挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
THE WORLD 作者:SEASONS

4月5日

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

147/4820

性格

そして医務室を出てからおよそ20分後。

学園の北側に建てられている魔術研究所へとやってきた。

ここに来るのは二度目だが、
目的としている場所はこの施設の地下だ。

魔術研究所の地下には特殊な魔術を研究する特別な部署がある。

通称【ルーン研究所】と呼ばれる場所だ。

名前だけで判断するならルーンを研究する場所ということになるのだが、
実際におこなっている研究はそれだけではないだろう。

先程の検定試験会場での出来事もそうだが、
本来の業務から離れた特殊な研究も行われているようだからな。

むしろそういった特殊な研究を行う為に存在するといったほうが正しいのかもしれない。

表向きには『ルーンの研究』を行っているのだとしても、
実際には極秘の実験を多数抱える研究部門なのだと思う。

活動内容の多くがルーンの調査および開発による情報収集だとしても、
実際には何者かの指示の下で表沙汰にできない研究を行っているのだろう。

今回のように学園の治安維持の為の緊急的な研究など、
通常の研究では間に合わないような実験を一手に任されていると考えるべきだ。

だからこそ。

魔術研究所ヘと足を運んで地下にあるルーン研究所へと向かうつもりでいた。

「通ってもいいか?」

研究所の受付で確認してみると、以前もここにいた職員が対応してくれた。

「確か、天城総魔さん、でしたっけ?今日も地下ですか?」

「ああ、ルーン研究所に用がある」

「そうですか。本日は許可を受けていませんが、通すなとは言われていませんからね。まあ良いでしょう。他の部署に迷惑をかけないようにだけは注意してください」

「ああ、分かった」

「ありがとうございます。それではこちらの通路をお通りください」

受付で許可を得てから研究所の内部に歩みを進めることにした。

すでに一度通っている道のりだからな。

迷う事なく地下を目指せる。

入口から延びる通路を通り過ぎてから長い階段を下りてルーン研究所へと歩みを進めていくのだが、今回の目的は黒柳大悟に実験について話を聞くことだ。

ただ、俺の場合、翔子や沙織とは考えが違うかもしれない。

どういう目的があるかに関係なく実験そのものを否定するつもりがないからな。

それよりもむしろ。

魔力に干渉する実験の理論に興味を惹かれていると言ってもいい。

わざわざ研究所まで来た理由は実験に協力する為だ。

とは言え。

実験の内容に関して今はまだ仮説でしかないからな。

本当に仮説通りの実験が行われているのかは分からない。

その辺りを確かめる意味でも研究所に足を運んでいるところだ。

地下にたどり着いた。

だが受付には誰もいなかった。

たまたま席を離れているのだろうか?

それとも、普段から誰もいないのだろうか?

前回は黒柳が出迎えてくれたから何も思わなかったが、
普段はどうなっているのだろうか?

よく分からないままルーン研究所の受付を通り過ぎて目的の場所へと進んでみる。

誰かに遭遇したら道案内をしてもらおうと考えていたのだが。

運が良いのか悪いのか、
途中で誰かに出会うことはなかった。

誰もいないのだろうか?

さきほどの検定試験会場での実験の関係で職員が出払っている可能性があるとしても
誰とも出会わないのはどうなのだろうか?

研究所の警備に関しても疑問を感じてしまう。

普段からこういう感じなのだろうか?

色々と疑問を感じるものの。

数分ほど歩いた先で目的地へとたどり着いた。

ここは以前に一度だけ来た事のある部屋だ。

扉には『所長室』と書かれている。

おそらくは多忙を極めるであろう黒柳だからな。

普通に考えれば今はいないかもしれない。

そんなふうに思いながらも扉をコンコンと叩いてみる。

一瞬の静寂が訪れて、
やはり留守かと思ったその瞬間にガチャッと扉が開かれた。

扉の向こうに立つのは間違いなく黒柳大悟だ。

姿を見せた黒柳と正面で向かい合ってみる。

突然の訪問に驚いたのか、
黒柳はポカンと口を開けて停止していた。

「………。」

そしてそのまま数秒間が経過した。

黒柳からすれば予想外の出来事だったのだろう。

一時停止した頭脳を無理矢理動かそうとして余計に混乱しているように見える。

どう対処するべきか悩んでいるようだな。

必死に頭を働かせようとする黒柳だが、
ここは先手をうって話しかけることにした。

「突然で悪いが、さっきの試合で行っていた実験について話が聞きたい」

「!?」

俺の言葉を聞いたことで、
停止していた頭脳がようやく動き出したようだ。

「あ、ああ、なるほどな…」

明らかな動揺を見せていた表情をなんとか取り繕おうとして冷静を装う黒柳だが、
普段の笑顔を浮かべようとしていてもどこかぎこちなさが残ってしまっている。

どうやら嘘をつけない性格は黒柳も同様のようだ。

「実験の話か。その辺りに関してなら、西園寺君から説明があったはずだが…」

話の流れを変えようとする黒柳だが、その前に追求を続けることにした。

「俺が聞きたいのはもう一つの実験に関してだ。実験内容は『魔力への干渉』および『魔術の停止』で間違いないな?」

「っ!?」

推測は正しかったようだな。

驚く黒柳の表情を見ればすぐに理解できた。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ