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兄と妹えぶりでい
作:七色



卵焼き


「兄よ。何だコレは」

「何だ妹。世間知らずだとは思っていたがそこまでなのか?
これは卵焼きといって卵を溶いてお好みで味付けしフライパンで焼いた食べ物だ」

「それくらい知っている。馬鹿にしているのか」

「まさに」

「猫アタック」

「猫キャッチ。食事中にモノを投げるな」

「論点はそこなのか。やはり兄も頭のネジが足りてないな」

「兄も、という事はお前も一応変である自覚あったのだな」

「揚げ足を取るな」

「箸を投げるな。目に刺さったらどうする」

「むしろ目を貫い――――だ」

「なにやら重要な部分が聞こえないのだが」

「食事中には不適なモノだったため私の本能がシェルターをかけた様だ」

「妹よ。お前は変なところで随分と高性能だな」

「その点兄はつくづく低性能だな。初期のMacの方がまだいい働きするんじゃないか。
この卵焼きも全然ダメだしな。家事能力が唯一のとりえなのにも関わらずこれではな。
そろそろ買い替え時だろうか」

「買い替え時って。何処の世に兄を売ってくれる店があるんだ」

「知らんのか?今時は探せばネットでも兄が見つかるんだぞ」

「……嫌な予感がするな。それは出会い系か?」

「そうだが」

「やめとけ」

「何故」

「大人になったら分かる」

「要するに下心満載の男ばかりだからか」

「……妹よ、知ってて聞いたか」

「フハハ。私の知識は縦横無尽」

「腹立つー。なんか腹立つー。
妹を絞め殺していい免罪符って何処で売ってるんだろうな」

「ふん。卵焼きもまともに作れん無能者が私にたてつこうなど永久に早い」

「お前なんかカップラーメンしか作れないくせによく言う」

「私は他に特化しているからいいのだ。
人間一長一短、悪いところもある意味ステータスとなる時代だと前にも言わなかったか。
その点兄は家事ばかりのくせに、家事もまともにできないだろうが」

「出来てるだろうが」

「ならばなんだこの卵焼きは」

「何処からどうみても美味しそうだろう」

「馬鹿か貴様は」

「意味が分からん」

「ふん、ならば兄よ、その耳かっぴじって良く聞くが良い。
卵焼きの真の姿は外側ふんわり内側トロトロなのだ。
それが本来のあるべき姿にして唯一無二の究極形。
人間が人間にしてより高みへと近づく至高の姿なのだ」

「付き合ってられん」

「待てコラ。貴様何私の卵焼きにまで箸を伸ばしている」

「食わんのだろ?」

「何時誰が食わないなどと言った。難聴かむしろ幻聴か」

「妹よ、見苦しいな」

「ふん、いいのかそんな事を言って。兄よ」

「だから意味が分からん。お前の台詞はいちいち難解だ」

「このまま行くとな」

「行くとなんだ」

「微妙なテンポがオチになってしまうぞ」

「・・・」

「・・・」

「ダメなのか?」

「・・・・別にいいか」



ダメだった。
次に期待。











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