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学校の怪談殺人事件 作者:あじろ けい

第6章 怪談の呪い

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怪談の呪い(3)

 生物室で発見された死体が篤史だと知って動揺を隠しきれず、空は顔を両手で覆った。
「そんな……まさか、七つ目の怪談を知ったからっていうんじゃ……」
「どういうことだ、それ?」
 眠気の吹き飛んだ陸が食いつき、海も膝の間から顔をあげて、空を見上げた。
 七つ目の怪談が何かがわかった、七つ目の怪談を知ると死ぬという呪いの謎も解いたと篤史が言っていたこと、八角の間で幽霊を見たと言っていた生徒が行方不明になっていることなどを、空はかいつまんで話した。
「幽霊を見たって言っていた生徒も多分殺されてるんだろな。八角の間の幽霊イコール犯人説が裏付けされたってわけだ。ってことは、やっぱり白衣姿の松戸が犯人なのか」
「そのことなんだけど、七美の事件に関して、松戸先生はアリバイがあったの」
 空は、希美から聞いた話を繰り返した。
「アリバイとしては弱いな」
 それまで黙り通しだった海が口を開いた。
「松戸先生と白石先生が一緒にいたと証明する第三者がいるわけじゃない。お互いにアリバイを証明しあっているだけで、裏を返せば白石先生にもアリバイがないってことになる」
「海、それじゃあ、白石先生が犯人かもしれないってこと?」
「可能性の話をしているだけだ。そうだとは言っていない。共犯関係なのかもしれない」
 不倫を咎められたことから、松戸と希美には津田沼校長を殺害する動機があった。二人が共謀していたとすると、津田沼校長が死んだ夜の松戸のアリバイも怪しくなる。松戸が急いでいたと言っているのは希美だけなのだ。
「なあ、さっきから聞いてると、怪談だとか、死ぬだとか、犯人だとか、物騒な話をしているけど、一体何なんだ?」
 真澄の存在をすっかり忘れていた三人は、はっとして口をつぐんだが、時すでに遅しだった。
 三人は、かわるがわる、学園には七つの怪談が伝わっていること、怪談の内容を再現するような連続殺人が起きていること、七つ目を知ると死ぬという呪いの存在などを真澄に語ってきかせた。ただし、犯人捜しの真似事をしていることだけは三人ともに暗黙の了解で伏せておいた。
 話を聞き終えた真澄は、すっかり冷めてしまったコーヒーを一気に飲み干した。
「今は七つあるんだな。俺が学園生だった頃は四つしかなかったんだが。七つ目を知ると死ぬとか、初耳だぞ」
 真澄の反応に、逆に三人が驚かされた。学園の怪談と七つ目の怪談の呪いはずっと学園に伝わっているものだとばかり思っていたからだ。現に、三人とも、先輩たちから聞かされた話である。親とはいえ、学園生だった真澄は先輩の先輩のまた先輩にあたるわけで、その真澄が怪談にまつわる話を知らないというのは不思議な話だった。
「んで、オヤジが知っている四つってどれよ?」
「八角の間に出る日本兵の幽霊、骨格標本は本物って話、開かずの間の呻き声、トイレの紙さまの話だな」
 陸にきかれ、真澄は指折り数えてみせた。
「お前たちが言っている血を流すマリア像と美術室の動く石膏像の話は怪談じゃなくて、本当にあった出来事だぞ」
 三人は一瞬、自分たちの耳を疑った。
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