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THE WORLD 作者:SEASONS

4月1日

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男子寮

ふう。

今日はかなり歩き回った気がするが、
ようやく男子寮へとたどり着いた。

検定会場を離れてからすでに1時間ほど経過しているだろう。

一度、食堂に向かい。

夕食を済ませてから寮に向かったことで時間がかかったのだが、
他には寄り道せずに12棟ある男子寮の一つに用意されている自室に入った。

現在、監視者の気配は完全に消え去っている。

寮に入った直後に気配を感じなくなったことを考えると、
どうやら寮の内部まで追ってくるつもりはないようだ。

寮は全て個室だが風呂とトイレは各階毎に共同のために監視する機会はいくらでもあるはずだ。

それでも現時点ではそこまで徹底するつもりはないらしい。

直接干渉してこないことを考えると人間性の確認よりも実力の調査と考えるべきかもしれない。

俺の過去や人間性を知るための監視ではなく新入生首席の実力を観察するための監視だと考えるべきだろう。

必要に応じて追跡はするようだが基本的には検定会場での試験内容の調査が最優先だと思われる。

そう考えれば、先程検定会場に先回りされていた理由も説明がつく。

俺が試合をした場合に調査するつもりでいたのだろう。

だとすれば当然、
明日もあの会場で監視がつくということだ。

俺と監視者。

両方の目的地が共通しているために24時間追跡する必要がないと判断されているのかもしれない。

だからこそ盗聴の必要はないという判断なのだろう。

自室に入った当初は上下左右に隣接する各部屋を警戒してみたものの。

壁や天井の強度を考慮すると盗聴の危険性はなさそうだ。

特殊な仕掛けがあるとは考えにくいが、
そこまで気にする必要はないと思う。

学園の寮は各階100人ずつの10階建てで俺の部屋は8番目の男子寮の3階になっている。

部屋割り事態は学園が決めたものだ。

意図的に罠を仕掛けることは容易だと思うが、
そこまでするくらいならもっと別の方法があるだろう。

だから罠はないと考えることにした。

そもそも2万人もの生徒が利用する寮だからな。

部屋そのものは小さめだが騒音による騒ぎを回避するために防音効果は万全のように思える。

実際に感じる範囲で言えば隣の部屋の物音一つ聞こえないからな。

わざわざ自室内で息を潜めて行動しているとは考えにくいので上手く防音機能が働いていると考えるべきだろう。

個人的には騒音に関してあまり気にしない性格なのでどちらでもいいとは思う。

なおかつ。

特に荷物らしい荷物を持ってきていないので寮の機能や設備にもそれほど興味がない。

室内は備え付けのベッドと引き出し付きの簡易的なテーブルだけだ。

そんな質素な部屋でやるべきことはほとんど何もない。

部屋の隅にあるテーブルに手荷物を全て並べてから明日のための着替えを用意しただけでやるべきことがなくなってしまう。

さすがに初日はこの程度だろうな。

良くも悪くも出来ることは限られている。

それでも最低限の情報を得られただけでも良しとするべきだろう。

一息ついてから今日はそのままベッドに横になることにした。

調査はもう十分だ。

ひとまず試合は明日から行おう。

そんなふうに判断してから目を閉じて今後の方針を考えてみる。

まずは肝心の試合に関してだ。

検定試合において自分よりも格下との試合は1日1回限り強制力を持つらしい。

相手から試合を申し込まれれば断る事が出来ないために無条件で試合を組まれてしまうようだ。

この制度は長所でもあり短所でもあると思う。

もしもこの制度がなければ格下が上位に挑むことが難しくなるだろう。

上位を目指したくても対戦相手に嫌だと言われて相手にされなければ試合にならないからな。

だからその状況を回避する為にこの制度を利用することで強制的に上位の生徒と生徒番号をかけて争うことができるようになる。

とはいえ、強制は一戦だけだ。

何度も格下を相手にする必要はない。

おそらくは連戦による虐めまがいの試合を出来ないようにする為の措置という事だろう。

反対に格上との試合は何度でも出来るようになっている。

敗北しても失うものはないが、
敗北直後に格下から挑戦を受けた場合はさらに敗北して番号を奪われる可能性がある。

もちろんその程度の敗北なら翌日にでも再戦して番号を取り返せばいいだけなのでそれほど難しく考える必要はないだろう。

問題はどの程度の試合が出来るか?なのだが。

格上に挑戦しようにも先に誰かが挑戦してしまっては格下1日1回の条件により挑戦を回避されてしまうかもしれない。

かといってより上位の生徒に挑んで勝てるかどうか。

そのあたりはとにかく一度でも格上との試合をしてみない事にはどの程度の実力差なのかは想定する事さえ難しいと思う。

明日、もう一度検定会場に行って実際に戦ってみるしかない。

そこまで考えてから、今日はそのまま眠りにつくことにした。
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