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0から始める小説の書き方徹底講座! 作者:N.M.ぺんくらぶ

いざ尋常に勝負!

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いざ、批評の場へ

 全部書き上げた! 推敲もした! とくれば、いよいよ他人に読んでもらう段階です。
 自分のブログや「小説家になろう」等に連載していた場合を除いて、初めて自分の作品が他人の目に晒されるわけですね。プロ志向の方だと、真っ先に新人賞への投稿が思いつくはず。早速印刷して――ここでストップ!
 本気で受賞を狙うなら、あるいはもっと作品のレベルを高めたいのでしたら、まず手頃な誰かに読んでもらいましょう。

Q.どうして他人に読んでもらう必要があるの?
A1.作品は我が子。甘く見ていて自分では見落とした、あるいは見逃した欠点が必ずあります。
A2.作品は作者の「面白い」を凝縮したものですが、それが読者にとっても「面白い」とは限らないです。
A3.執筆中に飽きるほど読み返した作者より、新鮮な気持ちで読める人の方が作品の良い所・悪い所を客観的に感じ取れますし、誤字脱字も簡単に見つけてくれます。

 問題は、誰にどんなスタンスで読んでもらうか――これは結構重要です。
 場合によっては何の役にも立たないばかりか、作者や作品にとってマイナスになってしまうことさえあります。

■家族・友人など
 素人の書いた小説を真面目に読んでくれる人が身近にいるだなんて、それだけでも貴重な存在です!
 ただし注意することが2つほど。

①ある程度の読書歴があること 
 作品の対象読者とあまりにかけ離れた人物の感想は、それはそれで価値あるものなのですが、やや見当外れな方向に行ってしまうおそれがあります。
 たとえば、ツンデレを知らない人にツンデレラブコメを読んでもらっても
「ヒロインがなぜこんなに怒りっぽいのかわからない。もっと彼女を柔和な性格にしたら?」
 などと言われてしまうかもしれません。それはそれで一つの感想ですし、一理あります。
 しかし、ツンデレ好きのために書かれた作品にそんなダメ出しを喰らっても、どうしようもないですよね。そこで「うんわかったツンデレやめさせるよ」と簡単に変えてしまうと、魅力が消えて世界中のツンデラーががっかりしてしまうに違いありません。
 可能であれば読書歴が長く、ある程度の知識とお約束についての理解がある人が望ましいです。逆に主な対象読者を「あまりそのジャンルの本を読まない人」として考えているならば、そういった前知識は持っていない人の方がいいでしょう。

②批判的に見てもらうこと
 その家族・友人は「あなたが書いた作品」であることを理由に贔屓目で見てしまうかもしれません。
 小説において先入観は、感想を大きく左右します。あばたもえくぼ。作者が自分の作品を甘く見てしまうのと同じ心理状態に家族・友人がなってしまうと、わざわざ感想をもらう意味が激減します。
 あるいはその家族・友人は、あなたに遠慮して悪い点を一つも言わないかもしれません。それどころかちっとも面白くもなかった点について、面白かったよと優しい嘘をついてくれるかもしれません。
 しかし更なる高みを目指すのであれば、そのような気遣いは逆に毒。ダメなところはきちんと指摘してもらいましょう。
 ついでに面白かった点も聞いて、自分の武器がどこにあるのか確認するのも忘れないようにしてください。身近な人に批判されまくるのはかなり効きますので、LP(生命力)回復剤になります。


■他の作家志望者
 一作でも小説を書いた経験のある人は、かなり的確なアドバイスをくれます。
 読解力もあるので作品を精密に分析できますし、改善策も知っていることが多いです。
 創作の構造を知っているだけに、普通の読者とは着眼点が違います。
 そういうわけで間違いなく、何らかの参考になる感想を一つはもらえることでしょう。

 しかし……知識がありすぎるのも時には困りもの。
 ネット等で他の作家志望者さんに批評を頼むと、相手の作風を押しつけられてしまうことがあります。しかもそれは決して悪意からくるものではなく、全力で手直ししてあげようという善意の結果だったりするのが辛いところです。
 なぜかと言うと、作家志望者の方は自ら小説を書こうというくらいですから、やはり自分の感性や創作論に自信があります。そのうえで「自分ならこう書く」という目線で他人の作品を読んでしまうため、自分とは違う部分を「間違い」として捉えてしまう傾向があるようです。(あくまで一部の人のみで、客観的に意見をくれる人の方が多いのですが)
 なのでいくら相手が自分より上手かろうと、全部が全部、言われるがままに直してはいけません。指摘を受けたうえで直すかどうかは、必ず自分で考えてください。
 また、膨大な技術論を持っているがために技術やメソッドのみに目がいきすぎてしまうこともあります。すると作品を良くするためにもっと大事なことがあるにもかかわらず、枝葉末節のどうでもいい部分を執拗に指摘されてしまうことに。
 もちろん、直した方が完成度が上がるのであれば即座に直すべきでしょう。しかし簡単には直せない要素にダメ出しを受け、大幅な改稿を迫られる場合もあります。その場合は枝葉末節のために木の幹――すなわち中心となる作品の魅力を削ぎ落とすことは、絶対にしないよう注意してください。


■「小説家になろう」の読者
 ずばりこの小説投稿サイト「小説家になろう」の読者さんです。
 家族・友人のような先入観を持たず、技術論に偏り過ぎない意見をくれる場合が多いので、自分の作品の魅力を知るためだけなら非常に頼りになります。LPもモリモリ回復です。
 でも、ネットで見つけた小説に感想まで書き残してくれるだなんて、その人は十中八九あなたのファンでしょう。ファンとまで言えずとも、少なからず「面白い」と思ってくれたからこそ感想まで書いてくれているはずです。
 ということは――つまらなかったなんて意見は、ほとんど出てこないですよね。
 悪い点を書いてくれる人がいたとしても、どうしても遠慮が先に立って控えめな内容になってしまいます。そのため悪い点をみっちり書いてくれる読者の方は、「小説家になろう」内ではめずらしい、というのが現状です。


○批評されたら……
 もちろん、直せるところは直しましょう。基本的に作者の意見より、読者の感想の方が正しいと思ってください。
 別の場所で複数人から同じ感想を貰った場合は、その感想はほぼ間違いないです。批判であれば直した方が作品の質は上がるでしょうから、素直に直しましょう。逆に複数人から面白いと言われたところは鉄板ですので、今後も武器として持ち続けてください。
 人によって評価の分かれたところや、作者として絶対に譲れないところは無理に直さなくても構いません。そのまま新人賞に出してOK。ライトノベル系の新人賞であれば、評価シートをもらえるところもあります。
 その評価シートでも悪く書かれていたのであれば直すべきですが……評価シートを参考に直して受賞レベルに達するのであれば、世話はないですよね。直すだけ直して納得したら、その経験を活かして新作に取りかかるようにしてください。

Q.ボロクソに酷評されました。筆を折ります。
A.それだと私は何回筆を折るべきだったかわかりません。

 何冊も人気作品を出版しているプロ作家さんに対してさえ、酷評する人はいっぱいいます。そればかりか、受賞作をベタ褒めしてくれたはずの編集者さんでさえ、作品のブラッシュアップのためには相当な量のダメ出しをしてくださいます。これが改稿段階のお話。
 その後の校正・校閲段階でゲラが真っ赤になるのはプロでも普通です。
 しかし校正・校閲は技術的なダメ出しであって作品の面白さにはノータッチですし、感想は個人の感想であって、作品の絶対的な評価ではありません。
 作品は自分の分身みたいなものですから、貶されたら本気でヘコむのはわかります。
 豆腐メンタルの持ち主でなくても、ボディーブローのようにじわじわと効いてきます。
 でも忘れないでください。批評意見を聞くのは作品に点数をつけるためでも、作者が自信を失うためでもありません。作品をもっと良くする方法を探すためです。それを忘れなければ、いつか酷評の数の何倍も「面白い」と言ってくれる人が現れるはず。そう自分に言い聞かせ、日々研鑽を積んでいきましょう。 M
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