなるのを嫌というほど感じるのも仕方がありません。

少し緊張した雰囲気の理事長に対して、
私は少し冷めた視線を向けながら話を始めました。

「お聞きたい事があってお邪魔させていただきました」

まずは聞きたいことがあると宣言しました。

そして一度だけ深呼吸をしてから話を続けます。

「先ほどの試合において行われた本当の実験内容を教えていただけませんか?」

「!?」

質問を投げかけた瞬間に理事長の表情が引きつったように見えました。

やっぱり、隠していたようですね。

理事長の態度を見ただけでその確信が持てました。

「説明、していただけますよね?」

「な、何のことかしら?急に聞かれても思い当たることなんて、な、何もないわよ?」

なんとか冷静さを保とうとしているようですが不自然さが隠しきれていません。

抑え切れない心臓の鼓動の高まりを自分自身でも感じているのではないでしょうか?

動揺を隠そうとして艶やかな唇を小さく噛み締めています。

はあ…。

やっぱり、そうなのですね。

理事長の表情を見ただけで確信できました。

理事長が唇を噛みしめている時。

それは必死に考え事をしている時です。

たぶん、私がどこまで勘づいているのかを考えているのではないでしょうか?

そんな理事長の態度を眺めながら、話を続けてみることにしました。

「教えていただけないのですね。ですが、天城君からは話を聞いています。」

「か…彼が何を言ったの?」

「先ほどの試合において魔力への『干渉』および『妨害』が行われていたと証言しています。ですが、そういった研究を行っているという報告は受けていません。」

「!」

追求を続けるごとに理事長の顔色が変わっていきました。

どうやら天城君の推測は正しかったようですね。

「もちろん、龍馬からもそういった話は聞いていません。今回の件に関しては龍馬にさえも無断で実験を行っていたと判断してよろしいのでしょうか?」

「そ、それは…っ!」

言い訳すら思い浮かばずに慌てる理事長の態度から、
私の指摘が正しかったことが判明しました。

「さすがに今回の件は目に余る行為だと思います。私達…いえ、龍馬にさえ知らされる事のなかった実験となれば、場合によっては天城総魔に関してのみでなく、理事長とは完全に『決別』という可能性も有り得ます」

「…ぅぅ。」

学園に対する宣戦布告ともとれる発言ですが、
その言葉を宣言したことで理事長は完全に沈黙してしまいました。
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