挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
THE WORLD 作者:SEASONS

4月2日

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

12/4820

対戦成績

新入生や上級生など学年は様々なようだが、
彼らも検定を受けるつもりなのだろう。

すでに並んでいる生徒達の列に並んで順番を待ち、
外にいた係員に言われた通りに受付の女性に話し掛けることにする。

「今から試合をしたいんだが、どうすればいい?」

「あ、はい。試合の手続きですね。それでは生徒手帳を見せていただいてもよろしいですか?」

「ああ」

聞かれてすぐに生徒手帳を差し出すと、
生徒手帳の裏表紙を確認してから内部を確認してからすぐに手帳が返却された。

「ありがとうございます。20393番、天城総魔さんですね。こちらの参加者名簿をごらんください」

どうやら生徒番号の確認をしたかったようだ。

生徒手帳の背表紙には生徒番号と氏名が印字されているので、
それを見て生徒の判別を行っているのだろう。

笑顔もなにもないまま事務的に差し出された名簿を眺めてみると、
格上となる生徒達の番号と氏名が数多く記されていた。

おそらくここから対戦相手を選べということだな。

それは分かるのだが、
どういう基準で選べばいいのかがわからない。

そのため。

少し悩んでしまったせいか、
俺の様子を眺めていた受付員が話しかけてきた。

「ここは初心者用の会場ですが、試合に慣れるまでは無理をせずに慎重に選んだ方がいいと思いますよ。特に初戦であればなおさらです」

まあ、そうだな。

言い分は理解できる。

だがそれよりも気になる発言が一つあった。

「初戦か、確かにそうだが試合の記録も残しているのか?生徒番号を見ただけでは分からないだろう?」

「いえ、分かりますよ。生徒手帳には白紙のページが沢山ありますよね?」

「ああ、あるな」

先程、確認していた部分だ。

生徒手帳には20ページほど白紙の部分がある。

「試合を行ったあとに、その余白部分に試合の経歴が全て記されていきますので何も書かれていない状況だと試合経験がないのは一目で分かりますよ」

ああ、そうか。

なるほど。

そのための空欄なのか。

「つまりここを見れば今までの試合結果が分かるということだな」

「ええ、そうです。ですから背表紙の生徒番号を偽造しても対戦記録との照合に不審な点があればすぐにバレてしまいますので、誤魔化したり、だますようなことはできません」

「対戦記録の偽造を行う生徒がいるのか?」

「いなかったとは言えませんね。ですが生徒手帳の記録を書き換えることに意味はありません。全ての記録は学園が保持していますし、その記録を生徒手帳に書き記しているだけですので、対戦成績を改ざんしても学園の記録は書き換えられません。むしろ、係員に見つかり次第、失笑の的になるだけです。ただ、校則に違反するというほどのことではありませんので、見栄を張るのは自由ですけどね」

生徒手帳の記録を改ざんすることはできるようだが、
学園の記録を変えられるわけではないので偽造そのものは不可能らしい。

それこそ他人に見られても恥ずかしくないように見栄を張る程度の意味合いしかないだろう。

もちろん試合の敗北数よりも勝利数が上回ってさえいれば見栄を張る必要はないとは思うのだが、
敗北が続いてしまえばそんなくだらない虚勢を張る生徒も出てくるのかもしれない。

「あ、あと、一応言っておきますが、偽造が判明した場合はその旨を校舎の入口にある掲示板に書き記されることになりますので恥ずかしい思いをしたくなければそういうことはしないほうがいいですよ」

「つまり、その掲示板を見に行けば恥をさらした生徒がわかるということだな?」

「ええ、新入生がやりがちなことですので」

ああ、確かにそうかもしれないな。

詳しい事情を知らなかったり、
あるいは見栄を張って生徒手帳の記録を偽造しようとする生徒がいるとすればそれはほぼ間違いなく新入生だろう。

そしてこれまでの流れを考えればすでにいるようだ。

偽造が発覚して名前を公表された人物がすでにいることになる。

だからこそこれ以上の問題が起きないように前もって警告してきたのだろう。

「ちなみに偽造が発覚したのは何人だ?」

「現時点では5名です」

約1000人の新入生の中ですでに5人が発覚しているらしい。

割合的には少ないが入学早々恥をさらした5人の生徒はすでに学園に居づらくなっているかもしれない。

まだ見つかっていない生徒はいるかもしれないがしばらくすれば偽造が無駄な努力だと気付くだろうな。

やがて偽造問題は沈静化するはずだ。

「記録に関してはわかった。とりあえず試合をしたいんだが、名簿の中から誰を選んでもいいのか?」

「はい。どなたでも構いません。ただ、先程も言いましたが最初は無理をしないほうがいいですよ」

ああ、そうだな。

直近で良い。

ひとまず係員の忠告の言葉を聞き入れることにして名簿の中で最も番号の近い20382番の生徒を指名することにした。

「この生徒で頼む」

「はい。ご指名は柊健一(ひいらぎけんいち)さんですね。本日はまだ下位対戦が行われていませんので挑戦を許可します。試合場E-2番へお向かい下さい」

対戦相手の名前を指差しただけであっさりと手続きが終わったようだ。

試合場に向かうのはいいのだが、
こんな簡単な手続きでいいのだろうか?

「手続きはこれだけか?」

「ええ、そうですよ。あとは試合をしていただいて、その結果報告を受けてから生徒手帳に記録を書かせていただきますので試合が終わったらもう一度受付に来てください。」

本当にもう何もしなくていいらしい。

「あ、一応伝えておきますが、結果報告は私じゃなくても良いですよ。他の受付でもできますので空いている受付で生徒手帳の更新をしてください」

「ああ、分かった」

ひとまず試合を行って、
試合結果の情報を生徒手帳に記録する。

そこまでの流れさえ理解できればあとは迷うことはない。

受け付けに張り出されている会場内の地図を確認してから目的の試合場へと向かうことにした。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ