猫
「兄よ」
「なんだ。兄は今バイトを終えて疲れている。
飯はコンビニ弁当を買ってあるからソレを食え」
「その弁当ならすでに食べた。足りないがな。
それはともかく四の五の言わず、まずコレを見ろ」
「青森のりんごがどうした」
「誰がダンボールを見ろといった。中身を見ろ中身を」
「・・・・・・・猫?」
「猫だ」
「猫だってお前、コレ何処で拾ってきた」
「家の前に置いてあった。ラッピングされて」
「ラッピングとはまた。ダンボールをラッピングってお前。
世の中には妹みたいなセンスをした奴らが居るものなのだな。
急に社会にでるのが怖くなってきた」
「それはどういう意味だ?」
「そういう意味だ。恐らくお前の解釈であっている」
「猫アタック」
「うぉぃ。猫を投げるな。猫を。
生き物で遊んではいけないと習わなかったのか貴様」
「ダンボールアタック」
「猫ガード」
「おい兄よ」
「なんだ妹」
「私が言うのもなんだが自分の台詞を振り返れ」
「咄嗟にやってしまったのだ。事故だ事故。俺に罪はない」
「どう考えても猫ガードといっているではないか。
故意だ故意。罰が悪いからといって苦しい言い訳をするな。
そうやって言い訳を積み重ねて人間は汚くなっていくのだぞ」
「妹に説教されてしまったぞ猫よ」
「ニャー」
「苦しくなったからといって猫に逃げるな」
「むぅ・・・スマン、猫」
「ミャー」
「時に兄よ。その猫飼ってもいいな?」
「相変わらず人に物を頼む態度じゃないな。
いいなってすでに確信済みの上にずいぶんと高圧的だな」
「何、今更飼わないといわれても大量に仕入れた猫缶の処理に困る」
「・・・・・なんだと?」
「アレを見よ」
「・・・・・・・」
「どうだ」
「いくら注ぎ込んだ?」
「兄の5か月分のお小遣い」
「・・・・貴様、まさか俺の豚さん貯金箱を割ったな?」
「あぁ、兄が持つには可愛すぎて前々から不快だと思っていたのだ。
撤去する丁度良い機会だし猫缶も買えてオールハッピーだ」
「豚さんの仇。猫アタック」
「きゃぁ」
「・・・・・・え?きゃあ?」
「・・・・・クッ」
「妹よ。今の悲鳴はまさか貴様か?貴様なのか?
そんなはずないよな?そんなわけないよな?
まさか貴様のような性別不詳の暴君がきゃあはないよな?」
「クッ・・・・猫缶アタック」
「待て待て。分かった今のは聞かなかった事にしてやる。
だから猫缶を投げつけるのをやめろ。
猫缶だって何だって時速120kmオーバーで投げたら凶器だぞ」
「ニャー」
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