第5.5話
「「へっ?誰?」」
いきなりそんなこと言われた。
『司ですよ?』
眼鏡をしてないから、どれが夏月さんかわかりにくい。
「ホントに司くん?あぁ・・・水に落ちたから・・」
そんな、ら○ま1/2じゃないんだから・・。
『いぇこれが素顔なんですが・・』
何とかイルカショーを終え濡れた僕はスタッフルームへ案内された。
『へっくし!!』
「ああ、こっちのシャワールーム使って。服は洗濯するから置いておいて」
イルカの調教師のお姉さんが言う
『はい。』
がちゃ
ん?これが蛇口でお湯はこっちだな・・眼鏡ないと不自由だな〜
蛇口をひねる
ザァー
『温か〜い』
そういえば代えの服と下着どうしょう・・・
「代えの服と下着ここにおいとくね〜」
『あっ、はい。ありがとうございます。』
「ごめんなさいね今日は、」
『いぇ、こっちの不注意だったんで・・・気にしないで下さい。』
「ありがと・・・」
ガチャ
シャワーを浴び終わり服を見る
これ全部売店で売ってるやつだ。魚がプリントされてる…。
「着替えた?」
『あっはい。』
「じゃあ、こっち来て?」ソファーに座る
「今日は本当にごめんなさい。あとコレ」
壊れた眼鏡と家の鍵と濡れた財布を渡される。
『げっ…これは見事に壊れてますね。』
レンズにヒビ。フレームぐにゃぐにゃ。えぇっと家にコンタクトレンズあったよなぁ…。
「携帯電話は見つからなかったの…ごめんなさい。」『あぁー僕、携帯持って無いんですよ。』
「えっ!?そうなの?珍しいわね。あと濡れた服は後で送るわね。住所教えてもらっていい?」
『あっはい。』
メモに書いて渡す。
『もう戻っていいですか?』
「あ、うん。今日はごめんね。あと、ご来店ありがとうございました。」
よく謝る人だなぁ…なんて思いながらスタッフルームを出る。
『どうしよ?夏月さん達どこだろ?』
キョロキョロしてると。
「司ちゃん?よね多分…」後から声がする
『その声は夏月さん?』
「正解〜。災難だったわね。」
『えぇ。あれ?秋菜ちゃんは?』
「寝ちゃったわ。はしゃぎ過ぎたんでしょうね。」
『そうですね。閉館時間も近いし、そろそろ帰りますか?』
「そうね。帰りましょ。」
後部座席ではスースーと秋菜ちゃんが寝ている。「司ちゃん?起きてる?」『えぇ。』
「今日は楽しかった?」
『はい楽しかったです。夏月さんは?』
「楽しかったわよ?司ちゃんの顔見れたし〜」
『えっ!?』
「こんなに綺麗だったなんてね〜。女の子と間違えちゃうくらい。」
『からかわないでください。見慣れた顔なんで特に何も思わないんです。』
「へぇ〜お化粧したら完璧に女の子なのに…。」
『怒りますよ?女の子みたいって小さい頃凄まじく言われた台詞なんですから…。』
「あらあら、ごめんなさいね。」
『そこ笑いながら謝らない!』
家に着く
『今日はありがとうございました。』
「どういたしまして。」
辺りはもう暗い。
「ねぇ司くん?」
『はい。』
「私ちゃんとあの子の母親に、なれてるかしら…」 『えっ!?』
「不安なのよね」
『突然な質問ですね。』
「ええ、何となく司くんに聞いてみたくなって…。やっぱり父親がいないと駄目かしら…」
『んーわかりません。僕らはずっと爺さんに育てて貰ってたんで…。』
「そっか…。変なこと聞くけど両親がいたらな…。とか思わなかった?」
『無いですね。爺さんだけで充分でしたよ。だからあんまり気にしない方がいいですよ。』
「うん。悩んだってしかたないか……。よし!頑張る。」
『その意気です。それにその気になれば夏月さん美人だから簡単に旦那さん見つかると思いますよ?』
「またお世辞?」
『いえ…。本心です。』
「ふーん。なら司くん貰おうかしら…美人だし、家事もできるし、優しいし…」
『またまた御冗談を…それにまだ僕16デスヨ?』
「気にしないわよ。」
『えっと…その…』
司はまごまごしている。
「…冗談よ。(少しね)」
『その冗談は勘弁してください(泣)』
「フフッ。今日は色々とありがとう。またね」
バイバイと手を振って帰って行く夏月さん。
『……疲れた。帰って寝よ。』
今日は早めに寝ようと思った司でした。 |