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学校の怪談殺人事件 作者:あじろ けい

第6章 怪談の呪い

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怪談の呪い(8)

「開かずの部屋、どこだかわかったぜ」
 自信満々に陸がそう言うものだから、空はいそいそと後をついていった。
「文も読めって海の奴が言うからさ、俺、例の学園の歴史についての本をこっそり読んだんだ」
「まさか、開かずの部屋について書かれてあったなんて言わないよね?」
「だったら苦労しねえっての。海にだってすぐにわかっただろうし」
「海が気がつかなかったってこと?」
「まあな」
 得意げに陸は鼻を鳴らした。
「学園は当時でも珍しいセントラルヒーティングを完備していたけど、戦争中、金属供出によって設備はすべて日本軍に回収されてしまったんだと」
「ひどい話。冬になったら寒いじゃないの。国民を苦しませて何の戦争だっていうの」
「まだ続きがある。で、そのセントラルヒーティングの設備を支えていたボイラー室ってのが地下にあったらしいんだ。ボイラー室でなくなった後は地下倉庫として使われていたらしい。その入り口がここだ」
 旧校舎一階、調理実習室と技術工作室との間にある階段の脇で、陸は足を止めた。
「入り口っていうけど、階段と……壁しかないけど?」
 空の冷たい視線をものともせずに、陸は
「だから言ったろ? 開かずの部屋を見つけたって。開かずの間なんだから入り口がなくて当たり前だろ?」
「まさか、この壁が入り口だったって言うの?」
「あたり。浅見さんから聞いた話だと――」
「浅見さんに聞いたの?」
「ああ。俺だって、本気出せば怪談についての謎解きは出来るってーの。で、浅見さんによると、昔はこの壁の向こうに階段があって、地下に続いていたんだと。生徒があやまって地下倉庫に閉じ込められたりすると大変だからって、壁をつくって入り口を閉じたらしい。二十年前ぐらいの話だってさ」
 はっとした空にむかって、陸は頷いてみせた。二十年前というと、他の怪談の基となった奇怪な事件が起きた時期だ。
「開かずの部屋か……怪談の通り、入り口が閉じられてしまったってわけね」
 かつて地下倉庫のあった場所だと教えられたその場に立ち、空は唇を噛んで悔しがった。
「入り口ならあるぜ」
 そういうと、陸はさっさと歩きだした。
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