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手紙 作者:Pー龍
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撮影旅行③

 最後の休憩のあと40分くらい走ったかな、どうにかおばあちゃん宅の前に到着しました。途中自販機でお茶とコーラを補給しました。最後の方はまるで撮影旅行じゃなかったけど、本番はまだまだこれから。でもお腹がすいてしまって脚もパンパン。そんな私はおばあちゃん宅の鍵を持っています。お邪魔しました。
 使わなくなった家はダメになるって大人たちが言うのをよく聞くけど、おばあちゃんの家の中は黴臭い。家じゅうの窓を開けて回ります。この間は顔面タオル着用。おじいちゃんの仏壇に手を合わせました。おじいちゃんのお位牌はおばあちゃんが我が家に持って来てるので空っぽの仏壇です。
 救急箱の中にあった湿布を拝借してふくらはぎに貼りました。おばあちゃんの使ってる湿布薬はよく効きます。脚の痛みが何処かへ抜けて行くような感じでした。
 座ってぼーっとしてたらお昼のサイレン、その大きな音にびっくりです。外に出て見たらおばあちゃん宅前にある漁協のスピーカーが発信源のようでした。いつの間にこんなの付いたんだろう。前におばあちゃんの家に来たときは無かったよ。

 おじさんたちが数人集まって何やら作業をしていました。コンデジを取り出します。顔見知りのおじさんもちらほらといたので『こんにちは』ご挨拶しました。みんな大きく手を振ってくれます。あれ、おじさんたち、みなさん私のことを知ってるみたい?

「陽夏ちゃん、久しぶりだねぇ。今日はどうしたんだい? 1人?」
「はい。1人です。写真を撮りに来ました。」
「あれ、やっぱり陽夏ちゃんだったんだ。大きくなったなぁ。」
「そうかぁ、陽夏ちゃんもカメラマンになるんだねぇ。詠子によろしく言っといて。」
「詠子ちゃんの娘さんかぁ。こんな大きな女の子がいたのかい。」
「まだわかりません。ママみたいにはなりたいけど。」
「やっぱり詠子ちゃんの娘だな。いい写真家になれるさ。」
「頑張れよぅ。おじさんたち、陽夏ちゃんのこと応援するからな。俺たちのことモデルにしてカッコいい写真撮ってくれよぅ。」
「なぁ、俺のカッコいいところ撮ってもらえないかな。」
「そうだ、お前の見合い写真、陽夏ちゃんに撮ってもらえよ。」
「ありがとうございます。でもカッコいい写真はまだまだ私には難しいです。」

 おじさんたちの写真を何枚か撮らせてもらいます。おじさんたち、照れた顔で変なポーズを作るの。面白い写真が撮れたかな。これならママに自慢できそう。
 お魚持って行けっていうおじさんがいて、断りきれませんでした。生はちょっと無理なので、干物をいっぱい頂きました。何度も何度もお礼を言って、お別れしました。

 お腹ぺこぺこです。さぁおばあちゃんのお弁当食べよう。
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